きみたちの未来が、どうか何処までも続きますように
「今日が入学式で、開校式か~」
そう言ったのは、真新しくも、さっそくかわょにカスタムされた制服を着込んだ、七井あむ(r2n000094)であろうか。隣には、同様に真新しい、かわょではない制服を着た逢坂 絢(r2n000079)の姿があって、あなた はそんな二人に、何処か微笑ましい気持ちを抱くものだった。
「アンタもこっちに通うの? それとも、今日は見学?」
絢がそう尋ねるのへ、あなたはなんと答えただろうか――絢のいうこっちとは、つまりこのたび新設されたKPA工科学校の事である。
箱根に残存していたある程度再利用し、急ピッチで再建されたこの建物は、刻陽学園箱根分校という立場ではあるものの、その性質は大分独立に依っている。KAPを主とし、マシロ市内の様々な工業系企業から出資と支援を受けて誕生したこの学校は、工業技術を用い、今後の未来をに担う技術者を育成するための、より専門的な学術の場所であった。
「まぁ、今後人類が版図を伸ばしていくにつれて、やっぱり必要なのは土台だからね。
工業は人類社会の基本なのだ。
そこを重点的に学ぶっていうことは、ぼくは未来を作ることだと思っているよ」
「……そういうのを、学校のパンフとか、これからやる入学式の演説に使えば良いんだ。
みなよこの学校のパンフレット。なんて書いてあると思う?
『おもろながっこうなんで。
たのんしでくれたまえ』
って。
よく怒られなかったな……?」
「怒られたけど、無視してたらそれが掲載された」
「最悪だ……」
けらけらと笑うあむと、頭を抱える絢。あなたも苦笑しただろうか。あるいは、あむらしい、と諦めただろうか。
いずれにしても、今日はKPA工科学校の開校式であり、入学式であった。周りには、あむや絢と同じように、真新しい制服を着た新しい学生達が、多く学舎を臨んでいる。あなたもまた、同じように制服に身を包んでいただろうか? それとも、技術者や教育者としての立場で、この場所にいるのだろうか。勿論、見学という立場で、ここに来てもらっても構わないと、あむは笑っただろう。
何にしても、今日、箱根の地に多くの人々が集い、そして新たな生活を始めることを確認するように、ここに訪れたのは事実である。それはきっと、あなたも同じに違いない。
「ああ、とりあえず、そろそろ式が始まる。
ほら、主任。アンタはこっちだろ。招く側。
さりげなく生徒の列に混ざろうとするんじゃないよ」
あむの首根っこを掴む絢。あむは引っ張られるままに、あなたへと笑いかけた。
「あのさ。
今は、東京はカタルモイとか言う天使のゲームで大変だし。
岐阜は言わずもがな、相模原の方は、花蝕障とかいう魔力汚染に、花人とか言う怪物も居て、調査は必至だけど――。
きょうくらいはさ。全部忘れて、青春というやつをたのしんでいきたまえよ。
そうしていいだけのことを、君たちはこれまでしてきたし、これからもしていくんだからね」
あむがへら、と笑って、手を振った。絢はあむの首根っこを掴んで、ずるずると講堂へと引きずっていく。
そんな二人の姿を見ながら、あなたは思案する。
さぁ、今日はどんな一日を過ごそうか――。








