
光の道標III
導かれるように、四隻のアルゴーは近づいていく。
何か、互いに引き合うものがあるように集まった四隻のアルゴーの乗員たちはは、それぞれの船にあるものを見て納得するように声をあげていた。
「……そっちもか?」
「君たちもか。いや、中々に気の良い精霊だよ」
李 浩宇(r2p000832)に四方 ヤシロ(r2p000334)が頷けば、浩宇は「ん?」と声をあげてしまう。
個体差……というものだろうか?
「とにかく、四柱と聞いてはいたが……揃ったようだ」
「鍵、だったよね? 何を開ける鍵なのかな」
フォートレス Mk-Ⅳ(r2p001532)と結樹 ねいな(r2p000031)の手にも、それはあった。
浩宇の手には荒れ狂う火が封じられたかのような『赤の精霊球』。
ヤシロの手には砂嵐の吹き荒れるような『黄の精霊球」。
Mk-Ⅳの手には水が嵐となって荒れ狂うような『青の精霊球』。
ねいなの手には暴風が吹き荒れるような『緑の精霊球』。
四柱の守護精霊たちの力を感じるこれが四人を引き寄せたのだろうか?
共鳴するように鳴り始める四つの精霊球は、それぞれ光を放ち1つの地点を指し示す。
その先にあるのは……1つの、島だ。
沈んだ房総半島の欠片であるのかもしれないが……それを見ていると、ヤシロは思わず呟いてしまう。
「そうか……やはり房総半島は、沈んでしまったのだね」
手元の精霊球の中にいるはずの黄山に視線を向けるが、黄山からは、しばらくの無言。
それでも見ていると、仕方なさそうな声が返ってくる。
『言ったはずだ、ヤシロ嬢。私から答えられることは少ない』
「自分で探せってことか。だがよ、人類の勢力かどうかくらいは言えるだろ?」
こいつ何も言わねぇんだよ、と浩宇は不満げに赤の精霊球をつつくが、やはりその中にいるはずの赤炎は何も答えない。
「私たちが今それを明言するわけにはいかないのです」
「ああ。全ては、姫の意志のままに」
「姫……」
青海と緑嵐の、その言葉をMk-Ⅳは繰り返す。
姫。どうにもそう呼ばれる存在がいるのは確実だ。そしてそれは、もう目の前に迫っている島にいるのかもしれない。
あの島では何が待つのか。姫とはいったい何者なのか。光の結界の、聞こえてきた歌の真実は。
その全てが解き明かされるのだとすれば……自然と高鳴る気持ちを押さえられなくなってくる。
「さあ、皆……上陸しよう!」
突き上げたねいなの腕は、島で待つものへの期待に満ちていた……!