キャラクターメイキング

 ロストアーカディアを遊ぶために必要なこと。
 それは何と言っても『自分のキャラクターを思い描くこと』です。
 ゲームのプレイヤーである『あなたの想像力』が、この世界でたった一人だけのキャラクターを生み出します。

 プレイヤーが作成するキャラクターを、『プレイヤーキャラクターPC』と呼びます。
 プレイヤーキャラクターはあなた自身にとっての『主人公』であり、人によっては『自身の分身』でもあったり、愛すべき『うちの子』だったりもします。
 最も大切なのは、あなたがゲームを楽しむことが出来るキャラクターを作成することです。

 プレイヤーキャラクターはゲーム的なデータの他に、外見や性別や性格など様々な情報を持っています。もちろん名前もです。
 ロストアーカディアでキャラクター作成を開始すると、様々な選択肢が現われます。
 それらを選んで、最後に名前を決めたらゲームスタートです。
 選んだだけでは物足りない場合には、後で色々と『特殊化』をすることも出来ます。

 まずは『どんなキャラクターを作りたいのか』を考えてみましょう。
 皆さんのキャラクターは『能力者レイヴンズ』と呼ばれる力を持った存在です。
 それは世界を救うかもしれない力であり――

 それではロスアカでのキャラクター作り『キャラクターメイキング』を一口だけ囓ってみましょう。

因子(ノイズ)

 因子ノイズというのは、キャラクターの外見的な特徴のことです。
 まず、あなたのキャラクターは『人間』でしょうか? それとも――

 ロストアーカディアのキャラクターは、人間同様の姿であっても、人間とは違う特徴を持っていても構いません。
 猫耳だったり、二足歩行の狼だったり、竜の角と尾があったり、妖精のような長く尖った耳だったり、などなど。
 こうした特徴をグループ分けしたものが『因子ノイズ』なのです。
 また人間同様であっても桃色や水色の髪など、ゲームやアニメに見られる特徴を自然に持つことが出来ます。これは因子には含まれません。自由に決めることが出来ます。

共通因子(プライマルノイズ)

 ロストアーカディアの能力者は、自由に翼を持つことが出来ます。
 天使や悪魔や妖精のような、あるいはエネルギーのような――翼の形も色も自由で構いません。
 もちろん翼を持たないという選択肢も自由です。

因子の種類

  • 起源因子(オリジン) 人間同様の姿をしています。
  • 獣鬼因子(ビーステッド) 耳や尾、角など獣の要素が含まれます。
  • 花彩因子(ユグドラシル) 花や木など、植物の要素が含まれます。
  • 水王因子(ワダツミ) ヒレや鱗など、水棲生物の要素が含まれます。
  • 機鋼因子(スチールプライド) 機械や宝石など、無機物的な要素が含まれます。
  • 覇竜因子(ドラグネイト) 角や鱗や尾など、竜の要素が含まれます。
  • 幻想因子(アルヴィオン) 長く尖った耳の、妖精の因子が含まれます。
  • 因子逸脱(アウトキャスト) 既存の特徴に収まらない因子です。なんと自分自身で特徴を作成します。

 ロストアーカディアの世界では、誰もが『人間としての姿』を一つ持つことが出来ます。
 人間としての姿オリジンだけでも構いませんし、それ以外の姿をもう一つ別に持っても構いません。

能力起源(ルーツ)

 あなたのキャラクターは超常的な戦闘能力を持つ能力者レイヴンズですが、その能力の起源ルーツは様々です。

堕天使(ヴァニタス)

 2024年4月、世界を滅びへ導く先兵『天使イレイサー』が出現しました。
 そして人々を天使に変える天使症候群も発生します。
 堕天使ヴァニタスは天使症候群を発症し、天使になりかけてしまった存在です。
 しかし天使の力を持ちながらも、その超常的な力は世界を救える掛け替えのないものでもあり――
 定められた破滅と絶望への反逆者、それが堕天使です。

特異点(イレギュラー)

 この世界には、これまでも天使と戦いうる力を持った者達が、人知れず潜んでいました。
 魔女、一子相伝の武術家、破魔の巫女、超能力者、魔法少女、闇に紛れて孤独に戦っていたスーパーヒーロー、人のまま人として技巧の限りを極めた暗殺者、なぜかすごく強い船上の料理人、等々。
 かつて力を隠していた者達ですが、今や神秘が当たり前となった世界では隠す必要もありません。
 その力を存分に発揮して、戦いに挑むことが出来るのです。

悪魔(オルフェウス)

