刻陽学園学園祭2052
慌ただしく走り抜けて行くSGSG刻陽斎――その正体が甲斐 つかさ(r2p001265)であるのは秘密なのだ!――が「学園祭開始だよ!」と明るくその声音を響かせる。
刻陽学園は色とりどりに飾り付けられ、賑わいに溢れている。壁に貼られた刻陽祭のポスターが剥がれていないかを確認する大里 杏理(r2p002672)は「見回りに行ってくるっす!」と明るく微笑んだ。
「あ、少しだけ待って」
呼び止めたのは音無 沙織(r2p000458)。やや重ための荷物を抱えて居た彼女は「この備品を向こうの教室まで持って言って貰っても良いですか?」と問うた。
――彼女達は刻陽祭実行委員である。
実行委員長としてその名を呼ばれる蘇芳 菊蝶(r2p000425)は「雑用を頼んでしまってごめんなさいね」と肩を竦める。
フレッシュである彼女が実行委員長を務めるのは新たな風を受入れて様々な意見を取り入れて誰もが楽しめる文化祭を開きたいという学園側の意向だそうだ。
「タイムスケジュールのチェックもして置かなくてはならないわね……」
菊蝶は改めてポケットの中に折り畳んでいたスケジュールを確認した。現在のK.Y.R.I.E.は大規模遠征任務の情報を集積し、再度の出撃に備えている。
その中での学園祭ではあるがスローガンとして学園が掲げている『学生は学生らしく、人間は人間らしく』に沿っての事だそうだ。
大規模遠征任務に関しての情報は纏まりつつあるが、次回作戦に向けての公表を行なう前に学園祭を楽しもうと言うのがK.Y.R.I.E.の方針だ。
(ある意味、責任重大ね……)
菊蝶の姿を見かけた青海 悠河(r2p000047)は「この備品は向こうに持って行きましょうか?」と問い掛けた。
「この書類もブラックシープに提出しておこうか?」
明るく確認する二階堂 朱鷺(r2p001201)に悠河は「ああ、俺もブラックシープの記念品をとりに行きます」と備品を手にしながら立ち上がった。
「祭部との連携確認をしてきます」
「ああ、そうね。由鯉子とも話しておかなくっちゃ。……ステージ側も大忙しでしょうしね」
すべての人をたのしいを応援するをモットーにしている刻曜学園祭部は月に一度のイベントを企画している。
部長との連携を行なう事で学園祭を活発にするべく連絡資料を手にした氷坂 敏(r2p000592)は紫崎 天子(r2p001137)と共に歩き出す。
「ステージの設計も見に行ってみましょうか」
「そうですね。ステージも大忙しでしょうし……」
二人の向う先には学園祭用ステージが設置されている。その安全確認を行って居た卯槻 咲月(r2p000433)の背中に「先生」と声を掛けたのはステージ担当の音峯・紗菜(r2p001554)であった。
「ステージスケジュールも何とか纏まって良かったです。あとは、無事に……運営される、こと、かな……」
「皆これまで頑張ってきましたし、楽しいイベントになると良いですね。先生も、文化祭とても楽しみです」
「……はい!」
皆で揃いのTシャツを着用し、開催される刻陽学園の学園祭――平穏と、それから、傍に近づいてくる新たな冒険の気配を感じながらも、学生達はこの日を思い思いに楽しむのだ。