
九頭龍呪怨縁起 II
「なぜ悪魔を、ベリルさんを頼らなかったんだ~」
惨劇の風景に、悪魔であるベリル・ベリト・ベレト(r2p000663)はそうボヤいた。
ローズ・アミシア(r2p000753)は――人間の味方でありたい。彼らが選択を誤ろうとも、罪を犯そうとも、無条件で、最後まで。
「私が百足の妖と同じことをされる日が来ようとも……そうありたいと思います、その強さがその時、私にあるかは心配ですが」
それが、座敷童だから。
――言ってしまえば、目の前のこの惨劇は全て幻影で。
逃げ惑う市民だって、助けたところで実在してはいないのに。
それでも、月城 ソラ(r2p001474)は護りたいと思った。
「もう取りこぼさない。そう決めたんだ」
醜かろうがなんだろうが。あいつの守ろうとした世界だから。
(私だったら、――)
盾として立って。その身に傷と痛みを受けて。アルジェント・ディノッテ(r2p006088)は惨劇の最中で物思う。
(護れなかったことを責められたら、きっと……辛くて耐えられないだろう)
アルジェントとて護れなかった者の一人だ。でも。せめて。失った人へ胸を張れるようこれからを生きていかなければ――顔向けできないじゃないか。
葉許 譲葉(r2p004149)は覚えている。近所のおばさんが野菜を何度もくれたこと、クラスメイトが上級生から庇ってくれたこと、母親が遊園地のヒーローショーに連れていってくれたこと、繋いだ手のぬくもり――
「あの三日間で、心がぐしゃぐしゃになるようなこともあった……それでも!」
「人は力強い。未来へ向かって一歩一歩、踏み出すことができるんだ――!」
南條 風理(r2p000572)も信じている。人の眩さ、ぬくもり、尊さを。知っているから、戦える。その輝きを護る為に、何度だって立ち上がれる!
――剣を、握りしめよう。
この幻影の世界では、ロストエイジのロロ=ヴァントーズ(r2p003282)にフェル・リオット(r2p000304)は未来人か。2053年は希望が満ち溢れている、とはとても言えやしないけれど。
「それでも。世界は、明日も続く。こんなところで終わらない」
「明日も明後日も、みんなで美味しくごはんを食べたいもんねっ!」
どうか信じて。
――どうか信じて。
どうか、どうか――……
「お願い、信じテ」
不知火 閃華(r2p003397)は手を組み祈るのだ。
「ワタシが全部全部、守るカラ。ワタシは欲張りなんだモノ!」
優しい祈りは歌うような慈悲の雨。
きらきら、絶望を塗り変える輝きが再演されし狂宴に満ちる。
そんな、絶望と希望が混じり合う世界を、アイラ(r2p006664)は駆けていた。
急げ。急げ。急げ――救う為に進む皆の道を、切り拓く為にも。
「阻むなら……ごめんね。無理矢理にでも、通るから」
踏み込む。進む。
前へ。前へ――
「恐怖に震えることは弱さではない。だが、その弱さを言い訳にすることこそが、人間の愚かさだ」
深淵突槍を手に、ゼクス=ラジエゴール・エーレルト(r2p000202)は破局の中で凛と立つ。握り直す得物を、悲劇へと突きつけよう。愚かさの先に責任を知り、善意を繋げられると……ここに示そう。夢を、憧れを、未来を、情熱を、証明しよう。
立ちはだかるような悪意の帳に、しかし水城・繰絵(r2p000276)は堂々と、手にした刃をすらりと向けよう。こんなもので罪を再認識させようと言うのなら――
「逆に見せてやるわ。私たちは立ち止まることも諦めることもしない、と」

※本クエストは期間限定となります。パノプティコン・ブレイクのシナリオ群の返却時期頃に終了予定です。
※本クエストはEXP取得が「17%」になっています。
※当リミテッドクエストの『参加者数(ユニーク数)』により不明者シナリオの死傷率が『僅かに』低下します。また総成功回数により、不明者シナリオ以外の、救出シナリオにおける死亡率を低下させる効果があります。