第十一戦区を眺めていただろうタラリアは頬杖をついたままベルベルのぬいぐるみをべしべしとしながら微笑んだ。
「ふんふん、成程ねぇ――中々、中々の戦功点集めの速度じゃないか。残存敵数が一気に低下してくれて有難いものだね。うんうん」
残存敵数が一気に25%まで
減りやすくなっていたのはその先の大ボスを攻略する為だ。
此処から先どの様に点数を稼いでいくかというのはさして問題ではない。何せ、しっかりとボスエネミーを用意しているのだから、そちらの撃破に手を割かれる可能性はあるだろう。
タラリアからすれば、本当にこの戦区はボーナスのつもりで用意している。
プシュケーやティティフィティアも堅実にボーナスを稼ぎ、決勝戦に向けての動きが大きくなり始めた事は幸運とみるべきだろう。
ゲイムマスターであるタラリアはモニターを眺めてスナック菓子を手にする。その様子を見つめていた主天使メイは「何してるの?」と問うたか。
「ああ、第十一戦区の様子をね……。例えば見てくれ、只野 白子というらしい。素晴らしい活躍だろう」
「ふうん。このひとって支援が得意なのね?」
メイは興味深そうに只野 白子(
r2p000765)の戦いぶりを眺めている。その後、画面が転換されてから代わる代わる移される能力者に興味を持っただろうか。
「この人は?」
「ヨナ・サラフ・エフライムと、それから人探しをしている小庭月 灰色だね。ああ、それから多摩耶・観莞だ」
ヨナ・サラフ・エフライム(
r2p006845)、小庭月 灰色(
r2p000076)、多摩耶・観莞(
r2p004672)をそれぞれ見つめてからメイは「見たことがある」とそう呟いた。
「そうだろうともカタルモイでの活躍は素晴らしい筈だからね。彼等もそれぞれ信念がある筈さ!」
「この人の武装は何かしら?」
「ロバート・スーウェルという青年だね。うん、
神経接続型強化装甲服の装着適性があるらしいよ。メイもこういうのを着用してみたい?」
「ううん、重たそう。この人は?」
「DISKは生活支援・コミュニケーション特化型ロボらしい。君の生活だって支援してくれるね」
不思議そうにロバート・スーウェル(
r2p009213)やDISK(
r2p001453)の様子を眺めていたメイは「この人も気になる」とGOAT(
r2p008880)を指し示す。
「なんだか、刺すときに刃が体を突っ切っていないわ」
「ああ、これはダミーナイフだね。時々引っ込んでいないけれど可愛らしいジョークアイテムだよ。可愛らしい武器だね」
「ふうん。……それと比べると、こっちの人の武器は、なんだか大きいのね」
「Deadweightという彼は復讐心によってその力を駆使しているそうだよ。
おお、怖いな。天使を殺せと怨嗟が語り掛けている――! 私なんて、殺されてしまうかもしれないねッ!?」
「……」
メイが呆れた様子でタラリアを眺めた。Deadweight(
r2p008554)の怨嗟の炎にいっそこの男が一度くらい焼かれてしまえばいいのに――その程度で、死ぬような人ではないからこそのジョークなのだけれど、と。メイは自らの中で自己完結をしてから指先で他の能力者の姿をつついた。
「このひとは、片方の目が見えていないの?」
「誰だい? ううん、神城・涙か。……メイ、もしかしてアブナイ男性の方が好みだっていうのかい!?
確かにね、ああ、確かに、彼は組織の主をもしているとは聞いていたけれど! 私だってちょっと危ういところがあって素敵だよ、メイ」
「……」
神城・涙(
r2p003409)の姿を眺めていたメイは「そういうのじゃないわ」と呟く。ふと視線を送れば、オッドアイの
少年の姿が目に付いた。
少年ではないのだろうが、それでも幼くも見えた姿は自らの兄を語った
少年にも被さって思える。
「メイ? クリシュに興味が?」
「いいえ、子供もいるのだとおもって」
「とんでもない、彼は成人男性さ!」
クリシュ・オメノー・アルタクシャサ(
r2p004311)だけではない。レイラ・フェイトレス(
r2p009098)にルベリィ・ウィシーズ(
r2p000545)のことだって、幼い子供がカタルモイで活動しているようにメイには見て取れた。
「この人たち、プシュケーを見ているように思えちゃう」
「メイはプシュケーにも興味を持っていたね。同年代と遊びたい?」
「……いいえ」
メイは首を振った。
そんなことは、ないけれど――けれど、興味があっただけ。
呟いたメイの頭を優しく撫でてからタラリアは小さく笑う。
「さあ、メイ。もう少し第十一戦区を眺めていようか。大きな蛇なんか、嫌いかな?」
※イラストオプションに『祇化』が実装されました。(用語説明:呪創/祇化)
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