KPA

Kyrie & PearlCoast Armory(キリエ&パールコースト造兵廠)

 名前の通り、K.Y.R.I.E.とパールコースト合同で作られた造兵廠です。
 マシロ市およびK.Y.R.I.E.誕生の初期から存在し、超常の天才シュペルとラプラスが運用する『ラプラスの箱』を近代兵器の開発と量産を主に行っているほか、ラプラスの特異な技術にシュペルが図面を引いたものを実用量産化するための研究も担当しています。持ちつ持たれつの関係――ということもできるでしょう。
 基本的には『市の特記戦力であるレイヴンズ以外でも、安定した戦闘能力を保持できる汎用量産兵器』の開発を御旗に挙げており、代表作品ではキリエ基本装備である『Kナンバー』装備などがあげられるほか、『KPA-37・ナナイ』などのスタンダードハンドガンなどが挙げられるでしょう。レイヴンズ専用の装備も制作しており、皆さんもそう言った装備品にお世話になっているはずです。
 KPAは、特に『現有人類が運用・再現可能な技術でのモノづくり』を重要視しています。要するに、『再現性がないと、いざという時に困る』からなのです。これはKPA設立メンバーの強い意志からくるものであり、現在でも強く尊重された方針です。
 なお、兵器・銃器以外の製品も開発・製造しており、炊飯器からスマホの自撮り棒まで、よく見るとあなたの隣に静かに寄り添うKPAとなっているのです。巨大ななんでもメーカー、と考えておけば間違いはないでしょう。
 特にアーコロジーの一般人からは『なんかオタクが就職するところ』という認識も強く、実際強い技術オタクのナチュラルたちも多く在籍しています。刻陽学園では工廠科が存在するわけですが、このコースへの在籍はエスカレーター式にKPAへの就職と同義。一部の市民からは、『とりあえずくいっぱぐれないだろう』というわけで、就職先を見据えた科として根強い人気を誇るのです。
 兵器オタク・銃オタクからは『けーぴーえー』『けーぱ』『かっぱ』『カッパのマーク』『国営クソ工廠』と呼ばれ親しまれています。オタクは愛する者へは口が悪いのです。

『KPA技術主任』七井 あむ

かわょ💙なぼく

 KPA技術主任で、自称『ゆめかわ水色かわょ堕天使』です。
 自他共に求める天才であり、KPAで開発される多くの品物に関わっているとされています。その才能はシュペルやラプラスのような超常の天才には及ばないものの、K.Y.R.I.E.において広く採用される武器の開発や、作戦行動における車両や船舶の開発、またシミュレーターの開発など幅広い分野に対して強烈に発揮されています。人域における天才なのは間違いないのです。
 性格がとんでもなく『かわょ』であり、傍若無人で奇矯な一面もあることから、部下からは『タイミングがあれば殴りたい』『たまに仕事放り出して遊んでなければ許せる』『締め切り直前で仕様変更するのマジでやめてほしい』『もう諦めた』と親しまれています。
 本人は本来、『非常に刹那的な快楽主義者』であるのですが、ヴェテランとして人類・マシロ市とともに歩んでいた年月、そして現レイヴンズである皆さんへの信頼が、彼(あるいは彼女)を人類の味方としての地位につなぎとめる『あむなりの大人の責任』と『絆』になっています。

KPAで開発された主な機器

 KPAでは膨大な数の装備品が開発されていますが、そのほかにもK.Y.R.I.E.の作戦行動に必要な車両や船舶、拠点用キャビン、戦闘シミュレーターやAIなどが開発されています。

KPA-05AB・カロン

 KPA製の試製エンジンボート。その命名は『冥府の川の渡し守』にちなみます。
 基本的には『乗員を安全に向こう岸へ渡すこと』を第一としているため、多少の運動性を犠牲にして防御性能に特化させた装甲ボートです。
 乗員は10名前後を想定。基本的には、作戦従事中のレイヴンズ+少数のゲスト、という運用を想定されています。また、ロールアウト直後はある程度の操船知識が必要でしたが、今日では下記『アンドロメダOS』を搭載し、細かい知識なくとも繊細な操船が可能となっています。
 前述したとおり防御面に特化しているため、攻撃装備はほぼゼロです。というか、攻撃はレイヴンズが担当すればいい、という思想であり(天使にしても変異体にしても、最大の攻撃手段はレイヴンズでの接近戦闘であるため)、攻撃装備をのせるならば防御装備を……というわけで、コンセプト通りに防御設備に積載量の大半を費やしています。
 その堅牢な装甲故に、めったなことでは沈みません。大岡川遡上作戦では、その堅牢さからレイヴンズたちの活躍を支えました。

KPA-ASMS-02・ケートス

 KPAが、メタルビースト群のデータおよび素材などを利用して完成に至らせた『重装甲簡易潜水艇』をケートスと呼びます。統合OSであるKPA-ASS-01『アンドロメダ』が全機に搭載されており、素人同然のレイヴンズのみでの運用も問題なく可能になるほか、高度連携システムである『アンドロメダの鎖』により、簡素な艦隊連携行動ほぼオートで可能となりました。
 カロンと同様、攻撃面では最低限のものしか積まれておらず、積載量のほとんどを装甲・および脱出ポッドなどの生存機能に割り振った、人命最優先の調査船です。その内部データは前述したとおりメタルビーストのそれを参考にしているため、人類が獲得した『人造メタルビースト』……ともいえるでしょう。形は違えど、彼らの在り方は生きているのかもしれず、またメタル・ビースト素材の積極利用には、せめて手を繋がせてあげたかったという七井あむなりの謝罪の意図がある――のかもしれません。
 ちなみに、見た目はクジラに近く、開発当時の七井あむによるコードネームは「ぷかぷかみずいろくじら」「えんじぇるあむちOS」でした。なんでさいようされなかったんだろ。ふまん。

