――ようこそ、救済機関へ。K.Y.R.I.E.はあなたを歓迎します。

K.Y.R.I.E.

 KYRIE(Keep Your Region Intact and Eliminate threats)

 天使特別対策室K.Y.R.I.E.は、プレイヤーキャラクターが所属する組織である。
 天使による行動が活発化して以降に内閣府により設立された組織であり、国家機能が沈黙した現在において、マシロ市内の生存者を率いる組織となっている。
 尚、対天使特別対策室とは銘打っているが、実際の所はそれ以外の様々な脅威の排除にも余念が無い。

 名称は地域を守り、脅威を排除することを目的とした組織であることを示している。
 略称の『KYRIE』は、ギリシャ語で「主よ、あわれみ給え」という意味の聖歌であるキリエ・エレイソンに由来している。
 それは脅威にさらされた人々が救いを求める声であり、組織が地域の人々を守り、脅威から救済する福音でもある。

キリエロゴ

illust: zero

沿革

 K.Y.R.I.E.のような組織の前身に相当するものは、日本における『内閣天使特別対策室』、及びスイスのジュネーブに本部を置く国連傘下の機関『対天使世界条約機構』である。
 2024年当時、堕天使には民間人出身者も数多く、各国の軍規には馴染めない者が多かった。そこで民間人堕天使の採用をいち早く取り入れたスウェーデンに本社を置く多国籍の警備保障及び民間軍事企業『スキャルドメール社』の『ヘイムスクリングラ・メソッド』が世界各国へとシェアされ、類似組織が次々に誕生していった。
 本邦における『内閣天使特別対策室』の発足は実を言えば『ヘイムスクリングラ・メソッド』の進捗に先んじている。当時の内閣危機管理監だったマクスウェルの忠告に従った本邦の動きは非常に素早く、自衛隊及び警察出身の堕天使を実働人員の中心として、各省庁の一部人員を内閣府に設けた特別対策室へと招集。構築した『天使特別対策室』に民間出身の堕天使を登用する運びとなったからである。
 2025年初め頃、国連に『対天使国際機関』が誕生、官民多くが入り混じった各国の対天使特別部隊は以後、国際的連携を開始する。翌2026年半ばには一端『人類軍』へと統合された。
 K.Y.R.I.E.の前身はいわゆる『聖夜の歓喜』を前後して、壊滅した東京及び神奈川県北部からの離脱を計画した一連の作戦『大手町救出戦』『目黒撤退戦』『川崎撤退戦』『鶴見防衛戦』等を経て、本拠を中目黒から横浜市へと移転した。
 時を同じくして横須賀の米軍及び自衛隊が横浜まで後退したことを受け、諸勢力を統一し、やがて関内から山手一帯を中心とした要塞都市『マシロ市』が誕生することとなる。
 そして対天使特別対策室神奈川分室を母体とし、根岸に新たな『救済機関』として『天使特別対策室K.Y.R.I.E.』が誕生したのである。

気風

 これら対天使組織における多くの戦闘員は、必ずしも成人した志願兵とは限らない。若年者さえ戦場に送らねばならないという問題をはらんでいる。そのため特にドゥームスデイ直後の時代においては、戦闘行動であるにも関わらず、奉仕活動などという実体とかけ離れた呼称が為されたこともある。
 しかしこうした経緯は、現在のK.Y.R.I.E.においても、堕天使達の人権を可能な限り尊重するという気風の礎となった。

K.Y.R.I.E.人事統合部

 K.Y.R.I.E.人事統合部。K.Y.R.I.E.に在籍している能力者のデータ管理を行っている部署である。

K.Y.R.I.E.技術開発部

 K.Y.R.I.E.技術開発部。天使に対抗する技術研鑽が常に行われており、オルフェウスより齎された技術も登用されている。概ねシュペル・M・ウィリーが私物化を進めている。要するに何か色々買えるショップの事である。

KPA

Kyrie & PearlCoast Armory(キリエ&パールコースト造兵廠)

 名前の通り、キリエとパールコースト合同で作られた造兵廠。
 マシロ市およびキリエ誕生の初期から存在し、超常の天才シュペルとラプラスが運用する『ラプラスの箱』を『介さない』近代兵器の開発と量産を主に行っているほか、ラプラスの特異な技術にシュペルが図面を引いたものを実用量産化するための研究も担当している。持ちつ持たれつの関係でもあるのだ。
 基本的には『市の特記戦力であるレイヴンズ以外でも、安定した戦闘能力を保持できる汎用量産兵器』の開発を御旗に挙げており、代表作品ではキリエ基本装備である『Kナンバー』装備などがあげられるほか、ナチュラル用のオートマチック・ハンドガンで、パールコーストの兵士や一部警官隊に出回っている『KPA-37・ナナイ』が存在する。技術主任である『七井技師』の名を冠したこの銃は、中華街のヤクザたちの扱うカスタムモデル『虎牙(フーィア)』のベースとしてもよく知られている。
 もちろん、レイヴンズ仕様の武器を作らないということもなく、旧時代の『ハンドキャノン』と揶揄された大口径オートマチック・マグナムハンドガンを彷彿とさせる『KPA-48・アイゼンファルケ』などは、そのサイズと反動から、レイヴンズでなければまともに使いこなせないだろう。
 なお、兵器・銃器以外の製品も開発・製造しており、炊飯器からスマホの自撮り棒まで、よく見るとあなたの隣に静かに寄り添うKPAとなっている。
 一般人からは『なんかオタクが就職するところ』という認識をされている。刻陽学園では工廠科が存在し、このコースへの在籍はエスカレーター式のKPAの就職と同義でもあり、一部の市民からは就職先として根強い人気を誇る。くいっぱぐれないので。
 兵器オタク・銃オタクからは『けーぴーえー』『けーぱ』『かっぱ』『カッパのマーク』『国営クソ工廠』と呼ばれ親しまれているらしい。

地下実験区アガルタ

 K.Y.R.I.E.地下に作られた実験区画アガルタは、何層にも分れた巨大な自然公園状の空間である。
 内部は超小型人工太陽に照らされ、地上と同期した四季と昼夜を持つ。多くの研究棟が存在している。
 刻陽学園大学からの実習生受け入れも多い。

 各棟では変異体サヴェージの研究を始め、動植物の遺伝子保存ジーンバンクの役目を担う他、穀物野菜果物の栽培や、経済動物の飼育なども行っている。
 またK.Y.R.I.E.や刻陽学園の食堂へ、生鮮食品の提供も行っている。

 残念ながら2052年現在、確保出来ている種は、かつての地球上に存在した1%にも満たないとされる。
 また絶滅し、今や遺伝子の保存のみとなってしまった種も多い。
 だが希望の灯火は未だ絶えてはいない。ここから再び地球上に多様な種を復元させることを夢見て。少なくとも研究者達はそう信じ活動している。

地下実験区アガルタ

illust: キンイロアロワナ

K.Y.R.I.E.憲章

 K.Y.R.I.E.構成員は作戦従事するか否かに際して、自由決定権を持つ。
 K.Y.R.I.E.構成員が作戦への参加を決めた際には、その成功へ尽力せねばならない。
 K.Y.R.I.E.構成員は組織に著しい損害を与えてはならない。
 K.Y.R.I.E.構成員は同作戦行動内において、構成員同士の戦闘行為を禁ずる。

K.Y.R.I.E.制服

キリエ制服

キリエ制服詳細

illust: 里麻りも子

K.Y.R.I.E.の指定制服。
個々人の個性や戦闘方法などによって、自由にカスタマイズしている場合もある。