 異世界からの来訪者です。
 その世界は、既に天使によって滅ぼされてしまっていることもあります。
 あるいはこの世界にやってきて天使を食い止めなければ、いずれ自分の世界も危ういという危機感があるかもしれません。
 どんな世界からやってきたのか、世界はどんな状態なのか、それはあなたが自由に決めて良いのです。
 もちろん友達とシェアしても構いません。実は因子の『因子逸脱アウトキャスト』は、他のプレイヤー全員へと任意にシェアすることも出来ます。

世代(ジェネレーション)

 ロストアーカディアは、2024年に滅びてしまった世界の約30年後――2052年を舞台としています。
 そしてプレイヤーキャラクターは三つの世代を選ぶことが出来ます。

跳躍者(フレッシュ)

 2024年、世界が滅んでしまう際に発生した『座標消失ロスト・コード』に巻き込まれ、タイムリープした者達です。
 そのままの年齢で、ゲーム本編の舞台となる2052年に出現します。
 世界滅亡という衝撃的な体験を、鮮烈フレッシュな記憶のまま、冒険へ挑みます。

旧世代(ヴェテラン)

 2024年から、ゲーム内の現在2052年まで。
 世界が滅んでしまってから、ずっと戦い続けてきた歴戦ヴェテランの者達です。
 未だ世界が平和だった頃を知りながらも、現在の絶望と戦い続けているのです。

新世代(ロストエイジ)

 世界が滅んでしまった後に産まれた者達です。
 平和も日常も――産まれながらにして時代を喪失ロストエイジしています。
 幼いころからずっとずっと、武器を手に戦い続けることが当たり前となっている世代です。

容姿

 思い描いたキャラクターは女性でしょうか、男性でしょうか、それともそれ以外でしょうか。
 体格は小柄でしょうか、大柄でしょうか。
 背の高さはどのぐらいでしょうか。
 髪の色や目の色はどうでしょう。
 ここでは様々な選択肢の中から、思い描いた特徴に当てはまるものを選択していきます。

経歴

 あなたのキャラクターは、これまでどのような人生を過ごしてきたのか。
 ちょっとした選択肢の中から、選ぶことが出来ます。

不思議な選択肢

 属性、罪と罰、それから不思議な紋章を選ぶことが出来ます。
 どれもこれも、少し謎めいて見えます。
 そういう選択に出会ったなら、直感的に好きな物や、キャラクターに似合いそうなものを選択してみましょう。

紋章

illust: pokira

名前

 キャラクターの設定が固まってきたでしょうか。
 そうしたら、最後に名前をつけてみましょう。
 ゲームとなる舞台となる2024年のマシロ市は、かつて横浜市と呼ばれていました。
 ですから日本人風の名前は、自然にあるでしょう。
 ゲーム世界の主人公達の名前ですから、とてもかっこいい名字だったり、かわいらしい名前だったりするかもしれません。
 海外出身のキャラクターなら、その国らしい名前だったりもするでしょう。
 異世界出身のキャラクターならば、ファンタジーのような名前だったりするかもしれません。
 名前もまた、最も大切な個性の一つです。
 長く付き合う、愛すべきキャラクターの名前を考えてみましょう。

キャラクター設定

 キャラクターの登録が終わると『キャラクターシート』というものが出来上がっています。
 しかしキャラクターのメイキングは、まだ終わりではありません。

 キャラクターシートには、名前や因子といった設定や、強さなどを表すステータスが記載されています。
 そしてキャラクターのしゃべり方、特徴、プロフィールなどを選んだり、書いたりすることが出来ます。
 キャラクターのイラストが完成すればイラストを掲載出来ますし、ボイスが完成すれば音声で喋らせることも出来ます。
 スキルを取得すればセット出来ますし、装備を手に入れれば着用することも出来ますし、『特殊化』などでカスタマイズすることも出来ます。
 他にもキャラクター唯一無二となる『ネクスト』という能力や、数値割り振り型のオリジナルスキルなどなど。
 詳細は他項『ビルドとバトル』や『ロールプレイ』に譲りますが、ロスアカのキャラクターメイキングは文字通りの無限大です。

 しかしここではまず、キャラクターの設定をどうするかを考えてみましょう。
 キャラクターはどこで産まれ、どんな風に育ち、今はどんな生活をしているのでしょうか。
 若ければ刻陽学園に通っているかもしれません。大人であれば、何かのお店を開いていることもあるでしょうか。それともK.Y.R.I.E.で働きづめだったり……。
 どんな家に住んでいるのか、どんな家族構成か、好物だったり苦手だったりする食べ物は何でしょうか。好きな本は、ゲームのジャンルは、休日の服装はどうでしょう。
 それから戦い方のイメージは。イラストと装備が違うから、『特殊化』してイラストに合わせたりだとか――
 考えれば考えるほどきりがない! しかもこれだけでも、ものすごく楽しい遊びだったりします。これもロスアカの醍醐味です。

