シーズンテーマノベル『きみが見た刹那の幸福』
商品概要:シーズンテーマノベル
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基本価格 100RC~ |
景品
シーズンテーマノベル限定アイテム『KPA-MVX099・アドバンスドフェイト』
本体を覆うように一輪のタイヤが装着された、いわゆる一輪バイクです。レイヴンズ専用に少数量産されており、マニアは型式番号からダブルナインと呼びます。【シナリオ時、非戦闘時においてやや移動速度が向上するほか、少し多めに荷物や人を運べます】
サンプルSS:『きみが見た刹那の幸福』
登場NPC:エルシィ
――なんだか変な夢を見た気がする。
私たちは、殺し合わなければならない、みたいな。
変な夢だ、とエルシィは思う。この世界にやってきて、もうそろそろ二年ほどたつだろうか。一年目の頃には、崩壊した光景と、それでも心の豊かさを保つ奇妙な世界に困惑したものだが、優しい友人達に受け入れられて過ごせば、なんだかそれも、当たり前の日常のような感覚になってきた。
私たちのような異邦人を、この世界では悪魔というらしい。悪魔、と呼ばれることには、エルシィはびっくりしたけれど、なるほど、天使と戦うには、丁度いいネーミングであるのかもしれない。
変な夢だったなぁ、と、改めてエルシィは思う。夢の中では、自分は天使の側で、この世界の友達のみんなと戦っていた。一緒にチョコレートを作ったあの子だったり、洋服を見立ててくれたあの子達だったり。あるいは、一緒に遊んで笑い合ったあの子達……。あり得ない話だなぁ、と、少しだけ申し訳ない気持ちになった。
だって私が、あの人達とケンカをするはずがない。いや、もしかしたら、これからの長い人生、ちょっとすれ違ったりするかもしれないけれど――殺し合うなんて、そんな。
姿見の前で、パジャマのまま、顔を近づけた。疲れてるのかな、とほっぺたをつねってみるが、なるほど、少し、戦い疲れているのかもしれなかった。ほっぺたをつねっても痛くないのは――むくんでる、とかなのかな。
そうなると、あの子に化粧水とかを、おすすめしてもらった方がいいのだろうか。或いは、あの子にまた、新しい遊びを教えてもらった方がいいのかな。もう四月だし、エイプリルフールを超えれば、もっと過ごしやすく、例えばピクニックみたいなこともできるはずだ。
そう考えると、変な夢のことは、もうエルシィの頭からは消え去っていた。今日は任務もないオフの日だし、同じ世界から来た仲間達と、旧交を暖めるなんてのもいいかもしれない。友達とお出かけをしたときに買ったマグカップに、暖かいミルクを注ぎながら、エルシィは今日の予定を考える。
世界の行く末なんて誰にもわからないけれど、少なくとも、この日常はしばらく続くのだと信じられた。温かな友人達との日々は、きっと永く、ずっと続くのだと、無邪気に信じられるような、そんな幸せな希望は、確かにエルシィの胸の中を、暖かに彩ってくれるものだった。

