「しごおわ~。やばみ。デスマっての?」
うんと一つ伸びをした七井 あむ(
r2n000094)KPA技術主任は蒼白い顔をしてから「はらへり」と呟いた。
「ん、菓子ならあるけど。もしくはしるこサイダー」
「やるじゃん、じゅん。流石はさいかわでてんさいなぼくの弟子。弟子だっけ? ちがう? ま、いーや、どーでも」
「アンタの弟子になったつもりは無いけど、アンタの実力だけは信頼してるよ。一応ね」
「褒めてんの? めずらし。あはは、まあ、おつー。じゅんも、ぼくも、
どっかの天使も社会のワンワンだってね」
からからと明るく笑ったあむに逢坂 絢(
r2n000079)は「笑い事ではないけどな」と嘆息した。
KPA――
Kyrie & PearlCoast Armoryはマシロ市及びキリエ誕生の初期から存在し、超常の天才シュペルとラプラスの箱の持ち得る技術力を『介さない』近代兵器の開発と量産を行って居る。
それだけではなく、まあ、こちらが本題なのだが。ラプラスの特異な技術にシュペルが図面を引いたものを実用量産化する為の研究も行なっており、能力者達の戦闘をバックアップする役割なのだ。
――俺様もマシロ市の皆のために協力するってワケ! ってなわけであむchangよろしくゥッ!
軽く言ってくれるモンだとあむは舌を打った。かわゅすぎる技術主任(性別及び年齢不詳)はその時ばかりは可愛さも何もかもかなぐり捨ててしまった。
あむはKPAの技術主任であると言うプライドがある。ゆめかわ水色かわょ
大悪魔(自称)である以上に、KPAの技術主任という座はあむを端的に表すキーワードで有り、あむ自身を呼称する最もらしい言葉なのだ。
何せ、大破局が起こっていなかったならば配信者として生きていくなんて口を回していた彼(もしくは彼女)が自覚した才を思う存分に発揮できるのはKPAという居場所があるからだ。勿論、かの教授やらスパコンやらに勝利などする気は無い。あむは人間だ。勝利をする気は無いが、人間が人間なりにこなせる仕事を与えられてノーとは答えたくはなかったのだ。
――んじゃ、かわゅでてんさいなぼくが完璧と最速の向こう側、見せちゃうぞ☆
……と、いう訳でKPA職員達はそれはそれは
無理を承知の業務進行を行なってきたのだ。
そうした武装を手に横須賀で、かのラファエラ・スパーダとの戦闘に向う能力者達の力になりたいと、ただ、その一心だけで。
「んじゃ、テストだけ任せてい?」
「アンタが失敗することはないだろけど、まあ、その為に居るんだろ。きり」
絢が振り返ればモニタに浮かび上がったVALKYRIE(
r2n000098)は「そうですの!」と微笑んだ。
「きりにどーんとお任せくださいですの! あむちゃまも絢ちゃまもまだまだ大忙しですの。
きりにはバックアップしかできませんの! けれど、支援活動ならばきりは大得意ですの! ですから――」
VALKYRIEはにまにまと笑ってから多数のモニタに映し出されたデータを指先でなぞった。
「ここはきりに任せろーですの!」
「……言いたかっただけだろ」
「あー、言いたかったんだ。うけ」
VALKYRIEは少し照れた様子で「えへへ~」と頬に手を当てゆらゆらと身を揺らがせた。
ラプラスの箱Vol2.『いざ、横須賀!!!』が開放されました!
横須賀基地奪還決戦『剣の権能』はこちら!