 プロフィールはプレイヤーが自由に設定を書き記すことが出来ますが、もしかすると世界観や設定と違っていたりする可能性もあります。
 実際には違っていても、あまり問題はありません。
 シナリオなどを遊ぶ際には、ゲームマスターやノベルマスターなどのライターが行い運営が承認するマスタリングという作業によって、矛盾しないように上手く隠したり調整してもらえます。
 しかし世界観や設定に沿ったものであるという『お墨付き』が欲しい場合には、『設定公認』を受けることが出来ます。
 設定公認を申請すると、運営が責任をもって設定をチェックします。そして違っている場合には、説明や提案などを受けることが出来ます。

 じつは実際に遊んでみると、キャラクターのメイキングには
 レベルアップやスキル取得、戦闘データの割り振り、それから冒険の結果を受けて絶え間なく変化しつづける心情や生き方などなど。
 それにロスアカでは一年が経過すると、キャラクターも同じだけの年月を過ごします。誕生日が来るたびに、年齢も変わっていくのです。
 これらはずっと終わることのない楽しみでもあるのですが、まだまだ先の話ですから、ひとまず置いておきます。

 こうしてキャラクターの設定を考えていると、キャラクターシートだけでは書き切れなくなってしまうこともあるでしょう。
 それらは『ノート』という場所に、たくさん書きためていくことも出来ます。
 ノートは他のプレイヤーへ公開出来ますし、こっそり秘密にしておくことも出来ます。
 日記を書いたりするのも、楽しそうです。

ノンプレイヤーキャラクター

 プレイヤーキャラクター以外のキャラクターを、『ノンプレイヤーキャラクターNPC』と呼びます。
 マシロ市のカフェに居る店員さんも、マシロ市の外をうろつく恐ろしい怪物も、救うべき被害者も、プレイヤーキャラクター以外の登場人物は全て『ノンプレイヤーキャラクター』です。
 なんでもない存在であったり、シナリオの解説役であったり、おそろしい敵であったり、息の合う味方であったり、どっちつかずの怪しい存在であったりするかもしれません。
 ロスアカはゲームなので、倒すべき強大なボスのような、特別な敵が居ることもあります。
 そうした味方や敵などの中には、キャラクターシートを持っている場合もあります。
 ノンプレイヤーキャラクターは、プレイヤーキャラクターの活躍を彩る舞台装置であり、様々な楽しい遊びが出来る要素の一つでもあります。
 仲間と友情を結ぶ時、凶悪な敵と何度も剣を交えて倒す時――あなたはノンプレイヤーキャラクターとも、こうした様々な交流を楽しむことが出来ます。

 プレイヤーキャラクターはシナリオなどの中で、ノンプレイヤーキャラクターと特別な関係を結ぶことがあるかもしれません。
 恐るべき敵と戦う中で宿命のライバルになったり、仲間のノンプレイヤーキャラクターと友情を育んでいったりなどです。
 プレイヤーキャラクターが様々な経験によって成長などの変化をとげますが、似たことがノンプレイヤーキャラクターにも起ることがあります。
 倒された悪人は死亡するかもしれませんし、仲間になったノンプレイヤーキャラクターとは親友になるかもしれません。もしかしたら様々な時を共に過ごして恋人となったり、終生のパートナーとなるかもしれません。
 こうした交流や変化も、ロスアカの醍醐味の一つです。

 他のプレイヤーキャラクターと交流するのはとても楽しい、かけがえのない経験になります。
 しかし人付き合いに慣れて居ないとか、別のプレイヤーキャラクターで気分を変えたいとか、あるいは交流自体が苦手だとか。
 そんな時には、シナリオ中や、あるいは『SS』や『文通』などの機能を利用して、気の合いそうなノンプレイヤーキャラクターを見つけて頼ってみましょう。
 上手く行けば、きっと遊び相手になってくれるはずです。

キャラクターの周辺事情

 キャラクターの設定を考えていると、兄弟や両親、宿命のライバルなどが思いつくこともあるかもしれません。
 そんな時には、もう一人のプレイヤーキャラクターを作成してもいいでしょう。
 ロスアカでは何人でもプレイヤーキャラクターを作成することが出来ます。

 しかし思いついたキャラクターが『敵』だったならどうでしょう。
 あるいは戦う能力を持たない肉親や友人だった場合なら――
 戦う能力がある仲間でも、あえて自分自身がプレイしたいキャラクターではない場合もあるかもしれません。
 そういったキャラクターが欲しいと思った場合には、『関係者』というシステムがあります。

