2052年マシロ市夏祭り


 マシロ市には様々な夏祭りがある。その都度に実行委員会が結成されていた。
 その一人である獅堂 政宗(r2p001844)はを結成しており、自らが陣頭指揮を執っている。
 政宗らマシロ市夏祭り青年部が此度執り行うことを決定したのがなのである。
「で、準備は?」
 問うた政宗に青年部執行メンバーの一人であるモニカ・アドルナート(r2p000840)は「ばっちり! 多分、メイビー!」と快活に答える。
 その傍でくすりと笑った宣伝広報担当の伊達 美月(r2p002356)は「良い風景が描けそうだね」とおっとりと答えた。
 夏祭りには様々な前準備を行なってきている。夏祭りの全体スケジュールを取り纏めているの部長である鹿島 由鯉子(r2p000074)は「さしいれもらいました!!」と勢い良くやってきた。
からラムネのさしいれです! しゅわしゅわでおいしいです! サイコー!」
 刻陽学園学友会連合ブラックシープから「準備頑張って下さい」と差し入れを貰ったのだという由鯉子はついでに何かを伝えて欲しいと言われていたが――さて、忘れてしまった。
「あ、かいちょーに開会式は24日の13時からですって、ちゃんといいました! えっへん」
「23日は準備期間だからな。はりきって用意しておかなきゃな。それにしたって学友会連合の会長が伝言? そりゃまた何だ?」
 何か重要な伝言だったのではないだろうか。訝しむような視線を向ける政宗に純粋無垢な眼差しを向けた由鯉子は「ラムネをてのひらでえいってしてあけるのがたのしい」と明後日の方向のコメントを残す。
「……警備については、万全だった筈ですが。神秘対策課内部でもある程度警備担当に名乗りを上げては居ます」
 警察官である狗瀬 永利(r2p000300)はマシロ警察側にも同僚であり上司でもある課員を通じて祭の警備ついての伝達を終えていた。
「大がかりなイベントになるものね。特に舞台なんかは混乱が必須だわ。
 ……刻陽学園にも観覧チケットは配ってあるけれど、何か忘れていたかしら? 伝説のアイドルのゲスト出演とか?
 いや、ガーネットは確か何か仕事があるからスケジュールの調整をしてるのだったかしら」
 悩ましげに呟いたのはマリィ・E・テネブラエ(r2p000287)その人だった。大破局以前にはアイドルとして活動して居た彼女はマシロ市にやってきてからもその活動を続けている。
 今回の夏祭りでは舞台の管理を担当しているのだ。それなりに忙しない時間を過ごしている、けれど。
「待った待った」
 慌ただしく駆け寄ってきたのは桑原 蜜樹(r2p000191)その人だった。
「ブラックシープからの伝達聞いたか!?」
「いや、ラムネで全て忘れたらしい」
「へへ」
 蜜樹は額の汗を拭ってから「忘れる事かよ~~~」とがっくりと肩を落とした。気が抜けてしまった。本当に何も知りませんと言いたげな顔で祭部の部長が笑っていたからだ。
「で? 何て?」
「あー……青年部が祭をするだろ?」
 全員が頷いた。政宗は「一弥兄さんにも協力の要請はしてるぜ?」と念のために問う。
「龍華会も企画については承知済みだろう」と企画中止要請ではなかろうかと眉を顰めたのは紅龍(r2p002955
「取りやめとかじゃなくって、ほら、今年はキャンプ合宿とか、色々とK.Y.R.I.E.の準備があったらしくてキャンプ・パールコーストの海岸開放? が遅れたらしい」
「あ~真珠海岸と基地の一般開放な。海に出れるわけじゃなくてあくまで浜辺だけだったか。去年海辺だけ見たぜ」
「『早贄と福音』事件の犠牲者追悼と、海岸線掃除、海岸線の整備を兼ねて真珠海岸で水遊びが出来るように基地も合わせて開放するんだったか。それに合わせて商店街とかも祭をするとか」
「そんなのあったんだ」
 モニカがぱちくりと瞬けば「まあフレッシュは知らないよな」と紅龍と政宗は頷く。昨年までの事を知らぬフレッシュ達が2052年にはやってきたばかりなのだ。そうした世情の変化は大きな混乱となり、まだ暫くマシロ市のイベントにも影響して行くのだろう。
「ん、で、その海岸開放がなんて?」
「俺達の夏祭りに合わせて、キャンプ・パールコーストの基地開放と水着コンテストを開催して、マシロ市内も夏祭りモードになるらしい。んで、そこから先は」
「わたしが聞いたんですが忘れました!!!!!」
 堂々と言ってのけた由鯉子に蜜樹は「俺も別の打ち合わせしててそこから先は聞いてないんだよな」と肩を竦める。
「取りあえず……23日は早朝から準備して、24日の本番は、マシロ市そのものもお祭りをするから、大いに盛り上げてくれるって事ね?
 青年部の夏祭りをマシロ市がバックアップしてくれるだなんて良かったじゃない。大盛り上がり間違いなしね」
 微笑む美月に「これは警備も更に尽力しなくては」と永利が頷いた。ガーネットの用事とは其方のことだったかとマリィは合点が言ったように手を打ち合わせ――
「あ!」
 由鯉子が思い出したように声を上げた。
「なにかのげきれーかいっていってました!」
「激励会?」
 永利の問いに「それ以上はわかりません!」と由鯉子は答えて。さて――を兼ねてとのことだが……今は夏祭りを楽しむ準備をしておこうか。