戦闘マニュアル

『Lost Arcadia』にはPBWでは珍しいと言っても良いかも知れない位に明確な戦闘ルールが存在しています。
 戦闘ルールは実際のシナリオ等で戦闘面の結果判定を導き出す場合に使用される為、プレイングを作成する際に重要な情報となります。(シナリオについてはプレイングの加味要素も大きい為、ルールはとても重要ではありますがそれが全てにはなりません)
 本稿ではそんな戦闘ルールに関して詳細に解説していきます。

基礎用語説明

ロール

サイコロを振ることです。xd(dice)△で、x個の△面体のサイコロを振るイメージです。この場合のサイコロは乱数の発生を行わせる、という意味合いになります。Lost Arcadiaの判定は基本的に1d100(1~100)で解決されます。

補正

上記ロール(1d100)にキャラクターの持つ固定値を足す事です。それぞれの判定により、補正用の固定値は異なります。基本的には補正値が高い=確率が上がる=強いですが、中にはファンブル値のように『低い方が良いもの』もあります。

対抗

勝負です。二人以上のキャラクター等が振り合いを行い、優劣を決める事です。

クリティカル・ファンブル

自動成功と自動失敗の事。効果は局面により多少異なりますが、算出式は常に同じで、以下の場合に発生となります。
クリティカル:1d100≧100-クリティカル値
ファンブル:1d100≦ファンブル値
つまりクリティカル値が1、ファンブル値が10のキャラクターの場合、1d100で99か100をロールすればクリティカルが発生し、10以下をロールした場合、ファンブルが発生する事になります。クリティカルとファンブルの条件を同時に満たした場合はファンブルを優先します。(クリティカルの効果は消滅します)

バッドステータス

BS。良くない状態異常の事。対象を一時的に弱体化させたり、行動に制限を加えたり、ダメージを与えたりする状況です。詳しくは後述いたしますが、基本的には回復スキル等が成功するか、三回目の『BS自然回復判定』を迎えると自動的に消滅します。

ステータスについて

各ステータスを解説します。

主要ステータス

  • P(Pysical):フィジカル。身体の強さ。主に攻撃力、HP、回避力等に影響を与える。
  • M(Mental):メンタル。心の強さ。知性等。主に攻撃力、AP、命中力に影響を与える。
  • T(Technic):テクニック。スピード、技量関連。主に命中力、回避力、クリティカル率に影響を与える。
  • C(Capacity):キャパシティ。超常的能力を発現する為の許容値。主にHPとAPに変換される。発現可能スキルの上限を定める。

副ステータス

  • HP:ヒットポイント。耐久性。高い方が良い。
  • AP:アーツポイント。技を使うなら必須。
  • 主攻撃力:常時使用されるメイン攻撃力。
  • 副攻撃力:クリティカルやハードヒット時に大きく有効になるサブ攻撃力。
  • 回復力:回復する支援能力。治癒スキルの回復量に直接加算出来る。
  • 命中:攻撃が当たるかどうかに重要。ダメージアップ効果もある。
  • 回避:攻撃を避けられるかどうかに重要。ダメージ軽減効果もある。
  • 防御技術:ダメージを軽減出来る可能性に関わる。
  • 特殊抵抗:BSに対しての抵抗力を表す。
  • 速度:行動順と行動回数に影響する。
  • 機動力:移動力に影響する。
  • クリティカル:特別な成功を起こす可能性に関わる。
  • ファンブル:致命的失敗の起きやすさを示す。
  • ドラマ:土俵際での粘り強さを示す。更に粘る程にパワーアップもする。

戦闘の流れ

 本作の戦闘は原則TRPGルール(戦闘処理の数式ルール)で処理されます。
 判定順等、基本的な1ターンの流れは以下となります。

  • 1、BS判定フェーズ
     ターンの開始時、ダメージバッドステータスの処理とバッドステータスの自然回復判定を行います。
     ダメージを受けるバッドステータスを保有している場合、そのダメージはこのタイミングで処理されます。
     自然回復判定を『呪い』を受けていない状態で3回経過した場合、そのバッドステータスは消滅しますが、自然回復判定はダメージ処理の後となります。