 関係者キャラクターは、プレイヤーキャラクターに紐付いた存在です。
 キャラクターシートを持ち、イラストや設定などを持つことが出来ます。
 関係者は、プレイヤーキャラクターではないキャラクター『ノンプレイヤーキャラクター』の一種です。

キャラクター作成例

 ここではセイというプレイヤーが、一人のプレイヤーキャラクターを作成する過程を例にあげます。

ステップ1『外見のイメージ』

 セイは刻陽学園の中等部に通う、笑顔が可愛い少女を思い浮かべました。
 学生寮から刻陽学園に通い、荒廃した世界にも関わらずきらきらな学園生活を送らせたいと考えました。しかし危険な戦いと隣り合わせの――

 外見のイメージで重要なのは因子ノイズの選択です。
 ここでは人間そのものか、あるいはそれ以外の要素を持たせたいかなどを考えます。
 セイは少女に猫耳を付けようと思いましたが、選択を見ているうちにお花の因子ノイズが気になってきました。
 そこでセイは少女に可愛いお花の要素を持たせたいと考え『花彩因子ユグドラシル』を選択します。
 あとでクリエイターに、可愛いお花のようなイラストやボイスをリクエストしたいと考えたからです。
 クリエイターへのリクエストというのは、ここでは他項『クリエイターコンテンツ』へ譲ります。
 とにかくセイは、お花をモチーフにした、可愛らしい少女をキャラクターにしようと思い描きました。

ステップ2『能力のイメージ』

 セイは悩みました。そして普段は普通の可愛らしい少女。戦闘する際には白い翼と天冠を出現させることが出来ることをイメージしました。
 少女は小柄だけれど、何かとても大きな武器で戦うという想像をしました。しかし装備などはキャラクターを作成してから手に入れるものなので、ここではひとまず頭の外に避けておきます。

 セイは能力起源ルーツという項目を眺めながら、なんとなく一番上にあった堕天使ヴァニタスを選択してみました。
 他の選択でも翼は持てます。天冠があるのは堕天使ですが、他の選択を選んでどうしても付けたい場合は因子逸脱アウトキャストを選べば、自分で考えることが出来ます。
 セイは他の項目を何度か選択しながら少し悩んで、やはり堕天使を選びました。

 それぞれの選択肢には上昇する能力が表示されていますが、セイは数値よりもイメージを優先して、あまり気にせずに選択していきました。ロールプレイングゲームを遊ぶ時に、ステータスの数値は重要な意味を持ちます。それはロスアカでも同じこと。けれどセイはRe:versionのゲームを良く知っていました。あとでいくらでも好みの数値やイメージにカスタマイズ出来るのです。

ステップ3『世代のイメージ』

 セイは中等部所属のキャラクターを作ろうと考えています。
 時間跳躍するか、それとも滅びた世界に生れたのか。
 設定を少しひねれば異世界からの来訪者や、中等部には所属するけれど年齢不詳のキャラクターも作れそうです。ヴァニタスになった時に、見た目の年齢が変わってしまうなどの設定も思いつきます。

 セイは色々と結構悩みましたが、この世界の『当たり前』の生活を送るイメージをしてみました。
 この少女はポストアポカリプスの世界を、当然のように生きる存在だと考えてみました。
 だから終わってしまった世界に産まれた者――ロストエイジを選択します。
 年齢は2052年のゲーム本編開始時点で13歳としました。

 ロスアカではゲーム開始から本編開始となるまでに、ゲーム内の時間が何十年も経過します。
 年齢の計算は複雑なので、システムが自動的に計算して、フォローしてくれます。
 この少女はロストエイジなので、2024年にはまだ産まれていませんが、これもシステムが自然にフォローしてくれます。

ステップ4『その他のイメージ』

 セイは可愛らしい少女を思い浮かべていました。
 そこで女性、小柄、華奢、といった項目を選択していきます。
 経歴なども、なんとなくそれらしいものを選んでみました。
 他にも不思議な紋章などの変わった選択肢がありましたが、直感でキャラクターに似合いそうな物を選択しました。

ステップ5『名前のイメージ』

 ゲーム世界のキャラクターなので、セイは名前に悩みました。
 そして花祀 あまね(はなまつり あまね)という名を思いつき、入力しました。
 なんとなく可愛いゲームキャラクターらしい名前になったように思います。

 こうして全ての項目を埋め終わったセイは、キャラクターの登録ボタンを押しました。
 世界にただ一人の、オリジナルキャラクターが誕生したのです。

 実のところ、セイは花彩因子ユグドラシルの花を、どこに咲かせようかということをすっかり忘れていました。
 しかしイラストをリクエストする際に考えればよいことなので、気にしないことにしました。
 そしてセイは、生まれたばかりのキャラクターである『あまね』の、より細かな設定を考え始めたのでした。