「この、悼むべき情勢にお悔やみを申し上げます。
 しかし……いや、これは不幸中の幸いでした。
『天使』の攻勢を受け、アーカディア11を沈黙させる等、中々出来る事ではありません。
『これは実際に侵攻を受けた世界でも殆ど成功していない事態でしょうね』。
 それに、天使との戦いで激甚たる被害を受けた諸外国に比べ、本邦は比較十分な力を残す事が出来ました。
 この結果は偏に総理をはじめとした優秀な政治家先生達の御英断が故であり、我が身を粉にして奮闘した警察官、自衛官諸氏の健闘のお陰であり、非常時にも規律と良識を失わなかった市民の皆様の力あってのものです。
 ええ、本当に。
 この『マクスウェル』、その『一助』になれた事を心より光栄に思っておりますよ」

内閣危機管理監
涼介・マクスウェル

タイムライン

 本項にはLost Arcadiaの世界で2024年4月以降に起きる『未来の年表(タイムライン)』を記載しています。
 ゲーム開始時点(2024年2月予定)では世界は崩壊していませんが、4月を迎えた時点で物語は2052年4月に移行する形となります。
 つまり、この年表は2024年4月~2052年4月までに起きる情報を埋めるものとなります。
 世界観の把握の為にも是非ご一読下さいませ!

2024

2024

2024.4.1
ドゥームスデイの発生。
天使が初めて出現観測され、天使級が各地を襲撃。全世界的に天使症候群が発生し、各国の軍隊ないしはそれに準じる組織が天使級の物量に対抗し、消耗戦を開始する。
同年6~7月頃には生じた物的被害、人的被害により全世界的に政府機能が大混乱に陥るも、一方で時の日本国総理大臣時村は事件発生直後に政府に接触してきたオルフェウス、涼介・マクスウェルを重用。
初動の激動期を各国比で比較的小さな被害で乗り切る事に成功する。この年代を越え、2027年までを生き抜いた人物は一般的に『ヴェテラン』と称され、この年度以降に誕生した人物については『ロストエイジ』と称される。
2024.4.3
未明、座標消失が発生する。この事件に巻き込まれた人物はこの時点で全て行方不明と処理される。
この事件は不明が多く、公的には『天使により引き起こされた更なる悲劇』と記録されている。
この事件に巻き込まれた人物は未来において『フレッシュ』と称される事となる。
2024.5
戦闘の中で検証が進み、天使側に人間的知性を有する人型個体が存在する事が確認される。
戦いの中、或いは疎通可能な個体(後年区分による大天使級以上)の様子から天使側に明確な指揮系統が存在する事実も確認され、『羽の生えた怪物』達が独自言語を操り、一定の社会性を有する事実も確認された。
また、一部の天使症候群患者が自我を残したまま異能を獲得する症例を確認。『堕天使』と称された彼等は対天使戦の中核、重要戦力として期待された。
2024.7
後年に区分される能天使級(中位個体)を各地で確認。
歩兵での対応が困難な敵に対して人類圏は機甲戦力を中心に対抗・反撃を試みるが大きな損害を受ける。
一部指導者が国際連合にて全人類的な緊急対応として各国の完全一致した連携を提案するも、多くの国に拒否される。
2024.8
天使症候群の発生数が激化。天使の襲撃と合わせ人類の人口が著しい減少を開始する。
しかしながらアメリカ軍が圧倒的なインテリジェンスで天使への対処法を確立し始める。
ドクトリンの共有により、同盟国軍を中心に消耗を犠牲にしながら一時的な小康状態に突入する。

2025

2025.1
各地に主天使級及びそれに統率された力天使級、能天使級の『部隊』が確認される。
小国を中心に複数の国が機能を失い、軍隊も無力化する状況が頻発する。
悲惨の一途を辿る人的・物的被害に一度は否決された『人類総力による天使への対抗』が再論議され始める。
賛否は拮抗するも、最終的には複数の国の『拒否権』により採決は頓挫する。
2025.4
天使襲撃から一年を迎えた日、対主天使級として戦術核の使用が試みられる。
その結果、核戦力が主天使級に有効である事が判明し、核保有国はこれに追随。
『寸土』を犠牲に大きな戦果を上げる。
2025.7
殆ど全ての国家が総力戦、厳戒態勢に移行。市民権が大きく制限され、政府の力が増大する。
天使の物量は増大の一途を辿り、質の向上と相まって人類圏はほぼ全ての戦線で防戦一方となる。
2025.12
12月24日、所謂『聖夜の悪夢』が発生。 北米大陸の天使拠点攻略を目指したアメリカ陸軍主力部隊が顕現した熾天使級により壊滅する。
アーカディア・11(数字としても11である)麾下の智天使級、座天使級が人類殲滅を開始する。
北米に智天使級2、ユーラシア中央アジアに1、欧州に座天使級が3。(最低限それが確認されている)

