ジェスターとジョーカーの饗宴 II
天使。サーカス。アザーバイド。蒸気。歯車。哄笑。羽音。
どこもかしこも戦場だ。こちらでは大型の変異体リスがガチガチと牙を鳴らす。
「……大人しくてモフってもいーんだったらよかったのにな。残念」
なんて言ってる場合じゃないのは分かっている。雪永 千詠子(r2p001295)は冴え月のような銀氷の翼を戦場に広げた。仲間を皆、護る為に――第五熾天使戦のような喪失を、繰り返さない為に。
「気、引き締めていくよ」
「なんかすんげえ具合悪い時に見る夢みたいだけど……うーん……」
一方でチプタ・ウールヴル(r2p005877)が相対しているのはファンシーなペガサスとでかいねこで。状況はなんとも混沌としていた。
「とりあえず! 罪のない動物を操るなんて卑怯だ! ぜってー許せねえ!」
「つかこの街並みならロボットとか召喚するだろ普通! メカ要素歯車だけじゃねえか! 雰囲気合わせろよ!」
サイガ ヒビキ(r2p000706)のツッコミがスチームパンクな多摩に響く。調子が狂うが、連中が向けてくる殺意だけは本物だ。身構え振るう、気焔-万象-。輝く炎が、災禍を祓う。
――スポットライト。
時にサーカスの天使共は、『脚本』をレイヴンズへと押し付けてくる。
「……まぶしい、ですね。どこまでも、どこかまぶしい」
煌びやか、きらきら。サーカス団が用意した舞台に、エレス・イルレーウェ(r2p000469)は溜息のように呟く。
――ただ、寂しくも思える。ただ、「綺麗」なだけの空間。
「ですから……」
あなたが欲しいと言われても、首を縦に振ることなんかできない。
「ふふ、意外と頑丈なんですよ、私」
お相手が女王であろうと、簡単には屈しませんとも。月朱(r2p005620)は悠然と立ち、柔らかに微笑む。天満月ノ玉兎――その足元では兎が跳ねて、治癒の軌跡を描いていく。
「ん。まどろっこしいね。でも、まいっか。全力で役を演じてやるだけだから、ね」
ラピス・ニル(r2p005759)のやるべきことは変わらない。幸福な王子様の燕役だと言うのなら――
「ん。全力でおみまいしてあげる」
金銀財宝を握りしめたその拳を、叩きつけてやろう。
――ボロボロになって頂きましょうかあ。
「折角ですからあ、そのプライドごと、ねえ?」
にたり、トコヨ(r2p000124)は天使共へ目を細めた。揺らす虫翅より鱗粉を漂わせ――そう、やることはいつだって同じ。天使共の目を惹いて、虫神の権能によって敵を妨害を。いささか毒は吐きますけどねえ?
はて、さて。
混沌で、意味不明で、この多摩という街は予感が騒がしい。
多分それは、ウキウキするようなハッピーでラッキーなものじゃない。十中八九、雷雨みたいな展望だろう。
――でも、いつだってそれを乗り越えるだけ。来光寺 ビビアン(r2p007557)は大きく息を吸い込んで、
「音出すよ! 3……2……1!」
爆音スピーカーを通して思いっきり叫んで、どんな音だって上書きしてやる。うちの方を見ろ!!!!!!!!!!



