Code:Moytirra『龍の牙』


「――さて、仕事ビジネスの時間です」
 彼女は静かにそう言った。纏う紫煙の向こう側から気怠げな表情を見せた獅堂 琳(r2p000609)は得物を握る。
 ターリル・マルタルは未だ高みの見物か。見下ろすは何を思っているのかも分からない。
「ターリル! このメスガキが!」
「ヒメリ様に傷を負わせた事実、万死を経て尚漱ぎ切れぬ罪。永劫消えぬ罰を刻んで此の世から消してやる!」
 苛立ちをぶつけるのは久雲 陽子(r2p000019)と閻 暁廻(r2p001539)であっただろう。
 その何れもが龍華ロンファ会の一員である。
 大陸を根城としたチャイニーズマフィアは今やマシロ市のとして成り立っている。薄汚い仕事を処理し、眩すぎる光の下では暮らせぬ者達に庇護を与えているのだ。
 その頂きに立つ華氷 ヒメリ(r2n000018)は憤った子供達ファミリーに肩を竦めた。
「そうはしゃぐものではない。命を大事にせぬか」
 女が琳率いるに訪れた時、徒に命を落とすなという命を下したことは彼女等にとって記憶に新しいものであった。
 その場に居合わせた逆木 槐(r2p005058)や帯刀・轟(r2p000437)もその命に従う事となったのだから。
「琳さん、インペイラーをしにきました。それに――」
 リュキア・Ⅰ(r2p000111)の視線は家族を護りたいからこそ助力を、と乞うたアデル・Ⅰ(r2p000632)に向けられていただろう。
「リュキ姉」
「……うん、アデル。行こうか」
 ヒメリちゃん、と呼ぶその指先が彼女の頬に触れた。音喰 禊(r2p001565)はそっと、撫でる。
 生々しい傷が頬に残っていた。きっと、時間が経てば消えるだろうけれど彼女にとっての名誉の負傷。
「ね、ヒメリちゃん。無理をしないで、なんて言える状況じゃありません。無理をしましょう! ただし、一緒に、ですよ?」
「ああ、どうやら我々には素晴らしい騎士ナイトがついておる」
 その言葉に明日見原 真奈未(r2p000455)はくすりと小さく笑って。
 霊砡を壊し、道を開こう。
 の元へと向かいたいと願う者が居るだろう。
 それは、ヒメリと共にと願った龍華会の者達も同じ事。黙って等居られぬ事態に陥った――あの幼気を気取った力天使に手酷い報復が待ち受けて居ることは確かなのだから。
「――ターリル」
 呟いたカメリア(r2p006571)はを見詰めた。
 周囲には無数に霊砡イヴァルが転がっている。それらを処理しなくては彼女の元には手が届かないだろうか。
 その名に迦陵羅・ルラ(r2p000241)は顔を上げ、その姿を双眸に映した。
「……私は怒ってます」
 彼女に、何よりもおのれがその感情を向けるに相応しい相手だと。
「ステラお姉さん、一度伸ばした手を引っ込めるとは思えないしぃ~。無理は道連れだよ、ヒメリっちぃ」
 楽しげに笑った明星 和心(r2p002057)にヒメリは全く手に負えないだと揶揄い半分に告げた。
 主は、きっと、背を押してくれるだろう。
 おのれが求めれば、何れだけ遠い星だって掴めとそう笑うはず。
 夜神 ステラ(r2p002295)は笑う。
 には酷い目に遭わされた。それと同時に察したのだ――はターリルになど興味は無い、と。
 ターリルは望まれるようにしてであるだけなのだろう、と。
「まずは彼から貴女を奪ってみせようと思います。徹底的にこの神罰を叩き潰し、彼に勝ってみせましょう。
 ……言いましたよね、『大切にする事に許可はいらない』『欲しいなら奪ってみせろ』と、今度は、勝ちますよ、さあ、遊びの続きをしましょう」



※力天使『ターリル・マルタル』との戦いが進行しています!


・*+.Autumn Novel Campaign.+*・

※リミテッドクエスト『焔を越えて』が開催されています!!

※ラプラスの箱『インケン天使で危機一髪!?暴走半島くじらでやふー!富士の国!』に新規アイテムが追加されました!