思い出は消え、願いは
……誰だろう。
貴方は誰だろう。
卑屈な、困ったような笑顔。
ボロボロで、いつも薄汚れた姿。
でも、それは貴方のプライドで。
貴方のが初心を忘れないと誓った証。
だから私たちも、同じ格好をして。
貴方を支えたいと誓ったのに。
貴方は、誰だろう。
もうわからない。
「オルソン! カナエ!」
叫ぶ。ミーレリアは、瀕死の最中に――仲間へ。意志を継いでくれと。
「エルシィを探しなさい! それが、敵が探している……」
なにか。
きっと意味のある何か。
それがなんなのかわからないけれど。
きっとそれが、この戦いの鍵なのだと――。
「逝ったのか、ミーレリア……!」
カメリア (r2p006571) が、奥歯を噛みしめる様に、そういった。果たして奴は、最後に……思い出したのだろうか? エルシィを?
言葉にはした。探せとは言った。でも、思い出してはいないのだろう。分かってはいないのだろう。結局は――罪は、償われることなく――。
「……気にするな。
所詮、一つ。天使が逝っただけだ」
吐き出すように、東雲・春斗 (r2p000531) は言った。その目には、未だ強い殺意がこもっている。そして、その殺意が止むことはまだないのだろう。この場にはまだ、無数の天使が集っているのだから。
「状況から考えて、敵は指揮を引き継いだようだね」
アレン・ローゼンバーグ (r2p000148) がそういった。あたりを見回しながら。ルーザーズたちは、おそらく次なる動きを目指しての行動を開始している。
「指揮官は、残る二人の権天使、カナエとオルソンとなった。
そして二人は、エルシィを探している……」
「え! もし相手に先に見つかったら、たいへんじゃないっすか!?」
大里 杏理 (r2p002672) が、わわわ、と声を上げた。
「そうだね。
もし敵に先に見つかっちゃったら、合流してしまうかもしれないし、そうでないことも起きるかも。
先にエルシィを探している皆がいるから、ボクたちの方が有利ではあるのだけれど……」
むむむ、甘咲 セララ (r2p000056)が唸った。事前に違和を感じ取った一部のレイヴンズが、戦場を離れてエルシィの探索を開始していた。その分、アドバンテージはこちらにあるとは言えたが、それでも数の利はあちらにあるともいえる。未だ、油断できる状況ではない。
「ふーむ。
とにかく、まだ休む暇もない……って所だな。
敵を倒しながら、エルシィも探さないとならない」
アシュリー・ツヴァイク (r2p000416) の言葉の通りであろう。ならば、ここから始まるのは――。
「争奪戦ですね。
どちらが先に、エルシィを見つけるか――」
花喰 依葩 (r2p000077) の言葉に、レイヴンズたちはうなづいた。
かくして、戦場は次なるフェーズへ――。
※力天使『エルシィ』の軍勢との戦いで、状況の変化が発生しました――!

