喇叭の音が鳴り響く。
命空骸戯の狂騒が、壊れた東京に響いていく――
――
そんな音すら置き去りにするのは、割れたアスファルトを切り裂いていくカリッカリにチューンされたWジェットエンジン付きリヤカーうどん屋台『麺狐亭』改、それを曳く御子神 天狐(
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「最速は半減して尚速いという事を思い知らせてやろう――最高速度でブチ抜いたる!!」
疾駆。
――鋭く、風が吹く。
「『塩の領域』の原因がこんなところで分かるとはなぁ……」
この東京に
おわす主天使の権能『
すべてを失せて』によるものだ、と知って――天賀谷 ミナ(
r2p004242)はしみじみと呟いた。
「ボク、天使であっても個人を見るタイプだけど……今回は、そうも言ってられそうにないな」
身構える。
麗しきダンスを、ゲイムを誘う天使らへ。――デバイスなる枷に縛られようと、どこまでやれるか勝負だ。
「……それにしても動きにくいですねえ。相手も同様でしょうか?」
ベドウィール・ブランウェン・雨夜(
r2p000403)は手首を飾るデバイスを見下ろし、小さく息を吐く。さて、聞こえてくるのはアサルトライフルのがなる音、獣の唸り、
サーカス天使共の馬鹿笑い。ベドウィールは顔を上げる。手にした刃を握り直す。
――ゲイムだか、なんだか知らないが。
「東京奪還の為なら仕方ないですね……」
呟きと共に、エレス・イルレーウェ(
r2p000469)は
鳥の使い魔を空に飛ばした。
嫌な状況。だからこそ、ヒーラーの存在が必要で。
「背中は、僕が守ります」
倒れない。そして、倒れさせない。
それは盾となるミステル・アイヒェ(
r2p007515)も同じく。
デバイスに縛られて、未だ道半ばの身であって。それでも、以前の震えを帯びていた
新芽ではない。抜き放つ剣。唇に湛える淡い笑み。
「根性だけは、身につけてきましたから。本気で俺と向き合ってください。
騎士ミステル、参ります。――俺と、踊ってください」
どうか、皆が無事に帰れますように。
「――星に願いを」
星空の翼を帯びて、月城 ソラ(
r2p001474)は天使の前に立ちはだかる。星は見えねど、いつだって空に輝いている。だからこんな気味の悪い
ゲイムの、思い通りになんてなってやらない。仮想であろうと死んでなんかやらない。真っ直ぐ――赤い瞳は、前を見据える。
割れ残ったビルのガラスが、静かに戦場を映している。
曇ったそこに、月朱(
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デバイスが光る。
「――どうぞ、私も服従させてみてくださいな」
乙女の指が、とんとん、と首輪を叩く。如何にデバイスが力を封じ込めてこようとも、心までは縛れない。
響き渡る、この音色のように――(いつまでも落ち込んでいられない。お兄ちゃんもきっと喜ばない。私は強くならなきゃ)
茜谷 凜華(
r2p000198)は腕を飾るデバイスを、ぎゅっと握って。
(今戦うのをやめたら、強くなるのをやめたら。私は『お兄ちゃんを殺す為に強くなった』事になっちゃう)
それは嫌だ。もう大切なものを喪わないように。今度こそ護り抜けるように。どこにでも助けに行けるように――乙女は、
ゲイムに挑む。
――
こんな状況で。
柏木 清志郎(
r2p000956)ができるのはいつだって、
立ち上がることだった。
傷ついて、血が流れて、肉が骨が軋んで、視界が揺れて、痛くて、苦しくて。それでも――何度でも
それでもを繰り返して。意地、根性論、強がり、空元気、なんだっていい。
「生きていれば、勝ちさ」
それが、『柏木 清志郎』という男の
いつものだった。
命空骸戯 - 旧展示場要塞システム/ゲイム・ルール
