シーズンテーマノベル『陽光降り注ぐ日』

 陽の光の温度が上がる。蕾が綻んで景色に色が乗る。
 新学期。新しいクラス。新しい生活。出会いと別れ。
 様々なものが移ろい、変化する時期。

 寒さに震える冬はもうおしまい。
 暖かな春は、あなたを優しく包み込んだ。

商品概要:シーズンテーマノベル

商品 説明
対応商品一覧
  • テーマノベル
  • テーマノベル(複数人)


発注可能クリエイター
  • ゲームマスター
  • ノベルマスター

基本価格 100RC~

商品概要
 本商品は『キーワード』を指定して発注するSSとなります。
 シナリオコンテンツでは描ききれないお客様のストーリーを『キーワード』を添えてゲームマスター、ノベルマスターに発注することができます。

 『キーワード』がいずれか一つは含まれていれば内容はどの様なものでも構いません。
 季節もキーワードさえ含まれていれば無視しても構いません。
 また、発注時にキーワードを必ず指定する必要もありません。

 今回のキーワード:『』『』『階段

日程
・受付:4/10~5/10の8:00
・締切:6/15
・公開:順次公開

プレゼント
本商品の受注が確定したキャラクターには後日、記念アイテムを配布いたします。
※本キャンペーンでは1PCにつき1つのみアイテムが配布されます。


景品


 シーズンテーマノベル限定アイテム『押し花の栞』


サンプルSS:『麗らかな陽の光に』

登場NPC:三羽 那珂(r2n000118

 ふわあ、と三羽 那珂(r2n000118)は大きな欠伸をひとつした。
(今日、随分あったかいなあ)
 窓越しに柔らかな春の光が差し込んで、どうにも眠気を誘発してくる。どうにか午前の授業は耐えたが、果たして午後は無事に乗り切れるか。
 新学期早々、授業で寝落ちしているようでは先が思いやられる。……のだが、抗いがたい暖かさなのもまた事実。
 弁当を持った那珂はとん、とん、とテンポよく階段を上がっていく。お昼ご飯をどこで食べようか。大海食堂で食べるのもありだったのだが、今日は弁当を作りたい気持ちになって、持ってきたのだ。
(弁当なら、自由な場所で食べられるしね)
 外のベンチに腰掛けて食べるのもいいし、教室でクラスメイトとワイワイしながら食べるのもいい。
 けれどこの暖かい光を浴びていたら、お昼も日向ぼっこのできそうな場所がいいかも、なんて思い始めてきて――いま、探しているのである。
 横須賀キャンパスは広い。元は防衛大学校と呼ばれていたのだったか。訓練施設も充実している。階段を上がり続ければ、外の訓練場にちらほら人の影が見えた。
「あ、」
 ふとその視界に小さな影が生じる。風に吹かれてきたのだろう、桜の花びらが窓にぺたりと張り付いていた。
 流石に窓の向こう側じゃ取れないな、なんて思っていると、やがて花弁は再び風でどこかへ飛んで行ってしまう。次は誰かの頭にでも着地するだろうか?
 視界から消えてしまうまで視線を向けていた那珂は、花弁の行方が分からなくなったところで、再び歩き始める。目指すは屋上――麗らかな日差しと、優しい風を求めて。
(……と来たかったなあ)
 死んでいったチームメイトたちのことは、いつまでだって心に残る。本校から横キャンに来てもそれは変わらない。
 彼らが生きていて、一緒に横キャンで生活していたら――そんな想像をほんの少しだけして、やめた。
 きっとその想像は楽しいことばかりだけれど、過去に囚われているようだったから。きっといつまでも後ろを見るなと怒られてしまう。
 大丈夫だよ。新しい場所へ進んでいけるから。皆が見られなかった世界は、あたしが代わりに見てくるんだ。
 例えば、横キャンの窓から見える海。マシロ市から見るそれよりも海は広く感じられて、キラキラと陽の光で輝いている。遠洋はどうなっているだろう。その先の大陸は。
 まだ見ぬ景色を思えば、階段を上がる足取りも軽くなるから。
 那珂は屋上へ続く扉を開いて、広がった春の空に目を細めた。

(キーワード:昼、春、階段を使用しています。)
(SS執筆: