インターミッションの東京は、しん、と静まり返っていた。
「何故……このような試練をお与えになるのですか――」
Fleurette Lesoleil(
r2p002742)の問いかけは、文明が滅んだことで皮肉にも澄み渡った青空へと吸い込まれていった。
ゲイムは無事にクリアした。けれどその過程で、サーカス天使メリィ・メルゥ・メイルゥの『大切な宝物』を破壊して……
――「
私、なにしてたの?」
垣間見た呆然。絶望。困惑。凍り付く顔。
メリィの人間だった時の記憶が戻った。それは、天使として数多の命を摘みとってきた事実を突き付けられたということ。
そしてそれは――
キョウカ クジョウには、背負いきれないものだった。
罪には罰を。しかし心を残酷に抉ってまで、絶望に溺れさせてまで、贖わねばならないのだろうか。血で汚れた祈りの短剣を握りしめて、フルーレットは立ち尽くす。
深く溜息を吐く。
「本当に、無茶ですよ……貴方は。私達を信じすぎですよ」
呟くユアー ヴァレンタイン(
r2p000991)の目線の先には、目を閉じたままもう永遠に動かないウィリアム・ペンスフォード(
r2n000022)。眠っているかのように安らかだ。そして、満足気な薄い笑みを浮かべていた。
レイヴンズを信じて、ウィリアムは『鎖絆』の術式を発動させた。かくて大妖精『星の導き』は未来永劫
完全に封印され、二度とこの世界に現れることはない。
――引き換えにウィリアムは死んだ。満足して死んだ。
けれど生き残った者もいる。
強い願いが
奇跡を起こし、美夢・ペンスフォード(
r2n000053)は生きて帰ってこられた――ソフィーリア・ペンスフォード(
r2n000028)も、石動 結斗(
r2n000024)も生きている。
これは考えうる限りの最善だった。――今は、『人』として死ぬことができた彼の永遠の安寧を祈ろう。ユアーは目を閉じる。
「ミハイル派……一部がティティフィティアと動きを共にしていたようです。辛うじて凌ぎましたが……やはり侮れませんね」
東京の拠点に帰還した天倉 恭介(
r2p007853)は、医療チームから治療を受けながら
事の顛末を報告していた。
ティティフィティアとの争奪戦ゲイム。ミハイル派天使ウルトレス・スケロルム(
r2p007751)・デプス(
r2p006875)・ジーラ(
r2p007391)の介入より苦戦を強いられたが、各員の尽力もあって辛うじて勝利を得た。
「ミハイル派は一旦撤退した模様です。……全く、面倒なことにはなりましたが――勝ちを譲る気はありませんよ」
通信終了。さて、治療に専念しよう。激戦を物語るように、恭介の体のあちこちには深い傷が刻まれて、今も赤くにじんでいた。
「願いを阻んだんだ。……アンタたちのこと、覚えておくさ」
騒々しいサーカス団が去ったからか、街はことさら静かに思えた。浅月 万紅那(
r2p002386)は
さっきまで繰り広げられていた死闘を思い返す。
ブレンダーズがひとりを討伐せしめたが、赫灼たるホクレア(
r2p002841)は殺された仲間を見てその炎を噴出させ、地下空洞は崩落――行方不明。
サーカス団には奈落のプリマ(
r2p007406)へ重傷を負わせるも、討伐までは至らず天使三体が逃亡。
全ての天使の討伐までは至らなかったものの、ゲイムは制した――そして『宝物』も取り戻した。万紅那にとってそれは、マシロ市に来てから出会った敵対存在との記憶で。
(なんとなく戦ってきた俺と違って、あの人達にはそれぞれの願いや、マシロ市から離れてでもやり遂げたい事があって……。
何一つ、自分のすべてを掛けてでもやりたい事が見つからない俺には、眩しく見えてたんだ)
今日のことも、忘れるものか。願いを阻んだからには、最後まで忘れない。
※イラストオプションに『祇化』が実装されました。(用語説明:呪創/祇化)
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