2026

2026.1
より明白に作戦行動を展開し始めた天使軍勢に各国は連戦連敗し、人類の黄昏は決定的なものとなる。
2026.6
遂に人類圏の意思統一が決定される。地球人類は生存をかけて残存戦力を『人類軍』に統合する。
2026.7
通称『夏戦線』。人類最大の反攻作戦が展開された。
各国が『隠し持っていた』戦力は予想以上に大きく、指揮系統の一本化も寄与。
欧州戦線で初めて座天使級(高位天使)を撃破、北米でも智天使級を撃破確認。
2026.11
『何らかの理由により』(信頼に足る記録は残されていない)熾天使級(アーカディア11)の活動が沈黙。
人類軍はこの好機に、残存天使軍勢に対して乾坤一擲の『太平洋作戦』を立案する。
これは残存する最高指揮官と思われる北米、ユーラシアの智天使級間の連絡を完全封鎖するもの。死力を尽くした火力支援下で堕天使等の異能者を中心とする精鋭を送り込み、彼等を刈り取るという大作戦である。
2026.12
通称『聖夜の歓喜』。12月24日、天使軍勢を『不沈空母』で寸断した人類軍が残るユーラシア、北米の智天使級を、また英国を中心とした旧NATO軍が欧州の座天使級2を撃破。各地の天使が統制を失い、掃討される。
代償として人類軍はほぼ全滅。各国中央政府が天使軍勢により壊滅的な被害を受け、要人の大半も命を落とす。
この歓喜は歓喜とは名ばかりの『相討ち』に他ならなかった。

2027

2027.1
天使の侵攻が止まり、天使症候群の発生頻度が激減するが、この人類の『勝利』は多分に政治的な意味合いであった。
一連の事件は人口の90%以上を喪失させ、ほぼ全ての軍事力は消滅。科学技術や高度な社会制度は大きく損なわれ、残された人々は拠点を可能な範囲で要塞化する事で自衛。
この時期になり、世界が明確に変容している事が決定的になる。天使の影響かは定かではないが、異能を生じる者が現れたり、地球原生とは思われない生物が出現。
残された人々は野良天使や変容した世界での過酷な生活に耐える事になる。
2027.3
天使勢力の組織的な活動停止を十分に確認した『内閣危機管理監』涼介・マクスウェルが現状を確認し、かねてから用意していた非常用物資へのアクセスに成功。関東近辺の残存勢力と市民に臨時のキャンプを提供する。またより上位の指揮系統の壊滅ないしは消失を確認した事から臨時で指導的立場を獲得する。
2027.7
残存の警察力や可能な限りの行政機能を一旦統合した涼介・マクスウェルが壊滅的被害を免れた旧横浜市の一部に新規拠点の設立を計画する。またこの頃、世界観測者たるラプラスの悪魔との接触に成功。『契約』に基づき、マシロ市建造計画が本格的に立案される。
2027.9
旧横浜市市街に立ち上がった『マシロ建造計画』に横須賀基地を破棄した在日米軍が合流。日米両政府の機能は停止していたが、自衛隊の残存戦力と共にキャンプ・パールコースト成立し、強固な同盟関係を継続する。米軍部隊は横須賀基地から横浜市の本牧までの地獄の撤退戦において自衛隊の献身的な援護を受けた事から十分な信頼関係を構築済みであった。またこの動きに戦力の大半を喪失した上で、本国政府との連絡を絶たれた米国第七艦隊の一部も帯同した。

2028

2028.2
ラプラスを『逆観測』したシュペル・M・ウィリーがマシロ建造に参画し、計画が加速的に進展を始める。

2030

2030.11
人類圏の生存計画の一環としてK.Y.R.I.E.が設立され、イレギュラーである王条かぐらが室長として就任する。

2035

2035.5
マシロ市建造における『基礎計画』が概ね達成され、人々は一先ず、一時の安寧を得る事に成功する。

2036

2036.4
人類圏の将来を支える人材を育成すべく総合教育機関である刻陽学園が設立され、第一期生が入学する。

2038

2038.8
通称『早贄と福音』事件が発生する。ドゥームスデイを戦い抜き、2038年まで人類圏を支えた『ヴェテラン』のヴァニタスの一人が天使症候群の進行により天使化。連鎖的に数多くのヴァニタスが同様の運命を辿り、マシロ市街と市民、これを食い止めようとしたK.Y.R.I.E.及び刻陽学園の学徒・人員に甚大な被害を出す。シュペル・M・ウィリーの研究により、神秘の力を振るう存在に『テスタメント』と彼が称する『リソース』が存在する事が判明した。テスタメントの増加、特に天使症候群の悪化には心的ストレスが強く関わる事が解明され、能力者に対しての合理的なケア・プランが立案された。

2040

2040年代
平穏期。この頃までにマシロ市は人類圏に残された有力な拠点として近隣地域に認知される。ドゥームスデイを生き残ったオルフェウスやイレギュラーの多くが合流する。またマシロ市の都市機能が充実し、流入、誕生含め市内人口がなだらかに増加する。

2052

2052.2
マシロ市に片翼の少女が『保護』される。
2052.4.1
座標消失に巻き込まれた人々が『当時の姿のまま』でマシロ市に出現する。能力者、非能力者問わない人口の大流入はマシロ市の支えられる都市機能の限界を超えていた。以降の年代については『フレッシュ』がマシロ市に合流する事になる。
2052.4~
上位天使の消滅とアーカディア・イレヴンの沈黙で(目的を持った)『天使の軍勢』は存在しない状態である。
しかしながら全ての天使が殲滅された筈もなく、彼等は謂わば『野良』として世界を跋扈している。
死力を尽くしてカタストロフを乗り越えた人類であったが、現在においてその勢力圏は極少であり、横の連絡も存在しない。謂わば生き残るのが精一杯という状況が続いている。
2052