
負け犬と腐実
「……都合が良すぎるの。
……ラグ爺曰く。
戦場で都合の良い事なんざ、そうそう起こりはしねえ。
なの。
……ならば ここまで近づかれた原因が 必ずある ……けれど」
アンセルマ・イアハート (r2p000022)は訝しむようにそう言った。戦端は既に開かれた。無数の兵たちが衝突する中、奇妙さを覚えるものは、確かに存在する――。
「……確かに、皆言ってるけれど、なんか変よ。
あの、権天使ミーレリアっていうの。前の戦いにも表れたっていうけれど、あの天使が指揮官?」
平坂 あすか(r2p000919)の言葉に、皆の心に違和感が浮かぶ。
果たして、この一団の首魁は、権天使であったか? なにか――我々は、見落としてはいないか?
されど、その疑問への答えを導く間もなく、戦いは激しさを増す。天使たちは、きっと大切なものを取りこぼしたまま、我々へと牙をむく。
「任せなさいよ! こそこそと隠れてきたような奴らに、敗けたりしないッ!」
不動 優歌(r2p000603)は、怒りをその武器にのせ、烈しい赤の閃光を解き放つ。放たれた光がルーザーズを飲み込むや、
「わたしだって刻陽っ子だもん! こういうときだって、想像しなかったわけじゃない!」
小鳥遊 宇宙(r2p002350)はその勇気を言葉にのせて、為すべき責務を果たすべく武器を取り、大地を踏みしめる。
今や、唯一の故郷となった、我らが人類の都市。マシロ市を守るために――今は戦わなければならないのだ。
「――ふぅん?」
ベルガモートはぺろり、舌なめずりをした。戦い続ける人類と、アレクシス派のイレイサー達。戦場を眺めるその瞳は、戦いの拮抗を、如何に維持するかということに、悩みを抱いているような色をしていた。
「……ベルガモート……!」
甲斐 つかさ(r2p001265)は、その姿を認めて声を上げる。あるいは、その傍に立つ古多恵 花見(r2p000256)は、つかさの手を握り、その心を支えるかのように、腐実の怪物へと相対した。
「迷子の子を探ちていまちゅ、助けてくだちゃい。エンジュは、ベルガモートしゃんに賭けまちゅ」
あるいは、天城 えんじゅ(r2p005108)が、そう告げる様に。
『 』を探すために。その子を見つけるために――。
「私たちも、困っています!
……その。手をとりあえる、のではないかな、と。思うのです!」
アリアス・ミラドレクス(r2p000020)の言葉は、果たして、ベルガモートへと届くものか。
我々の目的と、ベルガモートの目的。今はそれは、一致しているはずだ。
――たとえ、その願いが、猿の手に願ったものだったとしても。今は、その手を取るしか、我々が事態を打破する道はない――!
「そう、ねぇ」
と、ベルガモートは、妖艶に笑ってみせた――。
※対『 』戦・戦況が進行しています!