  • 2、速度決定フェーズ
     行動順と該当ターンの速度ゲージの決定です。場に存在する全員が速度パラメータを補正値とした2d100(100面体ダイスを2個振る事を言います!)対抗ロールを行います。
     例えば速度値が50のキャラクターが43と52の出目を出した場合、50+43+52でそのキャラクターのこのターンの速度は『145』になります。
     この時に求められた速度値の内、最も高い数字が『そのターンの速度ゲージ』として採用されます。
     キャラクターはこうして決まった速度値の一番高いキャラクターから順に行動します。

  • 3、行動フェーズ
     キャラクターは速度順での手番が回って来た時点で任意の行動値を消費し、能動行動を取る事が出来ます。
     仮に速度値が200のキャラクターAと145のキャラクターBが居た場合、Aが行動した後にBは行動可能です。
     キャラクターの行動値の消費は以下の形となります。

能動行動表

  • 待機(次の行動タイミングで行動する):0
  • 非戦闘行動(即座に実施可能な軽行動):20
  • 移動(最大で機動力値分の移動が行えます。機動力1につき10メートル):20
  • 攻撃集中(そのターンが終了するまでの間、以後の判定に命中+15の補正を得ます):30
  • 防御集中(そのターンが終了するまでの間、以後の判定に回避+5、防御技術+10、特殊抵抗+10の補正を得ます):30
  • 通常攻撃(基本的なステータスで補正なしの攻撃を行います):40
  • 『溜』状態のチャージ(溜Xスキルの発動カウントを進めます):40
  • ブロック(至近距離(レンジ0以下の正面)に存在する対象について、そのターン終了時まで後退以外の移動を禁止します。但し自分が戦闘不能になった場合は解除されます):40
  • 庇う(至近距離(レンジ0以内)に存在する対象が外部から与えられるダメージを肩代わりします):40
  • アクティブスキル:使用スキル毎に設定された行動値を消費する。
  • 移動+通常攻撃:60
  • 移動+アクティブスキル:20+使用スキル毎に設定された行動値を消費する。
  • 速度を持ち越す:0(半減無し。残量は翌ターンの補正となる。但し持ち越せる最大値は自身の速度補正値まで)
  • その他記載外:GMによる任意判断で決定する。

 上記を基準にし、例えばBが行動消費値40の行動を取った時、残存速度値は最初に145-40を差し引き105と求めます。
 本作のルールでは現有速度値から行動消費値を差し引いた後、更にその速度を半減して次の行動に備える為、105を2で割ります。
 従って、次の手番での自キャラの速度値は(145-40)/2(端数切捨)で52。次は52の速度値のタイミングで行動出来る……という訳です。
 速度値200のキャラクターAが同様の行動を取った場合、(200-40)/2=80なので、速度値145のキャラクターBより遅い為、行動順はこうなります。

  • 1、速度値200のキャラクターA
  • 2、速度値145のキャラクターB
  • 3、速度値80のキャラクターA(2回目の行動)
  • 4、速度値52のキャラクターB(2回目の行動)

 尚、Aが2回目の行動でも同様の行動を取った場合、(現速度値80-40)/2=20となります。
 この場合、Aは3回目の行動では行動消費値21を上回る行動は行えません。
 この時、Aは『速度を持ち越す』状態となり、AはAの速度補正値(ステータスシートのもの)を上限に次のターンに余らせた速度補正を持ち越す事が可能です。
 この場合、Aは次のターンに自分の本来の速度補正値に加え、持ち越した速度補正値20を加えて速度決定フェーズの判定を行う事が可能です。
 又、速度が持ち越される場合は半減措置は行いません。(持ち越す以外の全ての状況で、例えば待機であっても半減は行われます)
 ターンは全てのキャラクターが行動不能になるか(速度を持ち越すか)、速度ゲージが0に到達した時点で終了し、ターンの流れは1に戻ります。

