「ああ、そうだ。確かに世界は滅んだな。
安心したまえ。神たる小生がその全てを保証してやる。
泣こうと、喚こうと、後悔しようと、歓喜しようと――
変わってしまった世界は過去に立ち戻る事を許さず。
最早連続しない世界は、過去と永遠に断絶した。
この世界は騒がしく、退屈で、未だ生存にすがりつく生物は絶望的に愚かしく滑稽だ。
だが、それがどうした? 『他我』等にはこれ以上の何も侵せまい。
不愉快な羽つき共なら尚更だ。
己がそこに在る限り、何かを求むる限り、その『自我』は侵されまい?
貴様は唯誇ればいい。 光栄に咽べばいい。
終わる世界で好きなだけ抗い、囀れば良いではないか。
例え世界は滅びようと――今、貴様はこの小生の目の前に居るのだから!」

――――『デウス・エクス・マキーナ』シュペル・M・ウィリー

Re:versionが2024年に贈る新作PBW『Lost Arcadia』は終わりから始まる『世界が滅びた後の物語』です。
現実の時間と最初はリンクする『2024年』は本作がオープンする2月1日時点では平和な日常を続けています。
2024年2月から2カ月間の間、プレイヤーキャラクターの立ち位置は『本編』と大きな違いがあり、同時に『比較的大きな制約』を受けています。
具体的に言えばこういう事です。

  • 堕天使は居ない(開始時に限り種族『ヴァニタス』を選択した場合、登録時は普通の人間となります)
  • 多くのイレギュラーやオルフェウスはその能力を隠して生きている(少なくともプレイヤーキャラクターは)
  • 戦うべき敵(天使等)は居ない
  • 世界は微温湯の平和に浸かっており、終焉の気配は何処にもない

プレイヤーには二カ月の間、『イラスト』を発注し、文章コンテンツの発注やロールプレイ、『楽園時代のシナリオ』でキャラクターを固める猶予(モラトリアム)が与えられます。
そしてやがて時間が過ぎ去れば、本編は現実時間と乖離し、2052年4月へと合流します。
プレイヤーが現実時間とリンクする劇中の2024年4月1日を迎えた時点で全ての物語は開始されるという事です。
不可避の『ドゥームスデイ』は必ず発生し、この世界は『タイムライン』の通りに崩壊し、そして『本編』が始まります。
ヴェテランはかつての世界を思い出しながら零落した世界で戦い抜き、ロストエイジは『見知りもしない楽園時代』を夢見るかも知れません。フレッシュは座標消失で遠き日のマシロ市に合流するでしょう。
繰り返します。
これは『世界が滅びた後の物語』です。
但し、滅びは終わりとは限りません。
終わった世界が新生しないとは限らないのです。
――そこに物語の主役が、『あなた』が居る限りは。