
第五への道筋
「仏の顔も三度まで……あぁ知らぬだろうがな、お主はやりすぎた」
「ん。神様を気取るあの野郎は、ボコボコにするよ。神様だったら、なんでもしていいと思ってるなら、そうじゃないって教えてあげる、つもり」
『「麺狐亭」店主』御子神 天狐(r2p003141)は、呟くように言を零そう。
第五熾天使アレクシス・アハスヴェールは人に害をなしすぎた。
奪い、殺め、そして此度の狼藉。人類が必死になるに十分な理由だ。
――知れ。こちらがどれほどの怒りを宿しているかを。
あぁつまり――久々にカッとなっちまったと言う事じゃ!
『Lost "∀"』ラピス・ニル(r2p005759)にしても同様だ。こちらには、『願い』がある。『この世界を生きる子供達に未来を贈る』という願いが――
それを蔑ろに使用と言うのなら。奪うというのなら。
容赦なく――ぶちのめしてやる。
……第五熾天使アレクシスの下へ向かわんとする戦場は、膨大な物量を相手に戦わざるを得ない状況であった。愚連隊とも言えるミハイル派と異なり、アレクシスの勢力は軍勢を有している。
まずはこいつらをどうにかしなければアレクシスと戦う所の話ではない。故に……
「面倒になる程いやがるが、前座なんぞにかまけている暇はねぇな……!」
「はぇー数だけは多い事多い事……油断すれば呑み込まれんとも限らん。
栖、久しぶりのコンビや。遅れずしっかりついてこいや?」
「ハッ! お前こそ足引っ張るんじゃねぇぞ――ナタリア!」
『黒薔薇の竜』ナタリア・トゥオーノ(r2p000741)と『遠雷』紫乃崎 栖(r2p000386)は共に動きを見せるものだ。
まずは敵の動きを乱さんとナタリアの黒き鎖が敵に襲い掛かろう。
魂縛る一閃。直後には栖の炸裂弾が彼方で光を瞬かせ――衝撃波が衝き走れば。
「シン! 進む道はお前が決めろ! お前はただ行きたい道を指し示せばいい!!
あぁただ――迷子にはなるなよ!!」
――天使を殺すのは、俺がやってやる。
「無論。目指すべき地を見失ったりなど、しませんよ」
『痛みを背負って』シン=リトル(r2p000771)へと言を投げかける。
――この世界を焦土に? 人類を滅ぼす?
冗談ではない。
あの子が居る世界を滅ぼさせやしない――その為にシンは戦場に立つのだ。
圧倒的な力があろうが絶対的な物量があろうが知った事か。
心を奮い立たせ、彼女は戦う。そして。
「ぐはははッ! こいつはどうにも、とんでもねぇ大物がいるみてぇだな……! だが殴りつけるにしても、まずは足元から削っていかねぇとな!!」
戦場に、豪快な笑い声が響き渡ろうか。その声の持ち主は『ウシサン』牛山・安和(r2p000258)だ。彼の眼前には多数の天使級が迫りくる……彼は天使級らを引き付け、その上で前線指揮を執っている大天使級以上を狙わんとしているのである。
つまり――大天使狩りが目的だ。
「将を射んとする者はまず馬を射よ。
……とでも申しましょうか。兵そのものを叩くのが無為ではないでしょうが、効果的とはいえませんね。特にこれほどの戦場ともなれば、大天使を叩きましょう」
「あぁ。正直……今すぐにでもアレクシスのヤロウを狙いたい所ダが――流石にまだまだ遠いし、ナ。礼する為にも今は前座をぶちのめすとしようかナ」
その動きに呼応して『黒き秘跡の使徒』リースリット・フィアル・ミルティス・フュステリエル(r2p001804)や『桜眸』夭 白猫(r2p000306)も動くものだ。
周囲では天変地異――滅亡の書・ソドムゴモラの影響が出ている。
右を見れば雷撃。左を見れば火山弾。やれやれまるで地獄のような状況だ、が。
「天変地異のなにするものぞッ!」
白猫は可能な限りの天災にたいしても抗する動きを見せようか。
味方の邪魔になるものは払っていく。そうした上で指揮官層を狙わんとするのだ!
(……熾天使)
瞬間。『from far away』桟原 紗穂(r2p001695)は、その天変地異を引き起こしている――この戦場における極大の神秘を感じる方向に視線を滑らせようか。
――あちらにいるのだ。熾天使が。
世界を滅ぼした位階。いつかは相対する存在。
……今まで教わってもあまりピンとは来ていなかったが。
「――でも、うん」
戦おうという心算は、彼女の胸中には確かに宿っている。
だって。知りたいことも楽しみも、たくさんこの世界にはあるんだから。
こんな所では、終われないんだ。
終わらせたく、ないんだ。
そう思えばこそ……天使を倒す意志に陰りは一切無い。
「この規模の戦いとなれば、権天使以上が末端の天使級を直接指揮する余裕はないはずです。近場ならともかく、代理として立てている指揮官から崩していけば権天使達の余裕を崩す事も叶うでしょう――ええ。烏合の衆にしてやりましょう」
「にが、さない……! 穿てッ!! アンサラーッ!!」
そして神代 くるみ(r2p000888)も大天使を見据え着実に潰していかんと試みる。凍てつく奔流を纏う魔剣が顕現し、大天使を包み込まんとして追い立て――その果てには『不退転』九重 セナ(r2p001747)が心底から力を振り絞るものだ。
――それは彼女に宿る祝福。
光の剣が彼女の周囲に纏い、逃げんとした大天使へと放たれ――
その魂を貫こう。
確かなる決意が敵を打ち破る。傷を負っても臆さぬ、動じぬ。
未だ敵陣は食い破れたという程ではあらず。
されど大天使達が幾つか失陥し、敵の動きには微かな乱れを感じ得る。
誰もが前を向き。第五熾天使への道を更に抉じ開けるべく、動こうとした――
その時。
「――全く。豪快に攻め込んでくるもんだよなぁ」
「少々身の程を教えてやる必要が、ありそうね?」
眼前に新たな天使が降り立った。
それは権天使……ではない。もっと上の者達だ。
それは――
「流石だ、と言いたいけれど。悪いな。
加減はしたくても出来ないんで……そこん所宜しくな」
能天使ヴァルトルーデと。
力天使りもこんの姿が――其処にあったのだ。
※第五熾天使アレクシス側の戦況が進行しています!