速度の詳細ルール

 速度判定は全てのキャラクターがターン開始時に一括で行う。
 その時のロールは速度値(キャラ固定値)+2d100で決定され、両者を加算した数値がそのターンの速度値となる。
 速度ゲージは可変式である。一ターンの進行はターンの速度値の高いキャラクター順に行動し、速度ゲージを全て使い切った時点でそのターンを終了となる。
 キャラクターは各回の行動の前、ターン速度値に対して選択した行動による速度消耗値を自身の現在速度から引き、その後の現有速度値を/2する。行動後、速度ゲージの進行に従い、現有する速度値のタイミングで追加行動を行えるが、行動による速度消耗値が現有する速度値を上回る場合(つまり差し引きマイナスになる場合)、行動は成立せず残存速度値を次のターンに持ち越しターン行動を終了する。(例えば速度値を50残してターンを終了した場合は次のターンの速度補正値に+50を得る形になる)
 つまり、上述の状況において速度200のキャラクター(速度ゲージは200であるとする)は最初に行動し、仮に行動の速度消耗値が50であった時、(200-50)/2=75の速度を保有してゲージを進行する。二度目の行動タイミングは速度ゲージ75のタイミングであり、この現有速度75に対して、再度前回と同じ行動を取った場合、(75-50)/2=12.5(切り捨て12)の速度値を残し、速度ゲージ12のタイミングで三度手番を得るが、この時キャラクターは速度消耗値が12を上回る行動は行えない為、速度消耗値12以下の行動を選ぶか、ターンを終了する事を選ぶ事になる。(ターン終了を選んだ場合は次のターンに+12の速度補正値を持ち越す事が可能である)
 又、行動を行えるキャラクターが居なくなった時、速度ゲージは0になったと取り扱う。

Q:要するにどういうことか?
A:速度一杯積んで軽い行動をすると早く何度も動きやすい。ダイス目にかなり左右されます。


Q:全然分かりません
A:難しい計算はLost Arcadiaが行ってくれるので心配しないで大丈夫です。沢山動きたければ速度を上げましょう。(半減ルールがある為、特化より程々が効率良いです)


Q:特化してもいい?
A:しても良いですが効率は悪いです(2回目)


Q:それでも沢山動きたいです。
A:汝、為したいように為すと良いですよ。速度を上げよう。

戦闘判定

 ここからは具体的な戦闘判定の処理の仕方に触れています。
 キャラクターの行動や、攻撃射程、攻撃の成否、防御判定、BS関連等、ルールは多岐となりますが、把握する事で強いメイキングやプレイングをかける助けにもなりますので、ご確認下さいます事で、本作をより楽しめる部分となっております。

1、レンジ・ルール

 本作では攻撃を行う際の有効射程が設定されています。
 主にスキル毎に設定された得意レンジ(至近、近接、中距離、遠距離、超遠距離)に応じて数値補正が加わるシステムとなっています。
 得意レンジはマイナス補正を受けませんが、苦手レンジにおいては攻撃自体が行えないか、マイナス補正を受けるという形になっており、スキル等が『万能』能力を持つ場合以外は、この基本法則に従います。
 又、至近~超遠距離をそれぞれレンジ0~4とする数値設定がされており、これは機動力と等価であり、有効攻撃距離となります。(レンジ0の至近は3メートル以内、レンジ1の近接は10M以内。レンジ2の中距離は20M圏内の敵に攻撃を行う事が出来ますが、補正は距離に応じる……という具合です)
 近接レンジの攻撃方法は威力命中に優れ、マイナス補正を持たないが肉薄する必要があり、中距離レンジの攻撃方法は近接と距離戦を並立するが多少攻撃威力は譲り、遠距離、超遠距離は更なる射程を持つが近接戦が行えない等の欠点がある仕組みとなっています。
 ただし例外として『治癒』属性を持つスキルはレンジによる効果増減の影響を受けません。
 各レンジをまとめた表は以下です。

