ミッション・コフィンキーパー II


 ――SystemLog Winner! K.Y.R.I.E.!

「ねなちゃん先輩、ありがとね」
 本当の死を免れた『お客様』、花祀 あまね(r2n000012)が微笑んで。
「うん、どういたしまして」
 笑みを返した結樹 ねいな(r2p000031)は――しかし、彼女が時のことを思い出す。戦い、戦い、戦い戦い戦い戦い続けた彼女の、仮想の最期。それは勇猛と呼ぶべきなんだろう、かくあるべしと賞賛すべきなのだろう。
(なのにどうして……あの時、あんなにも虚しくなったんだろう)
 そっとあまねの手を握る。あたたかい。やわらかい。……生きている。

 天使死垂桜は退けられ、ヴィータ=アウテーネ(r2p001247)の命は護られた。
 死の気配が去った浅草の街を、甘き血を流す九重 縁(r2p001950)は見回して。ひとまずの安全を悟れば、深く息を吐いて戦闘態勢を解いた。
「椅子取りゲームなんて趣味の悪い。本当に気が乗りません……」
 血色の蝶が、戦いの終わりにぱしゃりとシャボンのように弾ける。怪我人はゼロでこそないものの、友達を護りぬけた。縁の心に安堵がゆっくり広がっていった。

 ボーナスチップの代償は、数多の仲間の死。
 ……仮想なれどその事実は北瀨里 紫織(r2p001661)の心にのしかかる。けれど今は、動物達の足音が消えたことを喜ぼう。
「追っ手のあの子、強かったね。けど看護師さんを守り切れてよかった~。
 次の戦いがどうなるかわからないけど、危なくなったらすぐ駆けつけるからね!」
 どうぶつさんファミリー。かわいらしい名前とそれを率いるあどけない少女に反して、その脅威度は侮れない。個性的な『飼育員』達に、更には多摩南で相まみえたエルシャーをも傘下に加えているとは……。

二人を助け出せたのは、良かったっす……良かったんすけど……」
 支援仕様人型機動兵器LiAN Medicリアンメディックのコックピットにて、大里 杏理(r2p002672)は視線を揺らした。
 K.Y.R.I.E.の仲間達――羽崎 楓奏(r2n000036)と夜霧 悠(r2p003092)は仮想死亡から復帰したものの。
 激戦により多数の仮想死亡者が発生してしまったこと。そしてティティフィティアとの交渉が失敗したこと。ゲイムには勝ったが、勝負には負けたような……そんな苦い心地に、杏理もほかの仲間達も、ただ口を噤んでいた。

 ――しん、と。
 浅草の一角は静まり返っていた。
 ……いや、その場にいる者らの心持ちとしては、それは決して比喩ではないのかもしれない。
『お客様』となっていたプシュケーの少彦名 ミコト(r2p008482)の命は護ることはできた。だが――システムログは、無情な現実をレイヴンズらに突き付けていた。 
 system log『死亡』―― VALKYRIE(r2n000098

 弾痕の刻まれたマスコットが、渇いたアスファルトに横たわっている。
 後味の悪いゲイムクリアの静寂を破ったのは、浅月 万紅那(r2p002386)の呻くような声だった。
「助けられるは助けたいんだよ、後味が悪いだろ……! 何かしなけりゃ、俺がこの時代で生き残った意味がねぇんだよ……!」
 ティティフィティアによる横槍があって、プシュケーとの交渉は失敗して。
 ……プシュケーの蒼灯 契(r2p008492)は婚約者を救う為、その命を散らした。
 これが勝利? 達成感も喜びも何もない。
 なのにこの『カタルモイ』というゲイムはまだまだ続く。
 まだこんな、、ふざけた遊戯ゲイムが続くのか?








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