横須賀作戦報告書04


 戦いは激化していく。しかし、多くの戦場でレイヴンズたちは勝利をおさめ、そして堂々たる未来へ向けての一歩を踏み出しつつあった。
「『百獣雷公』――確かに、強力な相手だった」
 そう、遭遇したメタル・ビーストの名を呼ぶのは、夕凪・レプト 明織(r2p000450)である。件のメタル・ビーストと接敵した明織たちは、激しい激戦の果てに、作戦の成功――百獣雷公、獅子王のメタル・ビーストを撃退することに成功した。
「戦に誇りなんてのはないとしても。
 確かなプライドを持った戦士だったよ。
 ……メタル・ビーストが彼のような精神性だったならば、また何かが違ったのかもしれないけれどね」
『そうかもしれませんね。
 ですが、わたしの出会った『ナイト・シーカー』は……』
 わずかに痛む体を押さえながら、迦陵羅・ルラ(r2p000241)は、戦いを述懐する。全身全霊をかけて、こちらの戦線も痛み分け、と言ったところだろうか。
『いやなやつ、でしたが!
 何とか、敵の特殊迷彩システムを破壊することに成功しました!
 これもカミサマのご加護……と、皆が力を合わせた結果なのです。
 次は負けません、絶対に!』
 そう、決意を新たにする。アザーバイド、メタル・ビーストたちとの戦いも、ここからさらに決戦に向けて激化していくはずだ。この先には、首魁たる『グラッジ・ワン』……ゼロ・ツーなる最上位個体が存在するはずだ。その敵と相対し、果たして我々は勝利を得ることができるのだろうか? 否、勝たなければならない……!
「けれど、メタル・ビーストの軍団を制することには成功しているわ」
 そう言うのは、蘇芳 菊蝶(r2p000425)である。大規模な衝突戦となった対メタル・ビースト戦線は、見事レイヴンズたちの勝利という結果をもたらした。
「この戦いの勝利を、メタル・ビーストたちとの戦いの吉兆としたいわね。
 ……ううん、そうして見せる。私たちの戦いの勝利を、多くの仲間たちの勇気に変えて見せる」
 それは決意であり、覚悟であった。仲間たちの勇敢なる思いを湧き起こさせるための、そのような、想い。
「アスティリアは――」
 榊巻 洸(r2p000027)は、手のひらに残った、氷の花弁を見やる。それはとうとう、持ち主の魔力が尽きたのだろう、溶けて水となって消える。氷結の庭園は消滅し、彼の天使は姿を消した。
「撤退した。片割れの大天使の情報もえられなかったが……。
 だが、この先に行けば、必ず再び遭遇するに違いない」
 洸の言葉に、仲間たちはうなづく。結局は、この先――我々の目指す先、横須賀基地に、全ては収束するのかもしれない。
「こちらは、大天使オリカナスの討伐に成功」
 そう、綾瀬 久遠(r2p000480)は戦果を報告する。
「大天使カルゼフィルの撤退も確認。
 エリアの確保も完了――」
 つまり、全体の戦況としては、上々、と言えただろう。そして、我々はそう遠くないうちに、横須賀基地へ足を踏み入れることになるはずだ。
 その時、一体何が起きるのか。
 この時のレイヴンズには、まだ何も、分からないままだった――。