レンジ表

レンジ/補正至近近接中距離遠距離超遠距離
至近(R0)3m命中+10××××
近接(R1)10m命中+7命中+7×××
中距離(R2)20m命中+5命中+5命中+10××
遠距離(R3)30m命中-10命中-10命中+5命中+5×
超遠距離(R4)40m××命中-10命中+5命中+5
  • ※自範スキルには至近レンジと、自域スキルには近接レンジと同様の補正が掛かります。
  • ※【万能】効果がついた場合、限界射程の補正値がすべての場合に適用されます。 (例:超【万能】で中距離に攻撃した場合命中+5)

 攻撃は射程距離に当たる距離レンジに加え、有効範囲を示す範囲レンジを持ちます。
 範囲レンジは下記の表の通りとなります。

範囲表

名称表記効果・範囲
ランダム単体対象。射程範囲内にある対象一体をランダムで選び、効果を及ぼします。
自身単体対象。自分を対象とし、効果を及ぼします(自範・自域は自分を起点とする範囲・広域)。
単体単体対象。射程範囲内にある対象一体に効果を及ぼします。
範囲範囲対象。射程範囲内にある一点を起点とする、半径5メートル以内の全ての対象に効果を及ぼします。
広域範囲対象。射程範囲内にある一点を起点とする、半径10メートル以内の全ての対象に効果を及ぼします。
貫通範囲対象。自分を起点として射程と同じ長さまで届く直線上の、全ての対象に効果を及ぼします。
範囲対象。自分を起点とし、射程と同じ長さだけ進んだ先では射程と同じだけの直径に広がる円錐形内の、全ての対象に効果を及ぼします。
範囲対象。射程範囲内にある一点を起点とする、横に射程と同じだけの幅に広がる直線上の、全ての対象に効果を及ぼします。
特殊レンジ特レ特殊対象。付与の場合は同席する仲間全体(10人以下まで)

 スキル等の表記は例えばレンジ至近(0)、単体対象であった場合、『至単』と表記されます。この場合、このスキルは『レンジ0(至近距離~3メートル)の射程を持つ攻撃を単体にする技。攻撃可能な場合は、レンジルールとして更に命中+10の補正を受けられる』という事になります。

ポイント

  • 範囲攻撃は起点に選択したレンジ対象にしか打ち込めません。(例として【X超域】のスキルはあくまでレンジ4であり、実質5になるわけではありません。また、敵味方が密着している状態で敵だけを収めるように端の方を基点にすることもできません)
  • 範囲攻撃・範囲回復は敵味方問わず効果を及ぼします。ただし、至範至域の場合自分自身を攻撃対象から除外します。(敵味方を識別できる【識別】というスキル能力が別に存在しています)
  • 攻撃座標が明確に認識できていない場合、範囲攻撃であっても基点に設定できません。(例えば障害物が沢山あって対象が見えない時や、逆に目が塞がれているなどの状況で『大体このへん』といった撃ち方はできなくなります)
  • 『貫通』スキルのレンジ補正は選択したレンジ対象に依存します。(例えば【X中貫】スキルを至レンジで撃った場合補正ゼロとなり中レンジで撃ったなら+5となります)
  • 『貫通』スキルは状況によっては『かばう』対象を無視できることがあります。 (例えば幅50センチの通路で真後ろにしか庇えない場合、さらに後ろや前方の味方はかばえないことになります。自然に考えられる状況をGM判定は優先します)

