PBWとは?

 『PBWプレイ・バイ・ウェブ』という言葉を初めて聞いた時、あなたはきっと「つまりは一体何なんだ?」と怪訝な顔をしたことでしょう。
 『このゲームはウェブ上で遊ぶゲームです』という意味……世の中ウェブ上で遊べるゲームは多数存在しています。他とどう違うのか? と思われた事でしょう。

 ですので、ひとまずあなたは『PBW』という言葉を、とあるゲームジャンルを指す名前だとだけ思って頂ければ幸いです。
 もしあなたが『RPGロールプレイングゲーム』や『STGシューティングゲーム』などの言葉が何の略語かを知らなくても、何となく「ああ、ああいう感じのゲームのことだな」と感じる事ができれば大丈夫です。
 あるゲームを遊ぶ時、通常は「このゲームはどんなジャンルのゲームなのか?」なんてことは考えていないと思います。
 それは、本作『Lost Arcadiaロスト・アーカディア』――略称『ロスアカ』だって同じことなのです。

PBWとはどんなゲームなのか?

 語弊を恐れずに言うのであれば、PBWは、あなたが考えたキャラクターの『生きざま』を描くゲームです。
 キャラクターはゲーム世界に生まれ、様々な経験をして成長する。もしかしたら世界を変える業績を残すかもしれないし、逆に自分だけのささやかな幸せを手に入れるかもしれません。
 そんなあなたのキャラクターを、あなたはもう一人の自分だと思ってもいいし、あなたの愛すべき観察対象だと思ってもいい……そういう点では、PBWはRPGに似ていると感じます。

 PBWはRPGの一種です。
 もっともこの『RPG』というジャンル、それ自体を定義するのも簡単なことではありませんが……ひとまずここは、『人格や社会的立場を与えられたキャラクターを、プレイヤーが操作するゲーム』ということにしておきましょう。
 たとえば世界を救いたい英雄の卵、たとえば未知を探求する冒険者、たとえば元気いっぱいな旅の錬金術師、などなど――
 ロスアカでもあなたは自分が操作するためのキャラクターを作ります。そのキャラクターは必ず『能力者レイヴンズ』という立場を持つことになります。能力者とは何か、ということは今は詳しくは説明しませんが、早い話が『世界を救う能力を持った特別な人材』です。

 PBWがRPGの中でも独特なのは、そのキャラクターの操作法でしょう。
 通常、一般に『通じやすい』RPGのキャラクター操作方法といえば、コントローラーやマウスの動きを直接キャラクターに伝え、フィールド上を駆け巡らせることになります。
 一方で、PBWのゲーム画面には、動かすべきキャラクターの姿はおろか、フィールドマップさえもが存在しません。あるのは幾つかのウェブページと入力欄だけ。

何も表示されないRPG

 もしもあなたがTRPGテーブルトーク・ロールプレイングゲームを知っているのなら、こういった『何も表示されないRPG』の遊び方も知っているでしょう。RPGがコンピューター化される前の形式である『TRPG』では、自分で紙にイラストを描くまでキャラクターの姿が表示されることはありません。誰かがマップを作ってくれるまでフィールドが表示されることも。
 ですが、TRPGの場合はそれでも構いません。TRPGでキャラクターの行動を決めるのは、プレイヤー同士の口頭説明であるからです。「遠くに、凶暴なゴブリンの群れがいるのかい? じゃあ僕は物陰に隠れて、こっそりと弓を射掛けるよ」……と、こんな具合です。
 PBWの場合も似たようなものです。
 ロスアカのユーザー登録とキャラクター作成を終えてキャラクターにログインしたあなたは、幾つかの場所で発言ができるようになっています。そう、キャラクターを喋らせる事が出来る様になっている訳です。
 これが、PBWにおける『キャラクターの操作法』です。つまり、あなたは自分のキャラクターを文章で表現することで、別の誰かが同じように文章で表現する他のキャラクターとの交流を行なうことができるのです!

