横須賀作戦報告書02
「あぁ~~ん! 華麗なアタシにピッタリの舞台じゃなぁ~~い!?
そう、白鳥のように美しく! アタシはマシロのオデットYO! 勝利もアタシを飾るドレスになるの!」
艶やかな笑みを浮かべる『プリ♡プリ』プリマドンナ・セキバヤシ(r2p003002)。水没地帯、横須賀港近辺、安針台内にある廃墟地帯と三部隊に分けての作戦を無事成功させて帰還したのである。
その帰還先である氷取沢橋頭堡も無事に防衛に成功している。草臥れ顔をしたのは『蒼剣士』クラン・イノセンテ(r2p000453)であったか。
「折角、人類が最初の足掛かりとして取り戻した場所なんだ。守り切れて良かったよ。
……でも、ここからが本番、かもしれないな? まだまだ取り戻せる場所は数多いはずだからさ!」
力強く言ったクラン。氷取沢橋頭堡を重要な人類基地として防衛できたことは誇らしい。
「化けタコ……だった、けど……」
そう呟いたのは霞ヶ城 圭(r2p001116)。人の姿を借りるタコと聞き、ならば人の儘で倒してしまえば戦略を考え込まずに済むと、勢いの儘に無数のタコを倒してきたのである。
「んん……みんな、おつかれ」
「うん、お疲れ様。怪我はなかった? 橋頭堡でK.Y.R.I.E.のメンバーが情報収集してるし、安全も確保出来てる。
まあ、疲れたなら休みなよ。一時的な休息かも、だけどさ……ないよりましだよ」
気遣う逢坂 純(r2n000078)の傍では唇を尖らせて拗ねたような素振りを見せる逢坂 絢(r2n000079)の姿があったか。
まだまだ横須賀海岸線奪還作戦と銘打ったこの作戦の報告が上がってくる。
その成果は未だ分からず、死とも隣り合わせの行軍ではいつ掌から命が零れ落ちるかも分からぬのが現状だ。
「おかえりなさい!」
ぱあと明るく笑った藤ヶ崎 モカ(r2n000009)は「ほらほら、休憩休憩! お腹は空いた~?」と皆へと声を掛けた。
「大規模な作戦なんだもの。疲れは癒して次に備えなきゃ! ねっ?」
冷ややかな風に身を小さく震わせてから「とりあえず暖まろう!」と笑った彼女は次の報告書を携えてやって来た能力者の許へと向う。
――次。
その言葉には重みがある。横須賀への進軍、そして、横須賀基地の奪還へと向けた戦いは天使軍勢との直接対決となるだろう。
その日が忍び寄ってくる。この作戦で何処まであちらの戦力を削り取れるか、だ。
それでも実力差は明らかであるかもしれない。絶望にも、恐怖にも、押しつぶされないように今は前を向いて笑っていようとモカは皆に微笑みかけるのだろう。