2、攻防判定

 この項目では戦闘判定の主要部となる命中と回避、ダメージ処理等のルールを解説します。

★命中回避判定

命中判定は攻撃者の命中補正値+1d100と防御者の回避補正値+1d100による対抗ロールで判定されます。
命中補正値+1d100に対して回避補正値+1d100が同値以上となった場合、攻撃は回避成功となりますが、逆に命中補正値+1D100が回避補正値+1D100を1以上上回った場合、攻撃は命中した事になり、命中度判定へと移行します。
命中回避判定は、クリティカル・ファンブルの影響を受けます。詳細は以下となります。
攻撃側がクリティカルを発生させた場合、命中回避補正値を加えた数の大小に関わらず攻撃は絶対命中の上、クリティカルダメージ(後述)を与える事が出来ます。(この場合でも命中度判定は行います)
防御側がクリティカルを発生させた場合、絶対回避が発生し、回避は自動成功となります。攻撃、防御側双方がクリティカルを発生させた場合、防御側の完全回避を優先します。
攻撃側の命中判定でファンブルが発生した場合、攻撃側は攻撃の自動失敗となります。
防御側の回避判定でファンブルが発生した場合、回避は自動失敗し、命中度判定へ移行します。更に防御側は防御技術判定を行えません。

★命中度判定

 攻撃側が命中した場合、先に求めた命中補正値+1d100(命中最終値)から回避補正値+1d100(回避最終値)を引いた値は1以上である筈です。
 残ったこの数字が命中度判定における命中度補正値となり、これに1d100を加算したものが最終的な命中値となります。(クリティカルによる絶対命中の影響で命中補正値がマイナスになっている場合は、マイナスの補正を入れて命中補正度を求める事となります)
 なおクリティカル命中の場合は最低でもライトヒット命中ダメージ補正が発生します(グレイズヒット以下の結果の場合、ライトヒットダメージ補正として計算されます)

 例えば、命中50を持つ攻撃者Aさんが1d100で72をロールした場合、命中最終値は122となります。回避側の最終値が100だった場合、Aさんは22の命中度補正値を得て、もう一度1d100をロールします。この時1d100の結果が50だった時、Aさんの命中度は『22+50=72』となります。
 命中度補正値+1d100における命中度は以下の通りに処理されます。

命中度反映表

命中度名称効果
~0完全回避ダメージなし
1~49グレイズヒットダメージ=主攻撃力×(15+命中度判定ダイス/4)%(端数切捨)、BS抵抗補正=50
50~99ライトヒットダメージ=主攻撃力×(30+命中度判定ダイス/2)%(端数切捨)、BS抵抗補正=25
100~149クリーンヒットダメージ=(主攻撃力+副攻撃力)×100%、BS抵抗値補正=0、ドラマ判定-10
150~199ハードヒットダメージ=主攻撃力×(100%+(命中度判定ダイス/2)%(端数切捨))+副攻撃力×(100%+(命中度判定ダイス/2)%(防御無視))、BS抵抗値補正=-25、ドラマ判定-20
200~スマッシュヒットダメージ=主攻撃力×(100%+(命中度判定ダイス)%))+副攻撃力×(100%+(命中度判定ダイス)%(防御無視))、BS抵抗値補正=-50、ドラマ判定-30

★副攻撃力について

副攻撃力は攻撃がクリーンヒット以上を生じた時に意味を持ちます。
クリーンヒットの場合は単純に主攻撃力と副攻撃力を足した上でダメージを算出します。
ハードヒット、スマッシュヒットの場合は副攻撃力に関わるダメージについては防御技術判定による軽減効果を無視します。
又、攻撃側がクリティカル判定を生じた場合でも防御側は防御技術判定を試みる事が可能ですが、攻撃側がクリティカル判定を発生した場合、副攻撃力分による与ダメージは防御技術による軽減が不可能な3倍ダメージとして処理されます。

