集えば、日々は明るく
カフェテリア Wing'n Thingsは刻陽学園の初等部から大学まで、それからK.Y.R.I.E.を含めて幾つかの店舗が存在するカフェテリアである。
学生やK.Y.R.I.E.職員に提供される飲食物は大破局前と比較しても洗練されている。合成ではない飲料や酒類が飲めることから人気を博しているのだ。
――と言いながらも、勿論合成食材や栄養剤なども売られている。手早くエネルギーを補給するならば手っ取り早いと認識する者も多いのだ。
「これが新発売の合成野菜味のサンドイッチでぇ、すっごぉ~~い美味しいんだからねぇ~~!」
きらりと瞳を輝かせる明星 和心(r2p002057)に「はいはい」と返してからもそもそとパンを食べ始めたのは八木 絵空(r2p000144)その人だった。
「それ新発売のパンだよねぇ~! お味は?」
「案外イケるのがやや腹が立つ味ですかね」
さらりと返す絵空は自身も手軽に食べられる慣れた食材の方が良かったかとスマートフォンを眺めて居るアンヘル(r2p000049)をチラリと見た。
こうして学生達がカフェテリア Wing'n Thingsに集まるのは珍しくもない。
学食利用者は楽しげな者も居れば、大破局以前の食事を思い出すのか重たいため息を吐き出す者も居るのだ。
ここは憩いの場であり、これから部活動を始める学生達にとっては食材補給ポイントなのだ。
刻陽学園の部活動やサークル活動、それらはK.Y.R.I.E.の能力者達も内包する。年齢制限のない皆の憩いの場として承認されるのだ。
例えば部活棟の一室を貸し切っている者や自身達の寮を憩いの場とする者。K.Y.R.I.E.内部の会議室を占拠していたり空き教室に屯している者居る。
勿論、マシロ市内で店舗を構える者達が宣伝がてらにコミュニティ活動を行なう事もあるのだ。
K.Y.R.I.E.に届け出を出しておけばそれらの活動は認可される。学生の部活動であると言うならば学友会連合ブラックシープが予算的な計算を行なった上で承認印を押しているのだとか。
「何か新規情報あったか?」
「K.Y.R.I.E.からは特にないな。……まあ、あるなら次の作戦内容の掲示か?」
「それもまだ先だろうしなあ」
これが2052年の学生達の日常だ。
和心はもくもくとサンドイッチを食べながら「じゃあ、何処かに遊びにいくしぃ~~!」と瞳を輝かせた。
新たにサークル活動を始める者達も多く居るだろう。
新しい出会いを求めて、これを機に掲示されたサークル一覧を見てみるのも悪くは無い筈だ。
――今日は何をしようか?
そんな話が出来る日常を今は楽しもう。1日1日を、大切に過ごしながら。