2053/03/28
 ついに××××に上陸した。この島は幻の奇祭が行われるとして、我々マニアにとっても有名な場所だった。
 長年禁則地とされており、近寄ることすらかなわなかったが、今年は一部のルートを使って、数名の来客者を募ったそうだ。

 世界的SNSトゥレッターで、DMが送られてきたとき、私は半信半疑だったが、しかし××××の名に、どうしても希望を捨てられなかった。
 いっそ騙され、違法な場所で働かされても構わない。数パーセントの希望があるならば、それに願いをかけたいのは、我々のようなマニアの宿業かもしれない。そして私は、賭けに勝った。乗船した船は××××までたどり着き、私はおそらく、多くのものが切望するこの島に上陸したのだ

2053/03/29
 歓待を受けた我々は、マチャブッスをオフティベートとしてポリュノンウスと混ぜたオグリガッチを振るわ回れた。これは、祭までの期間、一日三回のまなければならないものだった。
 見れば、周りの島の住民たちも、嬉々としてそれを飲んでいる。まるで島の一員に認められたようでうれしかった。
 同船した洗井落雲が興奮気に語る。
「見てください、僕これ書いてるんですよ」
 よくわからない日記を見せられた。そこには、人間の言葉とは思えない文字が記されていたが、しかし私には内容がわかるような気がした。

2053/03/30
 オブチョリーベをギュトラスしてジャバンヌしたクエレントを飲み干す。
 苦い。
 そして熱い。
 体の奥底から作り替えられていくような気がした。
 いや、実際、ここから我々は作り替えられていくのだろう。より、神の――体に近いものへ。
 村の女の子が、そんな風なことを繰り返し伝えてくれた。洗井落雲はその辺で寝ていたが、
「うーん、バニーさんの日に何もできなかった……」
 と悔やんでいる様子をひたすら懺悔していた。

2053/03/31
 明日、神は降臨する。そしてそれは祭りの時だった。
 今ももう、私の前には神が見えた。最近の流行りは陰キャ女子である。
 あの、「まぁ、あいつの魅力って俺しかわかってないけどな……」みたいな女の子が傍にいるのがうれしい。
 いる。
 隣にいる。
 神は隣にいた。
 えへへ、って不器用に笑いながら、ちょっとあか抜けない笑顔を私に見せてくれている。
 神じゃん。
 俺このこと結婚するわ。

2053/04/01





 ハッピー
  えいぷ  り