PBWとシナリオコンテンツ

 PBWは『ゲーム』です。今紹介したような、チャットや掲示板だけのウェブサイトではありません。
 PBWにおいて最も目玉となるコンテンツは『シナリオ』と言います。
 シナリオコンテンツとは、ロスアカの世界で生じうる様々な課題・事件への挑戦の事とでも称しましょうか――
 あなたのキャラクターはそのシナリオに参加して、同時に参加した何人かと一緒に提示された課題に取り組むことになります。
 課題を達成すればシナリオは成功で、達成できなければ失敗。そんな協力型のゲームです。

 シナリオに参加したキャラクターは、シナリオに対してアクションロールを掛ける事が出来ます。これを本作ロスアカでは『プレイング』と言います。
 キャラクターの考え、立ち位置、行動、指針等をプレイング内に記載して下さい。それがキャラクターの行動として、シナリオに反映されます。
 ただしプレイングは担当のGMゲームマスターと呼ばれるクリエイターによって「実際に行動が可能か」などが都度判断マスタリングされますので、プレイング内容が必ずしもそのまま100%反映されるとは限りません。

 プレイングはシナリオやキャラクターごとに様々異なる事でしょう。
 熱い思いを秘めたキャラクターは、確固たる決意と共に敵を打ち倒しにいくプレイングを掛けるかもしれません。
 苦しんでいる人を救うために行動するキャラクターは、人々の救済に心を砕くプレイングを掛けるかもしれません。
 方針は十人十色違って構いません。キャラクターにとって心情や能力はそれぞれのものなのですから。
 しかしプレイングは「依頼の成功」を目指してください。キャラクターの主義主張の違う依頼があれど、受諾した時点でその依頼の成功に尽力しなくてはならないという事です。成功に尽力した上でキャラクターらしい動きをとることは成功に相反しない限りは自由となります。

 そう。シナリオにおけるキャラクターの操作法も……やはり『文章』なのです。あなたは文章で仲間たちと相談し合い、何をするのかを文章で記述するのです。
 すると、結果もやはり文章で返ってきます。その際、課題自体にも成功か失敗かが定められはしますが、実際にあなたのキャラクターがどんな描写をされたかも重要でしょう。辛辣を舐めるような成功もあるし、逆に名誉ある失敗だってある。それらを振り返った時、あなたのキャラクターの人生にとってどんな糧になったのかは、単純な課題の成否だけでは求まりません。あなた自身が決めていいことなのです。

 そうやってシナリオ体験を積み重ねていったあなたのキャラクターは、段々と成長してゆくことでしょう。
 ですが、変化するのはキャラクターだけではありません。影響が積み重なって変わってゆくのは、あなたが働きかけた世界のほうだって同じです。
 あなたが強敵を倒したことで、邪悪な組織が尻尾を出すかもしれない。あなたが救った誰かのおかげで、世界に新しい発展がもたらされるかもしれない。
 それはあなたのキャラクターにとっても嬉しい結果になるだけでなく、きっとあなた自身にとっても誇らしい成果ではないでしょうか?

世界はオーダーメイド

 シナリオは全てオーダーメイドです。あなたとあなたの仲間が書いた文章を解釈して一つの物語として描き出す作業はコンピューターによる自動化ができず、ゲームマスターの手作業が必要になるからです。
 けれどもそれは、この文章があなたと仲間たちが参加したからこそその形になる、ある種のオーダーメイド小説が手に入るという意味でもあります。
 いくらPBWのメインコンテンツだからといってあなたが必ずシナリオを遊ばなければならないわけではないですが、もし気になったなら是非参加してみましょう。そこだけで得られる成果、体験、喜びもまたある事でしょう。
 PBWのシナリオは多種多様であり、ご自身のライフスタイルに合わせて、時に一日15分、時にがっつりと、ご自身が選んで遊ぶことが可能です。
 他の遊びと比較した場合、TRPGのみならず、カラオケ、ゲームセンター、スポーツ、飲み会――人と人とが交流しながら遊ぶ体験を楽しむには、連絡や場所取りなど様々な手間も発生します。PBWであれば、そういった心配はありません。更には、ある日は自宅でパソコンを使ってじっくりと、隙間時間ならスマートフォンを使って気軽に楽しめるPBWは、現代の生活スタイルにもマッチしています。