KPA-WS-53・アルゴー

 KPA、そしてマシロ市の人類がおそらく初めて手にしたであろう『海洋進出船』です。分類としてはウォーシップ、『軍艦』とされていいますが、そのサイズはマシロ市のリソース上、超小型船舶になります。本来は来るべき海洋進出作戦のために構想されていましたが、人類の横須賀基地奪還、そしてその地に残されていた装備やデータを入手することで、ロールアウトを前倒しされました。
 『カロン』に比べると装甲面では劣るが、水流ジェットエンジンシステムを搭載し、緊急時にはまさに飛ぶように海面を走ることが可能。その衝撃はすさまじいが、レイヴンズなら耐えられるでしょう。一般人はシートベルトを忘れずに。
 拡張性は用意されており、ある程度の火器は装備可能――ですが、結局は搭乗するレイヴンズによる迎撃が、最も適切な戦闘手段であることは変わりはありません。レイヴンズの皆さんありきの存在であることに変わりはないのです。
 『ケートス』に引き続き『アンドロメダ・OS』を搭載しているため、素人のみの乗船でも問題なく操船できるほか、簡易な艦隊連動行動も可能です。  設計段階でのコードネームは『ぷよんイルカ号』。命名者は……言うまでもないでしょう。

KPA-16MC・パーチ(止まり木)

パーチ室内の様子

 マシロ市の工場で建築素材のベースを作成し、現地で容易に組み上げて完成できる――という、いわゆる『プレハブ』タイプのキャビンユニットです。勿論、2024年の人類が想像するような簡素なものではなく、作り自体はしっかりとしたものです。
 現地での即応建築を最優先としているため、最前線基地でも短期間でレイヴンズのための休養施設を建設することができます。
 内装は、ある程度自由に組み立てることが可能です。アーコロジーの居住ユニットにも似た簡易なものですが、特にレイヴンズのためのストレスケアを考慮する必要もあるため、かなり過ごしやすく構成されています。現在では、氷取沢橋頭保や新人類圏の前線基地などでその姿を見ることができるでしょう。
 パーチ、は止まり木を意味する言葉であり、前線に戦う全ての仲間たちの止まり木になればいい、と名付けられました。七井あむではない人の手によって。

KPA-05ASV・ポルトゥヌス

物資を運ぶポルトゥヌス

 KPA製の小型多脚輸送車です。荒地でも、それなりの荷物を運んでくれます。みんなの食事でも、フル装備の軍人でも、なんだってはこぶぜ――とは、カタログ上の売り文句。
 小型、中型、大型、とサイズはいくつかあり、小型のものは特にレイヴンズ個人の申請で支給されていたりもします。
 あらゆる悪路を走破する、ことをコンセプトに作られた輸送車両であり、実際に氷取沢橋頭保確保作戦などでは、大量の物資を運び、磯子区等の新人類圏でも活躍した、縁の下の力持ちたちです。
 操縦はちょっとした練習だけで誰でも可能になる程度のものであり、前述したとおり、レイヴンズ個人が運用したりもしています。
 開発時のコードネームは『かわょかに』。ポルトゥヌスはポルトゥーヌス神から取られたとされており、ポルトゥーヌス神は通路や港の神とされている。搭乗者の安全な道行を願ったものだと思われます。と見せかけて、ワタリガニの学名『Portunus trituberculatus』から。かにじゃねぇか!

バーチャルシミュレーター『V.A.L.K.Y.R.I.E.』

統合AIアバターVALKYRIE

 KPAの開発した室内型バーチャルシミュレーターです。
 実戦に極めて近い演習が可能になります。
 拡張現実(AR)モードと仮想現実(VR)モードの二種があり、いわゆる没入型VR(仮想空間での非現実的シチュエーション訓練)や、KPAの1フロアを利用し、現実空間に様々なシチュエーションを再現するAR・XR・MR訓練が行えます。前述のVR訓練は(心的ストレスはともかく)物理的な傷は発生しませんが、後者の各超現実訓練は実空間での訓練であるため、時に実際に傷を負う、危険な訓練となることも。
 実際、稼働直前に(意図的に)七井あむが『やらかした』せいでV.A.L.K.Y.R.I.E.のエネミー制御AIゴンドゥルが暴走し、レイヴンズたちがその物理デバッグを命がけで行った――という事件も発生しています。
 現在は統合AI・VALKYRIEが設定されており、システムやその他さまざまな窓口として、レイヴンズと交流もしています。
 前述したゴンドゥルのほか、A-ray(エイ・ライ)という下部管理AIも存在し、レイヴンズたちと交流したり困らせたりもしています。

広域地理情報管理システム『アストラチカ』

アストラチカのインターフェイス

 K.Y.R.I.E.に存在する広域地理情報管理システムです。
 新人類圏における各種情報の点と点を線でつなぎ星図astraticaを描くもの。
 マシロ市を中心としてK.Y.R.I.E.が取得した最新の地理情報を検索することができます。
 オペレーションは『KPA-OS-M001-r1.01』Astraticaが担当します。
 類似システムとしてマシロ市内で『近所のオススメスポット』を検索できるアプリ『アストラ近』があります。

K.Y.R.I.E.データベース専属司書『O.R.A.C.L.E』

O.R.A.C.L.Eのホログラム体

 K.Y.R.I.E.データベース専属司書(AI)、『O.R.A.C.L.E( Operational Reliability and Computational Logistics Engine)』です。
 過去の依頼情報検索からエネミー、レイヴンズ、ラプラスの箱から発見済のアイテムなど様々な情報を検索することができます。
 口癖は「そこになければないですね」。