2024/04/01-お花見


「桜の下にはなんとやらとは言いますが――」
「こ、怖い話であるか!? ひ、ひいいい~~~!!」
 耳を抑えて縮こまる姿勢を見せた枯茶(r2p001771)へと「こわかったの~?」と首を傾げたのは月白(r2p001389)だった。
「どうでしょう。でもこの桜の下なら花も満開で、怖い話も薄れてしまいそうですね。
 今日は折角のお花見日和ですもの。心の底から楽しみましょう? 折角のピクニックバスケットですもの!」
 澄んだ海色の髪を揺らがせて白雪 涼音(r2p000037)はにこりと微笑んだ。眼帯の少女は大きなピクニックバスケットを広げてから二の友人を見る。
「わあ! おいしそーなの!」
 嬉しそうに尾をぶんぶんと振り回したのは何も無い普通の日アーリーデイズでは中々お目にかかれない動くぬいぐるみ付喪神である。
 そんな月白の隣で「花見には団子がぴったりなのだ!」と笑って居た枯茶もまた化け狸であった。
 この時代には不可思議なことは何も無くて、魔法も、妖怪も、だって存在して居ないとされていたけれど――それらは日常の影にひっそりと潜んでいる事を彼女達は知っていた。
「人が多くなってきたら人形のふりする?」
「あっ、なら小生も人間に化けるのである! どろん!」
 ――残念ながら枯茶はまともな人間形態には至っていなかった。狸の着ぐるみのようになった枯茶をじっと見詰めてから月白と涼音が顔を見合わせる。
「……逆に目立ちそうですね?」
「そうなのー」
「……ええっ!?」
 衝撃を受けた様子の枯茶が「どうすれば~~~いいのであるか~~~!!!?」と困惑に団子を頬張りながらも頭を悩ませている。
「……きっと、大丈夫ですよ。こんなに人が多いんですから、誰も気にしません」
「そうなの! だから、みーんなでめーいっぱいたのしむの!」
「うんうん、そうであるな。今日は1日しかないのである!」
 桜がひらひら、舞い落ちてくる。美しい花を眺めてから涼音はふと穏やかな春の陽気に微笑んで。
 寒々しい冬の凍て付く日々が雪解けて、何時の間にやらやって来た春は、ほら、こんなにも心地良い――

※一日限りの不思議な夢が始まりました――
※本日は『2024年4月1日』『天使が訪れなかった日』となります。

※4月1日~4月2日の0時まで全ての「天使化」「不明」「死亡」状態が解除されます。
(4月2日になると再度「天使化」「不明」「死亡」状態へと順次戻ります)

※4月1日限定のショートシナリオ『2024/04/01』が開始されました。
※4月1日限定のシロトーク『2024/04/01』が開設されました。
(『不思議な2024年』として扱われます。その為、ロストエイジも参加可能です)