 オーダーメイドされるのはシナリオだけではありません。イラストも、ボイスも。あなただけのキャラクター、あなただけの主人公を彩るすべてが、唯一無二のものです。それはすべてたった一度だけの、完全にオリジナルな体験なのです。
 シナリオも、イラストも、ボイスも。クリエイターがプレイヤー一人一人の為に、人力で作り上げる完全なオリジナルのオーダーメイド作品です。

イラスト&ボイス

 さて、PBWのメインコンテンツはシナリオですが、PBWのコンテンツはキャラクター交流とシナリオだけではありません。
 以下に挙げるコンテンツは、どれもPBWらしいコンテンツです。いずれもあなたのキャラクターの生きざまを表現するために、きっと有益なものとなるでしょう。
 その一つが『イラスト』コンテンツ――あなたは自分のキャラクターのイラストの作成依頼を行う事が出来るのです。
 キャラクターの立ち絵である『全身図』、キャラクター発言の際に使える『アイコン』をはじめ、さまざまなイラストを登録イラストレーターに依頼することが可能です。
 これまたクリエイターによるオーダーメイドなので決して安い金額ではありませんが(そして同時にオーダーメイドのイラスト注文であると考えると、とてつもなくお得ではありますが!)、キャラクターにイラストをつけることができれば、そのキャラクターが一体どんな人物なのか、よりはっきりとするでしょう。他にも、何か印象に残る出来事があった時、記念としてピンナップイラストを作るような利用法もあります。
 またロスアカではキャラクターイラストの他にも、大切にしているアイテムや、キャラクターの関係者(家族だったり、仇敵だったり)などのイラストも作成できます。是非ともキャラクター表現の助けになると幸いです。

 更にあなたは、キャラクターのボイスをも作成することができます。それが『ボイス(サウンド)』コンテンツです!
 キャラクター自身の挨拶や自己紹介、決め台詞等などを、登録ボイスタクターに依頼できます。貴方のキャラクターに、貴方だけの声が付くという事です。
 自分のキャラクターに合う声を出せるボイスアクターがわからなければ、ボイスアクターを公募できる『EXリクエスト』機能も便利かもしれません。EXリクエストとは「こういうボイスが欲しい!」と言う要望を出せば、ボイスアクターの方から立候補してくれるのです!
 またロスアカのサウンドコンテンツには作曲家も在籍していますから、キャラクターのテーマミュージックも作れます。それにボイスアクターによる歌唱とのミックスも組み合わせると、キャラクターソングも作れるのです。
 EXリクエストはイラストでもサウンドでも可能なので、是非活用してみてください。

シェアードワールド

 この世界(ワールド)は、多数のプレイヤーやクリエイターによって共有シェアされています。
 あなたの冒険も、仲間の冒険も。全て本物で史実で唯一無二で地続きで公式設定だということです。
 そう聞くと難しく感じるかもしれませんが、そんな細かいことは無視しましょう。自然に遊べるようになっています。
 そして最高の感情移入、最高のウチの子という体験が約束されています。

すべてオリジナル

 自分だけのキャラクターを創造して遊ぶのは、楽しいものです。
 どんな見た目で、どんな声で、どんな性格なのか――いろいろなことを考えましょう。
 パーツを選択して組み合わせるのではなく、全てを唯一無二のオリジナルに出来ます。

