第五裁決シ・ビュラV


『……さぁってと? ここはなんだろうな?』
 ――。それが、りもこん(r2p005402)の感じえたであった。
 御殿場市での戦いの折、彼は天使が一人ジルデに捕らえられた。
 そこまでは覚えている――が。
 途中まで意識はあったのだが記憶が曖昧になっている。なんというか……道中、どこをどう通ってに連れて来られたかが分からないのだ。ただ、幸か不幸かこの場にいるのは彼一人という訳ではなく。
「少なくともK.Y.R.I.E.の施設ではない、のは確実だな。
 ……いや。言葉を濁す意味はない、か。俺達は敵の手に落ちたんだ。つまり――」
「あぁ。間違いなく
 続け様、言の葉を紡いだのは日野原 晃輝(r2p002534)に魂(r2p000385)だ。
 両名もまた別の戦場において、りもこんと同様の目にあった者達――そう、りもこんだけではない。幾人かのレイヴンズが御殿場での戦いにおいて虜囚となったのである。
 それ自体があの御殿場における天使側の目的であった、という事だろう。
「問答無用で殺されなかっただけ――と考えるべきかしらね」
「……とは言え、いい予感もまた……しないものですね」
「う~ん、ステラお姉さんやクラリっちも一緒だしぃ、どうしてわっち達を捕まえたんだろぉ?」
 更に榊原 京(r2p000044)に夜神 ステラ(r2p002295)。そして明星 和心(r2p002057)の姿もその場にはあったか。京は冷静に状況を俯瞰するものだ。レイヴンズにとっての最悪は、即時殺される事であったのは間違いない。
 死ねば、それまでだ。生きてこそ成し得る事がある。
 だから『生きている』それ自体は僥倖――
 ただし。ステラの懸念の様に一切の油断は出来ぬものだが。
 なぜなら……天使がのなら、

「――然り。貴方達の命は、温情によって見逃されたものではありません。
 

 その、時。
 場に声が響き渡った。先程までレイヴンズ以外の気配はなかった筈なのに――
 に在りしは天使の姿。
 ただし多くのレイヴンズが。
 それは純白の六翼。天使の最高位たる証。
 それは本物の絶望。世界を黄昏に導いた首魁の同位。

 使

「熾天使……また生きて、お会いしましたね」
「――――ッ」
「おや。存外、身の治癒が早いものですね? 動ける程度の力はありますか。
 まぁ地に這いつくばる姿で私の前に迎えさせたかった訳でもない。良いとしましょう」
 その姿を目撃すれば、クラリッサ・クラーク(r2p002781)と蘇芳 菊蝶(r2p000425)は胸中に、ざわめく不安感が湧きたつものだ。
 ――なぜならクラリッサと菊蝶は、それぞれ先の戦場においてアレクシスと直接対面した者達であったが故に。そして意図せずに触れてしまったが故に。
 あの時。微かに振るわれた力だけでハッキリと分かった事がある。

 

 奴がその気になれば――
「こいつが……熾天使……ウィラにとっての大事なやつってとこか」
「……初めまして、とでも挨拶しておくべきなのかしら、ね?」
 宗堂 シンジ(r2p000139)に鵜来巣 未明(r2p000774)は心中に驚愕の色を灯しながらも――極力顔には出さぬように努めようか。焦っても仕方がない。どうせここが敵の本拠ならば……
「……一体」
 瞬間。喉の奥から絞り上げるように、声を紡いだのは地上 真珠星(r2p001838)だ。

「さて……だと思いますか?
 フフフ――まぁ。一言で述べるならば、思ったよりは貴方達人類にが故、とでも言いましょうか。多少程度ですがね。正直な所、当初は貴方達など、私は蹂躙すべき木偶としか思っていなかったのですが。存外、
 ……斯様に告げるアレクシスの言の葉。どこまで真であるかは知らない、が。
 奴の貌にはただただ――微笑みが灯されていようか。
 だがその微笑みの色は
 
 ……それでも今は、冷静に。状況を見定めねばならないだろう。

 この――富士に構築された、

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