#0186

手に入れた『鍵』

「お帰り、皆。報告については読ませてもらったよ」
 刻陽学園横須賀キャンパスに戻ったフランチェスカ・バレット(r2p006437)たちを迎えたのはキャンパス長である九相寺・大志(r2n000122)だった。
「クジラのような怪物に、光るマンタ……なるほど、中々に大変な状況に出くわしたようだね」
「はい。マンタさんたちも、クジラさんも……きらきらに関係しているかもしれない、ということは分かったのですけれど」
 あの光の結界の向こう。そこに「本体」がいるのではないかと、そうフランチェスカは考えていた。
 どこか危うくて、美しい存在。そんなクジラは天使のようでもないし、サヴェージのようでもない。
 ではいったい「何」なのだろうか?
 罠の可能性を考えもしたが、本当にそうなのだろうか?
 思わず考え込んでしまうフランチェスカの横で蘇芳 菊蝶(r2p000425)が「あっ」と声をあげる。
「その報告書にも書いたのですが……」
 言いながら菊蝶が取り出したのは、光る石のようなものだ。
 かわょいアタッシュケースを見て、フランチェスカと明星 和心(r2p002057)も「あっ」と声をあげ同じような石を取り出す。
「わたしたちが倒したクジラさんから出てきたものです」
「私たちも同じです」
「わっちたちもそうだしぃ。マンタっちは、わっちたちが持っていっていい、って言ってたみたいだけどぉ」
「ほお、会話出来たのかい?」
「そんな風な動きしてたしぃ」
「なるほど、ボディランゲージというわけか。いいものだね」
 大志のそんな言葉に、ちょっとほのぼのとした雰囲気が生まれて。
 しかし、大志はすぐに「さて」と石を1つ掴みあげる。
「ふむ、ふむ……」
「何か、分かりそうですか?」
 菊蝶のそんな問いに大志は「さて……」と呟く。
「私に分かるのは、この3つが同じ何かを起源とするものであるということくらいだね」
「同じもの……」
 光る半透明のクジラ。現れた3体全てが起源を同じくするというのであれば、なるほど。あの光の結界の向こうに本体がいる可能性は高いのかもしれない。
 しかし、そうすると……だ。
「もしかしてぇ、あの光の結界も同じだったりするのかなぁ?」
「充分に可能性はあるだろうね」
 和心の言う通り、光るクジラも、結界も、この石も……同じ何かを起源とする何かであるとするならば。
 そうであるのならば……この3つの「光る石」は、あの光の結界の向こう側をどうにかする鍵となる……のかもしれない。
 詳しくは調査が必要だろうが、もしそうであるのならば。
 沈んだ房総半島に残された謎が解かれる日は、近いのかもしれない。
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