「――なるほど、随分と
悪趣味な仕組みだ」
感情を食らう竜、そしてそれを操る天使。魔導甲冑を纏うゼクス=ラジエゴール・エーレルト(
r2p000202)は
深淵突槍を突き付ける。
「
感情を奪う化け物だろうと、簡単に人間の心は壊せん。
――来い。我が感情、簡単に喰えると思うな」
「
公害を飼育とは……天使も随分と墜ちたものだ!」
ローデリヒ・V・ラディーレン(
r2p000113)はフォーカポーカへの敵意を露に、自らの影より
蝙蝠の群れを呼び出した。魔を帯びた夜風が吹き荒れる。連中の放置は、取り戻した領域の汚染の危険性もある以上――ローデリヒは、一切の容赦をしない。
害獣。フォーカポーカを見た目だけで判断してはならないと、改めて絃(
r2p001348)は感じた。
「皆で護るから、ね」
友となる者は護り、害なすものは貫こう。髪に宿る魔力を束ね、番え、放つ――明滅せしサジテリアス。煙る街に、一条の闇。
――煤ける照星が揺らめいた。銃声が連なり、酒瓶が割れ、
そんな中で神薙 焔(
r2p001145)は隠し銃の引き金を引く。
「運命の手札はとんだブタだったわ、あなた、背中が煤けてるわよ」
カードがひらり、戦場に舞う。
甘い蝶が、多摩の街に羽ばたく。
(――きっと、私の
宝石は蕩けるぐらいに赤くて綺麗なんでしょう)
でも
あげない。九重 縁(
r2p001950)がそれを捧げるのは、世界にただ一人だから。
「奪えるものなら、奪ってみなさい」
人の感情はその人自身の為だけのもの。
装身具でも、
遊び道具でもないから――嗚呼、
許せない。
「これで終わり!」
光芒残す刃の名は、同田貫-銀河。榊原 京(
r2p000044)が振り抜いた一閃は、フォーカポーカーを――そして
立ちはだかるゆがみを斬り裂いて。
斬るものを斬って幕引きを。無烟の香炉が息苦しさを晴らす中、黒い双眸に情けはない。
踏み込む足音は、
どこかの戦場では砂嵐になって響いた。
――からっぽ、だ。
Elaine Willy(
r2p000291)は花に埋もれた隻眼を見開く。何の変哲もない剣を握る手が酷く冷えて、指先の感覚が淡くて。
奇妙なほど心が凪いでいる。だがそれは心地よさや安寧を決してもたらさず、ただただ、体温が遠のくような――
錆びついたような茫失感を、イレインに与えていた。
「……――、」
蘇芳 菊蝶(
r2p000425)は心配の顔で、何かを失ってしまったらしい仲間の背中を見つめる。
奪われた感情の名は、誰も知らない。だからその人だけの心の領域を踏み荒らしてもいいものかと束の間だけ躊躇うも――
(取られたものは、取り返さないといけないわ)
いつも通りのように見えて、なんだかすっきりとしている見えるけれど――どこか、そのかんばせが悲しげだったから。
「くそっ……
こんな時に通信障害だなんて」
久留須 カナタ(
r2p000101)は未だノイズを吐き続けるばかりのそれに顔をしかめた。彼の部隊にも、どうやら感情か思い出をエーデレッセンに喰われてしまった者がいるというのに……ただ、状況は混沌としていく。
(とりあえず安全な場所に避難して応答を待って……でも、その
応答があるのか?)
不安がよぎる。何をすれば正解だ? 何もしないままでは居られない。
相変わらずノエ(
r2n000225)とシェナ(
r2n000219)の現状も分からないままで――状況を打開しようにも、その通信技術の提供者たる雀居 影臣(
r2n000218)が
居ないのだ。
白く掠れた緞帳のように、煙る蒸気が漂っているばかり――。
