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2053年新年会01
時は2053年1月。
大いなる試練を乗り越え躍進を果たしたマシロ市のレイヴンズたちは、中華街にあるかの有名な竜花楼酒家にて新年会を楽しんでいた。
「ここで! 渾身の! ごぼう!」
振りかざしたゴボウをクロスするるうあ(r2n000029)の横で、岡止々支 紫音(r2p000036)が極めて冷静に挨拶をした。
「あけましておめでとうございます。干支は卯×12です」
ごめん。冷静じゃなかった。ただのほろ酔い兎過激派だった。
「うさぎさんかわいいですもんね! だから流行ってるんですね!」
「……」
立花 椛(r2p001244)が純粋な顔で芽を光らせれば、ローデリヒ・V・ラディーレン(r2p000113)が宇宙みたいな顔をする。
色々あっての年明けである。フレッシュの大量流入以降初のお正月ということもあってか、中華街にある竜花楼酒家は例年以上の大賑わいだ。
「今年は酉年だよね……?」
諏訪部 紅葉(r2p000485)の御尤もな一言が場に冷静さを取り戻させる。
「ごぼうもおいしいですぅ」
と思ったら鹿島 由鯉子(r2p000074)が土つきゴボウをジョッキでいった。ごめん全然冷静じゃなかった。ジョッキってなんだ。
アルフィンレーヌ(r2p000590)がせめてもという顔でお勧めの料理を差し出す横で、久雲 陽子(r2p000019)がゴボウ料理を追加した。新年から場がゴボウだらけである。
キドー・ルンペルシュティルツ(r2p000187)が早速料理をつまみはじめる。
「ごぼうはいいデスよね〜〜〜〜〜〜!最初はなんで木の根っこなんて食わにゃいかんのだって思いマシタけど!」
(大人の欺瞞とゴボウに満ちている……我は、我はどうすれば……あ、ふかひれスープおいしー)
メロディアス・ハイギャラクシア(r2n000110)は早速お勧めのふかひれスープに逃げていた。
「お野菜はだいたいはなんでも美味しいよね!」
「ゴボウはね……出汁がでてネ……」
「きんぴらにしたい!!!」
「ごぼうはお雑煮に入ってましたわ」
「煮てよし揚げてよし。殴ってよしで実にいい武器だね」
白鷺 ネオン(r2p001390)、夭 白猫(r2p000306)、花嵐 かなえ(r2p000351)、桐枝 ミント(r2p000347)、そして中湊咲 氷慧(r2p001706)も場の空気に飲まれつつあった。あるいは、飲んでいるのはこちらの側かもしれない。
「ごぼうって鈍器だったか?」
「分かってますねえ!良い野菜です!」
首を傾げる二階堂 朱鷺(r2p001201)へ更にゴボウを推するうあ。
「凄くゴボウ推されてる……何故だ……」
「フレッシュやヴェテランは知っている。あの伝説の『ゴボウしばき合い対決』を」
「あと捕まえるとびちびちして扱いにくそうではあるね、走るゴボウって」
猪市 鍵子(r2p000636)がこのままでは今年の干支がゴボウになるのではと不安を抱いたところで、フィオレンティナ・花山院(r2p000526)が嘘かホントか分からないような伝説を口にした。
暁の星を見る者・シウェナリーン(r2p004367)も乗っかるので収集はつかない。お気づきだろうか。だれも収集をつけようとしていないのである!
「ごぼう!」
「ごぼう……」
みなよナチュカ・ラルクローク(r2p004268)とメテムサイコシス(r2p001139)もゴボウしか言ってない。
しばらくそんな話をしていたら、扉が新たに開かれた。
「あけましておめでとうなのじゃ。何の話をしとるんじゃ? 食べ物の話のようじゃが」
エミリア・マクロプロス(r2p003477)である。相変わらず堂々とした態度だが、振り返る少女たちは笑顔で答えた。
「復活のゴボウ」
「ちじょうのもつなべー」
「もつ!!!」
「なんじゃと?」
早速奇行をはたらく赤城 ゆい(r2p000199)を横目にエミリアが現実を疑っていると、ユアー ヴァレンタイン(r2p000991)がぽんと肩を叩いた。相変わらず背後に回るのがうまい。
「痴情のもつれが原因でゴボウで刺される話しですよ」
「説明をするふりをして余計に混乱をさせるでない」
カオスなれど、賑やかに楽しく。これぞK.Y.R.I.E.と言うべきか。
今年もこんな調子で、彼らの日常は始まるのであった。
「あけおめ……」
結樹 ねいな(r2p000031)が扉を開ければ、仲間達が言葉を返す。
「「あけましておめでとう!!」」
これこそが、平和の象徴だと言わんばかりに。