 では戦う時の技能スキルなどはどうでしょう。
 他の一般的なゲーム――例えばファンタジーなどであれば――特有の攻撃スキルなんかもある事でしょう。
 ロスアカでも装備をゲーム世界の通貨で購入したり、スキルなどを選択して取得します。
 そんな時に、スキルの名前や動作が、キャラクターのイメージとマッチしなかったらどうでしょう。
 しかし本作ロスアカでは解釈違いに我慢する必要なんてありません。
 ロスアカでは、それらも全て『オリジナル』に変更出来ます。自分だけの装備やスキルを作る事が出来るのです!
 それらすべてが世界観へ自然にマッチするように、運営が全て一つ一つ責任をもってチェックします。

固定された選択肢なんてありはしない

 もしもあなたがRPGを遊んでいるとき、『選択に迫られた経験』はあるでしょうか?
 たとえば『戦うか、否か』『仲間にするか、否か』など。きっとあなたはコントローラーやマウスを握り、画面に表示された選択肢の『どれか』を選んだことでしょう。迷った選択肢は、ふたつか、みっつか。いずれにせよ『表示された』ものから『一つだけ』。
 しかし「どれも違うな……もっとこうするのに」なんて考えたことは、ないでしょうか?
 もしくは「ここで、こんな選択をしたくない」と悩んだことはないでしょうか?
 選択すら与えられず「そんな選択なんて、どれも選びたくないのに」「本当は、こんな風に言いたいのに!」なんて思ったことは?
 PBWでは『誰かに決められた選択肢を選ぶ必要』なんて『全くありません』。全ての答えは『あなた自身』が『自由に決める』のです。
 それらは、より『あなた自身の意思が尊重された自由な体験』となるでしょう。

 分かりやすく説明するために、まずは他のジャンルと比較してみましょう。
 例えば多くのコンシューマーRPGでは、誰かに話しかけた時には、相手は常に『お決まりの台詞』を喋ります。たとえば「この街へようこそ」「武器と防具はちゃんと装備するんだよ」なんて。それは主人公(あなた自身)さえも同じこと。「お前だけは絶対に許さない!」とか、熱い言葉には感情が高ぶるけれど、もしかすれば『あなた自身が本当に思った事』とは、少し違うかもしれませんね。
 MMORPGだったら、プレイヤーキャラクターならば唯一無二と言えます。主人公(あなた自身や周りの人達)みんなが別人で、みんなに個性がある――けれど、なんでもない村人は(それどころか王様やラスボスだって)、プレイヤーキャラクター以外の全ての人物は、やっぱり『お決まりの台詞』を話すに違いありません。全てのストーリーは、あらかじめ決められている、そういうモノです。比較対象は、ソーシャルゲームだってなんでも構いません。実際のところ、それらのゲームを遊ぶのは、とっても楽しいものです。沢山の喜びをくれます。
 けれどPBWならばどうでしょうか。プレイヤーキャラクターはもちろんのこと、ただの村人さえも、お決まりの台詞なんて決して喋りはしません。常に『その時』『その瞬間』に、あなたのキャラクター(あるいはあなた自身)に対して、唯一無二のストーリーが紡がれるです――なぜならば『すべてオーダーメイドだから』こそ。
 それに多くのゲームでは、プレイヤーは同じコンテンツを何度も周回するでしょう。けれどPBWに、そうした繰り返しは一切ありません。全てが唯一無二の体験となりえます。
 PBWのシナリオは、『常に』『全てに』『誰かの手が介在している』。それも『リアルタイム』に『ワールドをシェアしている』のです。あなたの一手『プレイング』が、世界に完全なオリジナルの影響を与えうる、と言えましょうか。
 イラストもボイスも同じです。全てが唯一無二であり、あなたのために存在しています。もちろんPBWにはプレイヤー同士の豊かな交流もあり、全ては何も考えなくても、自然にシェアされるものです。
 あえて繰り返しますが『難しく考える必要はありません』。まずは『ただ遊んでみましょう』
 自然と『そういうゲーム』なのですから!