
九頭龍呪怨縁起 I
それは、九頭龍大神第六の首によって再演されし大破局。
悪意と呪詛で脚色された惨劇は、血と悲鳴と罵声に塗れ、生々しく跋扈する――
「元ネタがいるならくれぐれも生き返るんじゃねぇぞ」
「いつの世もいますね、こういう手合いは……」
悪意の幻影が消え果てゆく……ルーカス(r2p005028)はそれを睨みつつ言い放ち、篠宮 和真(r2p001110)は辟易と息を吐く。相手取っていた連中のことを思い出せば、なんとも後味の悪さが込み上げてくる。
――人間なんて所詮こんなものだ。
これこそが人間の本性だ。醜く、汚く、悍ましく……。
まるで。耳元でそんな言葉を囁き続けられるような。
『ったく、胸糞悪ぃもん見せやがって……』
「悲劇は好みじゃあないんだ」
谷橋 カシリ(r2p001076)の声は機械音声なれども、 そこには確かに不愉快がにじんでいて。それはロマン・フランセル(r2p001460)とて同じく、 ゆるりと首を振って溜息を飲み込んだ。
「同感だよ、だってこんな……」
磯兼 空(r2p004640)は未だ 狂乱止まぬ景色に眉尻を下げる。「こんな」、の先が紡げないほど……この呪いの世界は悲しくて。虚しくて。
それが「生き残りたい」という人間の本能が成した狂騒だとは、明日見原 真奈未(r2p000455)も理解できる。そして、できるからこそ――
「たとえ幻影であろうとも……いえ、怨念から来る幻影だからこそ、止めなければ」
「ええ――行きましょう。必ず救いましょう。護らなければ」
青水晶の煌めきを纏い、頷くエクスセリア(r2p001259)は前を向いた。
人は確かに愚かかもしれない。 だがそれが全てではない。
「私たちは、力を合わせてここまで生きてきたんだから」
草薙 菜桜(r2p005139)はマシロ市を思い浮かべる。あれは多くの人が未来の為に力を合わせて造り上げてきた場所で。人が自分のことしか考えられない生き物だと言うのなら、あんな都市はきっと存在していない。K.Y.R.I.E.という組織も存在していない。
……辺りは未だ黒い靄が、どろり、悪意を以て辺りを包んでいる。
だから当真 暁斗(r2p000997)は悲劇の中を駆け続ける。
強ければ生き、弱ければ死ぬ。だからといって、たとえば赤ん坊のような……無力な者が理不尽に殺されていいはずがない。
(……やるだけやるんや)
護りたい。
同じ思いで、旋 風斗(r2p003546)も走る。助けを呼ぶ声を探し、彼方、天使に追いつめられた者がいるならば。
間に割り入ろう。得物を構えよう。そして高らかに、こう告げる。
「サイバーニンジャ、参上だぜ!」
箱根を覆った悪夢はまだ、醒めることはなく。
なれどそれは、抗うことを止める理由にはならなくて。
――『善』でありたい。春秋 佑河(r2p000035)はそう思い、そう願う。
だから勇気を。
「幻の悪意に、負けるかよ」

※本クエストは期間限定となります。パノプティコン・ブレイクのシナリオ群の返却時期頃に終了予定です。
※本クエストはEXP取得が「17%」になっています。
※当リミテッドクエストの『参加者数(ユニーク数)』により不明者シナリオの死傷率が『僅かに』低下します。また総成功回数により、不明者シナリオ以外の、救出シナリオにおける死亡率を低下させる効果があります。