アリーナ公式大会開催!


「やあみんな、マシロスタジアムへようこそ!」
 マシロ市、関内。白く壮大な、そしてどこか近未来的な様相を示すマシロスタジアムの入り口前に、マスコットキャラクターが立っていた。
 弾丸のごとく突進していく無邪気な子供達を無数の触手で握手したり撫でたり抱き上げたりしながら、マシロ市のマスコットキャラクターことイビルしうまい君(r2n000152)が手を振っている。
「アリーナが開かれたことはもう皆知ってるよね! 今日はもうひとつ楽しいお知らせがあるよ!」
 ぶんわかとした遊園地を思わせる愉快で不思議な音楽にあわせて手(触手)を振るイビルしうまい君。
「ついに、公式大会が始まるんだ! K.Y.R.I.E.の能力者レイヴンズたちがぶつかり合う迫力のバトル! みんなもすっごく楽しみにしてたよね!
 能力者のみんなは参加登録は済ませたかな? 一緒に戦うお友達を決めてる? それとも、偶然マッチングした仲間と一緒に戦うのかな!
 そして大会に参加しないナチュラルのみんなは――さあ、僕と一緒に能力者たちの応援に行こう!」

 鳴り響くファンファーレ。ゆうにおとな一人分はあろうかという大きな旗を、サナ クラモチ(r2n000155)は鳥の羽のごとく軽々と振っている。
 旗にたなびくロゴマークが示すのはここ、マシロスタジアム――別名『アリーナ』。
 古代ローマのコロッセオから続くすりばち状の観客席に囲まれたステージは、戦闘用に整えられている。
 その中心。マーチングバンドのドラムメジャーがそうするように、サナは涼しい顔で旗を掲げてみせた。
 これが何を意味するか、会場の観客席に集まった人々は知っている。そう、それはあなたも例外ではない。
「――武はひとを映すもの」
 小指に装着したリングマイクに囁きかける城田 はつる(r2n000153)。
「時としてそれは願いの形となり、成就のための矛となり、斯くてその爪痕は世界に刻まれる。
 ここは貴方様を映し刻み込む舞台のひとつに御座います」
 淑女然として微笑むはつるは、手にしていたプレートを大きく掲げ持った。空中に映し出されるホログラムは開催の文字を大きく映し出す。
「ここに、2053年4月――マシロ市アリーナ公式大会の開催を宣言いたします!」
 美しく通る、破棄すら籠もったその声と共に、ホログラムの文字が大きく切り替わる。

 『第1試合』

 かくして組まれた対戦カードは――。

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