
アーリーデイズ V
――横浜駅から徒歩5分。
マニアックで玄人向け筐体から万人受けする音楽ゲームにクレーンゲーム、青春を切り取る写真シール機と様々な種類のゲームが建ち並ぶこの場所は『刻陽生』を始め学生達の憩いの場でもあった。
数枚の硬貨を手にしていた春秋 佑河(r2p000035)は愕然とした様子でパンチングマシーンを眺めて居た。
鈍い音と共に、998kgの表示。
「ほれ! みてみぃ! ええ数字で抑えたで!!」
明るく朗らかに振り返ったのはSūn・Wùkōng(r2p000154)だった。
パンチングマシーンは通常は壊れるものではないが佑河も、音楽ゲームで太鼓を連打してフルコンボを得たばかりの安藤 優(r2p000141)もSūnがこの筐体を壊してしまうのではないかと本能的に察知していたのである。あくまでも『なんとなく』ではあるが――
「本日の最高得点やって!」
嬉しそうに名前を登録しておこうとうきうきと笑った彼女に対して優は「……ちなみに、一般的な成人男性の平均スコアが120kgらしいですよ」と恐る恐ると声を掛けた。
なんたって、平均値を大幅に超えるのだ。いや、それだけの膂力を有する女性が存在して居ても可笑しくない、けれども、計測ミスであった可能性だって。
ならば、と佑河はパンチングマシーンに自身の持ち得る最大限のパワーを込めて拳を叩き付けた。
「ふんっっっ!!!」
その結果は126kg。やはり成人男性の平均スコアだ。筐体が壊れているわけではなさそうだ。
「ま、まあ、たまたまエラーが出たんじゃあないでしょうか……?」
「さっきは半分冗談のつもりだったが、やっぱお前ヤクザか何かだろ」
この平穏な日常で素性を疑うようにじらりと見詰める佑河に優もおっかなびっくりといった様子ではある。
からからと笑うSūnは「ふつーのヒトや」と首を振る。日常は少しのことで『非』日常に変わってしまう。
共通点がなくとも、何となく足を踏み入れれば顔見知りとなって、新しい出会いを得る事ができるのだ。
そう、ここは都心のゲームセンター。きっと、そんな『不思議な出来事』にだって見舞われる。
人間は非日常を求めるようにこの場所に来るのだ。けたたましい程のリズムゲームのBGMにメダルゲームの山が崩れ去る音、ポップな児童向けカードゲームはナレーション声優の明るい挨拶だけを響かせる。
思わずその音の奔流に眉を顰めた小鳥遊 乃絵流(r2p001840)もそのパンチングマシーンの結果を見て「だれがこの結果を出すの……」と呆然と呟いただろう。
クレーンゲームの結果が振るわない少年にとっては始めて見る少女だ。乃絵流だけではなく白雪 涼音(r2p000037)の事だって『行きつけ』のこの場所では初めて姿を見ただろう。
こうした場所での出会いだって悪くはない。学校で、通学路で、そうした出会いだけではない。
偶然出会っただけの事もあるだろうか。すれ違い様に相手のことを覚えていることだってある。
それでも、ふとした出会いはその時だけの大切な財産となる筈だから――
今日もまた、クレーンゲームで『景品』をゲットできない少年の怒声が響いている。
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