今日の横須賀は、これ以上ないくらいによく晴れている。
波も低く海は穏やかで、まさに航海日和と呼ぶほかない。
浜辺ではKPA-WS-53 アルゴーの船団が出発の時を待っている。
そう、船団だ……マシロ市が出来て以来、初めてとなる大規模航海作戦。
房総半島調査航海計画を更に進めた、それなり以上の規模のものだ。
それをK.Y.R.I.E.に決断させたのは、前回の作戦で持って帰ってきた3つの「石」が関係していた。
光る半透明のクジラの中から出てきた、光の結界と起源を同じくすると思われる石。
K.Y.R.I.E.での調査中、一定方向へ向かって光を放つようになったその石は、今も房総半島のあった辺りを……あの光の結界のその奥を指し示している。
「……諸君、これまでの作戦への協力、感謝する」
九相寺・大志(
r2n000122)の視線は光の示す先ではなく、此処に集まった面々1人1人へと向けられていた。
これまでの調査で分かった光の結界に関するデータから分析するに、どうにも、この「石」があれば光の結界の先に進めるのではないか。
確率としてはほぼ100%に近い数値を叩きだしたその「可能性」は、今回の作戦立案の元となった。
だが、この「石」は何故そんな呼び寄せるような真似をするのか?
こちらを呼んでいるのか、それとも元に戻ろうとしているだけなのか。
そもそも光の結界の向こうには何があるのか?
分からない。何も分からない。
それでも、この手に道標があり、その先へ進めるというのなら。
「未知を既知に変える喜び……というのは真琴君の言葉だったかな?」
レコンキスタには遅すぎた。
彼方から届く52hzは、未だその真意を聞き取れない。
けれど、それでも。
この光の道標が、房総半島に隠された真実を暴き出すというのであれば。
「君たちこそが、房総半島の真実を知るカギになるだろう。だから……どうか、無事で帰ってきてほしい」
房総半島「光の結界」に向けて大船団が出発します……!『光の道標』が始まりました!!
ラプラスの箱Vol.3『サンダーで化生な楽園の日々!!!』が更新されました。
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