アーリーデイズ VII


 ――駄菓子屋『デス田中』。それは寂れた商店街の一角にある、ごく普通の駄菓子屋である。
「おお、いらっしゃい。ここは駄菓子屋デス田中だよ」
 ――というのは、ちょっと嘘だ。漆黒の鎧兜を装着したそのうえに真っ赤なエプロン姿という職務質問待ったなしの格好をした店主、田中 デスジェネラルr2p001443が店主と務める、一風変わった駄菓子屋なのである。
 扱う商品は駄菓子を始め模型や雑誌。そしてこれまた一風変わったカードゲームデス&マジック。
 今日もこの店には客がやってくる。
「こんにちは! カードとお菓子くーださい!」
 ふらっと店先にやってきたのは佐伯 めぐるr2p000806だ。
「はいよ。デス棒とデス&マジック」
 そう言って差し出したのは棒状の麩菓子とカードのパック。
「わーいありがとー!」
 お代と引き替えにそれらを受け取っためぐるは早速麩菓子をさくさくしながらカードパックを開いて見る。
 色鮮やかなカードが並び、格好良いイラストが踊る。
「あら、よさそうなカード引けたじゃない」
 後ろから覗き込んでくる少女の声。漣 瑠奈r2p001734だ。
 振り返り、めぐるは瑠奈にカードを見せる。
「そうなの?」
「多分ね。ま、私そんなに詳しくないんだけど」
 そう言って店主の顔(?)をチラリと見ると、田中はコホンと咳払いをしてからカードの解説を始めてくれた。
「それはデスリビングアーマーだな。相手にコストを要求するカードで――」
 専門的なワードが並ぶ説明を軽く聞き流しつつ駄菓子を物色する瑠奈。
 そこへふらりとヒュプリル・ヒュプノスr2p000012が顔を出した。
「ほわ、カードゲーム……? 綺麗な絵で、たのしそ~」
「買って見るかい?」
 見た目の割りに親切に問いかける田中に、ヒュプリルは口に指をあててうーんと考え込んだ。
「今日は別のがいいかな……」
「それなら、『アレ』はどう?」
 戸口から男性の声。振り返ってみると、そこには桑原 蜜樹r2p000191がリュックサックを背負って立っていた。
 どうやら今日も仕事の合間に遊びに来たらしい。
「アレって……もしかしてアレ?」
 駄菓子を手に取っていた瑠奈がハッとした様子で顔をあげれば、めぐるも胡乱な顔で振り返る。
「では、このデスラムネをどうぞ。たまにデスするから気をつけろ」
 そう言って店の奥から田中が出してきたのは少し大きな円形のラムネが入った箱だった。
「それもたのしそ~……。やってみる~」
 ヒュプリルは楽しそうに箱に手を伸ばした。
「一緒にやるかい?」
「それじゃあ……」
「ひとつだけ……」
 おそるおそる手を伸ばす瑠奈たち。
 蜜樹も一緒に手を伸ばし、みんなせーので口に入れた。
「――!?」
 目を白黒させ、口を覆う蜜樹。激烈な風味が口の中を暴れたらしい。
「デスったな……」
 静かに合掌する田中。
 ここは駄菓子屋デス田中。街の社交場である。


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