昏い嵐を切り裂くように、
月光船が横須賀を目指し進み往く。
希望たるその船団へと襲いかかるのは、咢の如き千波万波――
邪精霊の放つ
砲撃が、海に幾つもの水柱を上げた。しかしそれは、
透明となったエスタナテル(
r2p001085)を捉えることはできなくて。
「手数。威力。どれだけ厄介でも、認識できなければ無意味でしょう?」
荒れ狂う嵐の海を駆けて抜ける。その指先より放つ稲妻が、暗い世界に閃光を奔らせて――
「闇に呑まれるわけにはいかないんだ。光で貫き通してやるとしようか」
海路を拓け。岡田 昂平(
r2p004112)はシーゴーントに立ちはだかる。棘の鎧をその身に纏い、敵意の矛先を一身に引き受けよう。
死ねと言われてはいそうですかとは言えない。
たとえ
相手がどんな姿をしていようと――
(あれが
本物ではない事はもう知ってる。本人はきっと往くべきところへ逝っている、はず)
ならばその姿も海へ還して、どうか安らかに。リザ・アレクサンデル・雨夜(
r2p000363)は細剣を握り直し、海を駆けた――
月光船を狙うのはシーゴーントだけではない。
――胡乱な羽音。天使共もまた、その力をつけ狙う。
「切符を拝見――なんて、冗談、です」
月光船に
無賃乗車する
天使に、ケイ・アッシュ・クラフト(
r2p002557)は螺旋に渦巻く水の拳で
ご挨拶。
敵意はそのまま。闘気と神気を力に変えて、ケイは今まで数多の天使の血を吸ってきたナイフを突きつけるのだ。
――
この船を奪わせるわけにはいかない。
それはエレス・イルレーウェ(
r2p000469)も同じ。
「皆さん、共に頑張りましょうね」
一陽来復。冬から春へと巡るように。ちょっとした安らぎをもたらすように。それは誰かの幸せを願う術。傷を拭い、痛みを祓う治癒の術。
レイヴンズは一人ではない。キャンプ・パールコーストに、精霊に、そして今を繋いだ先人達に支えられてここに居る。
だから、負けられないのだ。
「貴様等に光の領域の力、奪わせなどしない! ここで沈め!」
ローデリヒ・V・ラディーレン(
r2p000113)は精霊の背に乗って、
闇の剣をその手の中に具現化する。
このまま進み、そして……この先の戦いも勝ち、皆で無事に帰る為に。ルビーが散るような赤い煌めきを舞わせながら、
碧翼の追撃を斬り崩すのは剣の舞踏。
一方で響くのは銃声だ。
「自分がされて嫌だった事を他人にするにゃー! なのっ!」
ミア・レイフィールド(
r2p000284)が構える銃は、その隅々まで血と神経が通うかの如く自由自在。撃ち放つ弾丸は
致命的な贈り物となって、水でも消えぬ炎で
天使共を赤々と燃やした。スナイパーとしての誇りに懸けて、何であろうと撃ち抜いてみせる。
その相手に、
事情や思惑があるのはアシュリー・ツヴァイク(
r2p000416)とて理解している。それでも、月光船を譲ることはできないから。
「鬼ごっこすんなら受けて立つぜ」
生き残る為に。明日も生きていく為に。この海を越えていく為に。アシュリーは、青い翼を広げよう。
天使勢力には
奇怪な連中も存在した。
大怪物クラーケンに心身を捧げる者どもである。
「ごめんね、ここで君たちはSTOP――この私、京が斬るから、貴女は終わりよ」
ぎらり、榊原 京(
r2p000044)が突きつけるは
同田貫ー京風。
クラーケンを信奉する天使の首を断つ為に、その眼差しは切っ先の如く鋭く――振りかぶるは大上段、叩きつけるは兜割。
アデル・Ⅰ(
r2p000632)もまた、大怪物を妄信する天使へ刃を振るう。叫ぶが如き風切り音が、嵐に響いた。
「あたし、タコとかああいうヌメヌメ動くものって気味悪いと思うんだけど、なんでそんなバケモノに従ってるのよ。怖いの?」
挑発の言葉。
深い深い蒼の眼差しに秘めるは意地。「立ち続けてやる」という、鋼の決意。
――嵐は果てなく、激しさで戦場を包んでいる。
ロストアーカディア二周年!

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