アーリーデイズ IV


 おはようからお休みまで――『シロトーク』のアプリの通知音が鳴った。
 通知ルームの名前は『高校生あちまれー』。その名の通り、高校生(もしくはそれに近しい年齢の者)が集う場所である。
 勿論、今をときめく高校生である。
 チャットだけには留まらず、時には通話をし、ファーストフード店で顔を突き合せて何気ない日々の出来事を語り逢うのだ。
 例えば、寄せ書きを用意するだとか、タイムカプセルを埋める準備をするだとか。
 ――それは未来の、大人になった自分たちへの贈り物。
 寄せ書きに踊るひとひらの言葉はまだ見ぬ自身等の希望溢れる未来を象徴している。
「10年後かぁ、いったいぜんたい、何をしてるだろう、ね?」
 何気なく呟いたのは『高校生あちまれー』のチャットスペース管理人でもある靜石凡 銭丸(r2p000130だった。
 学生らしい日々の呟きはスマートフォンで何気なく呟かれるものだ。
 ベッドにごろりと転がって、眠る前まで友人の語らいを眺めては「ちょっと待った」と声を上げる。
 それはファーストフード店に集合しての語らいと同じように、笑いが絶えることも無い。
 今日は何をした?
 授業の小テストの出来映えはそこそこであっただろうか。
 宿題を忘れてしまって、教師の回答を求める声が飛んでこないようにと身を縮めている時ほどにご指名がやってくる。
 購買の焼きそばパンは売り切れだった。だが、名物たまごプリンは何時もより多く売れ残っていた。
 放課後と言えば部活動、と応える声があれば「部活怖ー。やっぱ帰宅部だな」と中津 ビオウ(r2p000231は揶揄うよう言って見せた。
 部活動との向かい合い方も十人十色。帰宅部だって帰るのが大変なのだ。
「放課後! 部活したり寄り道したり、楽しいよねー」
「家で寝てた。お疲れー」
橋場・アヤメ(r2p001010のように数々の運動部のスケットをし、商店街でコロッケを食べて、カフェを巡って思う存分に腹を満たす女子高生だっている。
 そう、高校生と一括りにする勿れ。
「私は見ての通り普通の女子高生でーす」なんていう三村 直子(r2p001317は手を挙げた。
 普通って何だっけとからかう銭丸に「自分を世界の普通の基準に書き換えよう」とビオウは付け加えたか。
「いいんじゃない、テキトーで?」
 そう言うのは雨水 要(r2p000562。その通り、普通だなんて拘っていてもきっと楽しくはないのだから。
 直子も、ビオウも、銭丸も要もアヤメであったって、同じ人間はこの世に二人と居ない。
 チャットルームに並ぶ文字を見れば、相手の笑う顔が浮かんだ。
 銭丸、いいや、静石・凡子はそっとスマートフォンをポケットに滑り込ませてから授業に向かうのだ。
 通知音は、ほらまた、直ぐに聞こえただろう。
 気の良い仲間と、何時だって新しく眩く輝く日常を謳歌して。

 ――それじゃあ、明日は何処に集まろう?

 笑った友人は、将来何をしているだろうか。


 ※EXPCは「4/1以降の扱い(※DDパッチ)」が追加されました。ステータスシート編集画面より設定可能です。
 ※EXPCとして『イレイサー』『アザーズ』が登録可能になっています。
 ※『ネクスト』『アセンション』が実装されました!
 ※公認設定の一覧機能が実装されました!


最新の更新進展状況につきまして

不具合と今後の対応につきまして






キャラクター作成について

PC版

スマートフォン版

イラストセキュリティ(因子)について





TOP LOG(2/1)

TOP LOG(2/11)

TOP LOG(2/27)