神祇院じんぎいん

内務省外局『神祇院』

 嘗ての日本に存在したとされている国家機関のひとつ。その存在は脈々と続く歴史の中で掻き消えたものであった――が、神秘秘匿が為にと秘密裏に存在し続けて居た。
 日本政府の神秘霊的防衛の総本山ともされており、国家防衛の一つであり、国家機密としても取り扱われている。
 一般的に所属する者は各省庁職員として取り扱われることが多いが、所属を詳らかにしない神職なども多く居る。
 所属して居る者の大半は神職、もしくはそれに類する物。家系的にや、などが多い。もしくはのもの達が多く居る。
 神祇院を称して「コミュニケーションが比較的とれる神々との神議りかみはかり」などと言うこともある。

 官国幣社以下神社に関する事項、神官および神職に関する事項、敬神思想の普及に関する事項を掌る事の他、日本各地に存在する神秘的事件への対処もこの神祇院の職務とされていた。
 その為、所属者は各地に駐在しその地の神秘的事件への対処や神との交渉などを行って居た。
 2024年時点での神祇院総裁の名前は匂坂さきさか 岩作いわさく氏、副総裁はその息子の匂坂さきさか 海彦うみひこ氏であった。

 現在の神祇院は「マシロ市役所」の職員として分類される。

マシロ市役所市民生活課「神祇官室じんぎかんしつ

 マシロ市役所市民生活課「神祇官室」はマシロ市役所に間借する形で設置された現・神祇院の在り方である。
 神祇院は東京に本拠を置いていたが、現在ではその全容をする事が出来ないために市役所職員(公務員)の形となった。
 マシロ市内での主だった業務はマシロ警察本部地域部所属『神秘対策課』と連携して行なわれることとなり、怪異事件対処を行なう『神秘対策課』と違い、敬神思想と神官の管理など役所的職務を中心である。
 余談ではあるが、彼等がである事には理由がある。そもそもが彼等が本拠としていたのはマシロ市の外にあるからだ。現在のマシロ市の状況下では職員達は『自身の管理領域』に出る事が出来ず、機を見計らっている状態とも言えよう。
 本格的に所属を行なって居らずとも次世代を担う者を神祇院は求めている。
 ――故に、神祇官室はマシロ市民の自由入室を許可し、時には卜占を共に行ない、神事を執り行うこともあるらしい。
 因みに神祇官室補佐官である棟耶 匠は自らの管理領域で神前で毎年高速餅つきをしていたそうだが……マシロ市では付き合ってくれる人が居ないと悲しんでいるのだとか。

棟耶 匠(r2n000068

東京官幣大社担当

 祓い屋一門棟耶に調伏された牛鬼あやかし。主の娘であった蓮華宮のパートナーとなった。
 本来ならば陰陽寮に名を連ねる棟耶の一員ではあるがあやかしという身の上故に、監察を兼ねて神祇院に所属。
 陰陽寮や政令指定都市に存在する神秘対策課の監査担当者として東京周辺を管理していた。
 大破局を経て、東京の防衛結界維持が難しくなったことから撤退し、現在は刻陽学園の学園長を務めている。
 余談ではあるが京に本拠を置く棟耶の現当主は彼の娘なのだとか――

古月 せをり(r2n000108

巫女(神職)

 古月 せをりのように代々は「神職」や「巫女」、「憑坐よりまし」が生まれる家系のものは神祇院に所属することが多い。
 大抵の場合は術士の家系でもあるために陰陽寮などに所属する祓い屋ともなるが、神に近しい者や神と友誼を結ぶ者といった「神に好かれている者」などは神祇院に所属することが多い。
 神祇院に所属する者は黒衣のマント(裏地、襟の色は自由)を身に纏い、国家安全のためにと神々との対話を行なう事が仕事である。

陰陽寮おんみょうりょう

陰陽寮

 陰陽寮は神祇院とは立ち位置が異なり、国家安全のために設立された神秘防衛拠点である。
 その歴史は古く中務なかつかさ省に属していたとされる。うらのつかさとも称され卜占に天文などまつりごとへと影響を与えることがあった。
 主要要人を怪異、諸外国の術者からの護衛の任を任される他、神秘隠匿の任にも就いていた。
 所属者には退魔士、陰陽師始め陰陽寮職員なども複数に存在して居る。
 神祇院との違いと言えばこちらは「人による神秘対抗手段」であるということだ。神との対話を行う神祇院とは志が異なり、怪異を従え、祓うことが多い。
 所属者達の一族は「陰陽師」と名乗る他、「祓い屋」と名乗る事も多く、神秘的秘匿を行なう事は尤もだが「街の困り事を解決する」という比較的市井に近しい位置での活動を行って居た。
 2024年当時の陰陽頭の現状は分からず、唯一判明しているのは東京都の神秘防衛陣を担当していた神祇院の棟耶 匠との間に陰陽頭が取り決めを行い退事位だという――

神秘対策課しんぴたいさくか

マシロ警察本部地域部所属『神秘対策課』

 日本国政府及び警察組織から各政令都市に設置が義務付けられ、存在が秘匿されていた神秘対策課の後継。
 マシロ市においては、警察組織との連携を求められたために所属を警察本部に改められた。また、K.Y.R.I.E.との連携を意識してK.Y.R.I.E.の内部組織として取り扱われる。

 1868年以降に考案された太政官制度の中に盛り込まれていたことがルーツとされている。しかしながら、現存する神秘対策課自体は必須であろうと2000年代頃から各地に設立義務が提起されたことに基づくため歴史自体は短い。
 中央省庁である神祇院や、術士達の寄り合いや自治組織ともされる陰陽寮とは違ってことに主眼を置いている。
 神秘的素養を有する存在に異世界からの来訪者、及びその眷属や混血など幅広い存在のサポーターとしての役割を担うことが多いほか、あやかしや神性に好かれやすい者達の保護を兼ねての部署であったこともある。
 ――2000年代には警察官となったものが知らずに神秘対策課に配属され、その時初めてあやかしに憑かれているや、憑かれやすいことを知るといったパターンも散見されたそうだ。
 神対課に所属した時点で国家公務員としての籍が与えられ、警察官もしくは市役所職員として名乗ることも可能である。
 が、その成り立ち故にのスカウトが中心となりがちなため「呪われていそうな人間ばかり集まる」のだとか……。

『神秘対策課課長』天逆 九天(r2p002759

神秘対策課 課長

 マシロ警察本部地域部所属『神秘対策課』の課長。
 退魔師『■■■』家の次男坊。怪異に好かれ易すぎるために本来の名を名乗ることはない。
 怪異に兎に角好かれて好かれて好かれすぎて困るために悪霊避けの結界を常に張り巡らせる。稀に外出が必要な際には入念な怪異避けを行って行動しているのだそうだ。
 好き勝手呪われた物を持ち込むほか、呪われた物にまで好かれやすい怪異騒ぎをのプロフェッショナルである。
 神秘対策課の内部に引き籠もっているが、その体質を活かしての課員のスカウトや「面倒毎の引き受け(勝手にやってくる)」を行なう事が多いのだとか――