氷取沢作戦報告書01
もそもそとコアラがユーカリの葉を食べて居る。じいとその姿を見詰めるのはミレディー(r2p001559)その人だ。
「動物園にコアラ舎があるならユーカリも栽培してそうだし、と思って。見付けることが出来たわ」
他にも植物や動物などできる限りを保護したという彼女にジャングルの調査隊の一員になった気分で任務を終えたという大江 ガラクシュ(r2p002143)が頷く。
「この子はアラビアオリックスと言うらしいね。これからは新しいマシロ市の住民として一緒に過ごそう」
アガルタの調査員がそうしたのか、まるで散歩を思わせる雰囲気でリードを付けられたアラビアオリックスはどこか所在なさげに首を振っている。
「大丈夫だよネ」
にまりと笑ってオカピの頭を撫でる夭 白猫(r2p000306)。正しく鬱蒼と茂る森の中で野生のオカピを見てきたのだろう。オカピは怯えているのか大人しく身を丸めている。
「こちらはよく眠ってきたが――」
些か不思議な任務であったというように首を捻った鬼 迅衛(r2p000559)。幻影の少女がよく眠っていたと笑うように声を掛けてきたか。
「ふふーっ、全部が平和な任務だったら良いんですがっ、メタルビーストの狐さんと出会いましたっ」
こんこんと狐のようなポーズをとって見せた月歌 恋(r2p001827)はふにゃりと笑う。変異体や動物保護だけではない敵との接触が本作戦では目立ったのだ。
「……拠点の設立予定地に敵が存在するのは褒められたことではありませんし。
本作戦でそれなりの成果を上げられたのは喜ばしい事ですね。変異体はソレなりに数も多く感じられました。」
目を伏せった岡止々支 紫音(r2p000036)に頷いたのは江島 春章(r2p000026)。
「その近くに氷の門が存在して居るのも問題じゃな。金沢区方面もこの様に凍り付いて居ると聞いている」
「氷――氷と言えば凄い光景だったわ。モノリスの平原は左右の間隔も喪ってしまいそうだったもの」
それを乗り越えられたのも空間座標把握に長けたアリシアーミ・N・ヴォイド(r2p004586)と、仲間達の知恵と実力なのだろう。
「……ああ。氷取沢近辺にその気配が及んでいないことを喜ぶべきなのかは分からない。
K.Y.R.I.E.として橋頭堡を建てたい場所に大天使率いる天使が居るというのも見過ごせたことではないな」
目を伏せった鳶(r2p002991)はK.Y.R.I.E.に対して良き知らせを持って帰還出来たことを喜ぶかのようだ。
「して、凍り付いた街並みを見据えたあの地に拠点を立てるんじゃろう」
伏見稲荷・玉藻後・杠葉(r2p000462)は朗らかに仲間達を見回す。あの地にマシロ市としての旗を立てるべく天使の撃破に尽力してきたのだ。
「この前の作戦参加の時は上手くいったが、今回も上手くいくとええんやけどねぇ。 一つ一つの成果が上がってくると安心もする、けどなあ。安全確保なり他の戦場への援護なり出来る限りの事はやっていこうかねぇ」
まだまだ遣ることは山積みだろうかと如月(r2p000630)はそう呟いた。
作戦報告書が重なっていく。周辺の掃討を行なえば道は拓ける。今は、その為の準備を着実に進めていくだけだ。