「――きゃはははは!」
フェスもかくやとロックが鳴り響く浅草の往来で、
ギャルの姿をした天使ココが愛くるしくも凶悪に笑う。そこにはもう天使しかいない。
――苦々しい敗北。
「くそ、……!」
春秋 佑河(
r2p000035)は顔をしかめて毒づいた。睨みつけた視線の先、悠々と去っていったティティフィティアの者らはもう見えない。
……夏いきれのアスファルトには、複数の血溜まり。見開いた目に夏の空を映したままの仲間達。電波塔の指示「一定時間死んだふりをしろ」ではない、仮想だけれども、彼らは息をしていない。
「うちらがデバイス奪うまで死ぬなよ~」、だなんて。治療を担う者として、佑河の悔しさと憤りは計り知れない。ぐっと奥歯を噛みしめて、冷たくなった仲間の骸を抱え上げた。それはまさに
不運な出来事だった。
――焦げ臭さが鼻を衝く。もうもうと立ち込める土煙が、汗ばんだ肌に絡みつく。
勝利の花火。そう言って、ベルベルは
戦場だった都立ビルをレイヴンズの目の前で爆破してみせた。その中にまだ居る、敗者達をも巻き込んで。
「おめでとー♪ おめでとー♪ どんどんぱふぱふー!」
出鱈目な音色の喇叭を吹くベルベルを――永谷 薊(
r2p008220)の
月華血桜が切り裂いた。ベルベルは「ぐえー」と間抜けな声と共に、叩き割られたピニャータのように紙吹雪を散らした。
「……あの
悪趣味天使のすました顔に一発入れてやんないと気が済まないね」
その言葉は、今浅草にいる全てのレイヴンズの代弁だろう。
焔はやがて消えていく。戦場となったアーケード街から、ノイモント・シャルラッハ(
r2p001738)は仲間と共に歩み出ていた。振り返ったそこに、もう、
愛したひとの姿はない。
彼女を弄んだ天使らに一矢報いる為にも、これからの戦いは負けられない。彼女の命を代償にしたのだ、この世界を……護り抜かねばならない。
「……さようなら、フィー」
思い出を背負って。約束を携えて。この死地を、進んでいくしかない。
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命空骸戯 - 旧展示場要塞システム/ゲイム・ルール
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