ミッション・ダイナソーハント II


 びゅう、と風が吹きつける。
 エドワード・ルイス(r2p000459)の耳にはもう、恐竜の咆哮も足音も聞こえない。ふー……と長く息を吐いた。異能を解除すれば、足元はふわふわとしたスポンジではなくなって。
「なんとかなった、ね」
 三羽 那珂(r2n000118)も「ふう」と深く息を吐いた。ティティフィティア、プシュケー、三つ巴の『ダイナソーハント』だったが、レイヴンズはなんとか勝利を収めることができたのだ。
「お疲れ様だ、皆」
 エドワードは額から伝う血を手の甲で拭い、那珂へ、仲間達へ振り返る。仮想死亡もなく勝利を収めることができた、これはタンク役としては大きな大きな安堵である。護り抜けたのであれば……この身の傷すら勲章だ。生きていれば、いつかは治る。
 とは、いえ。安堵ばかりもしていられない状況だ。戦況もそうだが、ティティフィティアとプシュケーのことを考えると大人として心配も湧くものだ。
(だが……無責任に勝ちを譲る気はない)
 決戦の気配に、秋を迎えつつある空はどこまでも素知らぬ青さで。

「――はあ、もう、最悪」
 しゅるしゅると解けていく『恐竜化』に、姫原 エリ(r2p008600)は盛大に溜息を吐いた。ついさっきまで恐竜のような禍々しい様相を呈していた手がようやっと元に戻り、感触を確かめるように開閉させる。
 前回のゲイムではコイン役。今回のゲイムでは恐竜役。全く、踏んだり蹴ったりの連続である。――それでもゲイムに吞み込まれずに生きている。それは相対したレイヴンズのおかげなんだろう。
(天海 まいん、だったかしら)
 彼女(r2p002279)の歌声を思い出す。軽やかで、心までふわりとするような。その歌声を思い出すと、「大丈夫」と思えてくる。
 でも――だけれど。
 それでも拭い去れない懸念が、エリにはあった。
「……皆、無事かしら」
 第11戦区。ミッション・エンドレスリーパーが開催されている北部エリアへとエリは振り返る。吸血鬼の目を以てしても、ここからではかの戦場のことは窺い知れない――であるからこそ、そこに赴いていったプシュケーの面々を想うのであった。
「――……♪」
 まいんが歌っていたメロディを口遊む。私たちは前を向ける、壁を乗り越えられる、止まない雨も、消えない雲もないんだ――



※イラストオプションに『祇化』が実装されました。(用語説明:呪創/祇化)








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