横須賀作戦報告書05
――横須賀海岸線の全報告書がマシロ市へと齎される。
横須賀基地へと繋がる為の戦い。
「スライム型の天使を見ました。
……ああいう天使からのお迎えはちょっと嫌ですね」
「こちらは大天使……ないし、大天使以上が三体いる戦場でしたが。
なんとか退ける事が出来ました……些か予想外の事はありましたが。
しかし大天使を一体仕留めたので戦果として十分でしょうか」
その一角を担当したゴールド・ウルリヒ(r2p000171)、並びに安藤 優(r2p000141)は戦いに思考を巡らせていた――ゴールドの方では数の多い天使達の対処に当たっていたものだ。まさかスライム状とは……身体中スライムまみれで天国に行くのはごめん被りたい所だ。
(……もっとも天国には行けないでしょうがね、自分は)
ゴールドは吐息を一つ零そうか。
一方で優の方では数こそ多くなかったものの大天使が一体。位階不明、最低でも大天使以上が二体いるという戦場であった。殺意の有無が曖昧な個体もいたため、やや特殊な戦域であったが……結果として敵を退ける事には成功した。
未だ底の知れぬ天使、アチャラナータ。
歪なる癒しを与えてくるハハシア――
両個体は生存しており恐らく横須賀基地にも出てくるのでは、と思われるのが懸念だ、が。今回の目的はあくまで横須賀基地への道を確保する事が最大の目的だ。それになにより。
「権天使エストダール。……ヒリつくような威圧感がありました」
「権天使と言えば、こっちでは白鍵の天使――権天使アドネティエルが出てきたな」
生き残った天使という観点では、そもそも権天使などがいる。
権天使エストダール。権天使アドネティエル。
いずれも強大なる力を持つ天使だ。
モニカ・アドルナート(r2p000840)はエストダールと。朱鷺羽 夜行(r2p001083)はアドネティエルの出現した場へと赴いていた。流石に大天使を超えた上の位階では対抗すること自体にも難度が出てくる。
生きて帰れた事だけでも喜ぶべき事かもしれない。
そして。現在、確認されている限りで能天使の位階と目されるスティーリア・キノス。
かの戦いは――
「げんかいが、ちかかったけど……なんとか、なったよ」
チェルキオ ギルトレック(r2p004722)が語ろうか。
準備には念を入れてきた。『絶対生存』を意識して、皆で奮戦したのだ。
そして……スティーリア・キノス事態に、そこまで戦意が高くない事も幸い。
結果として皆で無事に帰還する事もはたした――
――いつだって、お前達くらい捩じ伏せられる。下らないおままごとに付き合わされているんだ。
(あれは、どういういみ、だったんだろう)
チェルキオは思考する。やはり何か天使達の動きにはおかしい点が多い。
だが、確かな事が一点だけ存在する。
スティーリア・キノスは横須賀基地へと戻った。
その他の戦場の天使達も同様だろう。
――決戦は、横須賀基地での攻防戦だ。
そしてそれはきっと遠くない。
敵の迎撃態勢が整う前にK.Y.R.I.E.の本作戦は開始される事だろう。
――天使達との一大決戦の時が、近付きつつあった。