※特記

  • 付与属性スキルがクリティカルした場合、消費APが50%カットされます。
  • 治癒属性スキルがクリティカルした場合、回復量が1・5倍になります。

★特殊抵抗判定、バッドステータスについて

 攻撃の命中時には、バッドステータスが生じる可能性があります。これに対して防御側は特殊抵抗判定を行う事が出来ます。
 まず、防御側の特殊抵抗値に命中度によるBS抵抗値補正を加えたものが、BS抵抗値となります。
 防御側は100-BS抵抗値の数字を目標に、1d100のロールを行います。このロールの数値が目標値以上だった場合は抵抗成功となり、バッドステータスを受け付けませんが、目標値未満だった場合、防御側は所定のバッドステータスを受ける事になります。
 バッドステータスを消滅させるには一定ターンの経過か、スキルによる回復が必要となります。ターン経過によるバッドステータスの消滅はそれぞれのタイミングで処理されますが、スキルによる回復に成功した場合、その対象にかかっている全てのバッドステータスは消滅します。

  • 例1:特殊抵抗値55のキャラクターがライトヒットを受けた場合、BS抵抗値は55+25(ライトヒット補正値)で80です。100-80≦1d100だった場合、BSを受けません。
  • 例2:特殊抵抗値55のキャラクターがクリーンヒットを受けた場合、BS抵抗値は55のままです。100-55≦1d100だった場合、BSを受けません。
  • 例3:特殊抵抗値55のキャラクターがハードヒットを受けた場合、BS抵抗値は55-25=30です。100-30≦1d100だった場合、BSを受けません。
  • 例4:毒と火炎のBSをそれぞれ4ターン前、3ターン前に受けたキャラクターAは、このターン毒は消滅しますが、火炎は次のターンまで残ります。ただし、スキルによるBSの回復を受けた場合、毒も火炎も一度に消滅します。

※特記

  • 特殊抵抗がマイナスでBSを受けた場合、特殊抵抗判定に移行します。
  • -抵抗値+100で抵抗判定を行い、失敗時BSの効果ターンが二倍となります。この判定は速度判定と同様にクリティカルとファンブルは起きません。-101を超えた場合、必ず失敗します。 例:抵抗-5の場合、-5+100で95の特殊判定に失敗すると(出目が4以下の場合)、BS効果ターンが二倍となります。
  • 特殊抵抗が-1~-50である間、受けるBS効果は一段階上昇します。
  • 特殊抵抗が-51~-100である場合、更にもう一段階上昇……という形でBSの効果が悪化していきます。
  • 最大で四段階目のBSの効果に悪化します。(三段階の系統、上位がないBSも存在します)
    • 例:-1~-25で【毒】を付与された場合→【猛毒】の効果に。
    • 例:-26~-50で【毒】を付与された場合→【致死毒】の効果に。
    • 例:-51~で【毒】を付与された場合→【廃滅】の効果に。
  • 特殊抵抗がマイナスである場合BSの耐性を所持していた場合でも、その耐性は無効化されBSの効果が発動します。。
  • HP増量系の付与効果をブレイク時、付与されていたHP分が消滅します。(自然な時間経過で付与効果が消えた場合はHPは減りません)

★防御技術判定

 命中度判定で算出されたダメージ量に対して防御側は防御技術判定を行う事が出来ます。
 防御側は100-自身の防御技術値の数字を目標に、1d100のロールを行います。このロールの数値が目標値以上だった場合は防御成功となり、命中度判定で求められたダメージ値から70%を軽減します。

 例:命中度判定で求められたダメージ量が1000の場合、防御技術値が38で、防御技術ロールが74だった時(100-38<74なので)、70%のダメージカットによりダメージは300となります。
 防御側の防御技術ロールが自身の防御値未満だった場合は、防御判定は失敗となり防御側は命中度判定で算出されたままのダメージを受ける事になります。

※特記

  • 防御技術判定がクリティカルした場合は自動成功となります。
  • 防御技術がマイナスで攻撃を受けた場合、マイナスの防御技術値に応じて追加ダメージを受けます。
  • -1~-10:20%、-11~-20:40%、-21~-30:60%、-31~-40:80%、-41以上:100%(カウントストップ)

★ダメージ処理、ドラマ判定、テスタメント

 最終ダメージを防御側の現在HPから減算し、HPが1以上の場合は特に何もなく行動続行となります。
 ダメージ処理の結果、現在HPが0以下になった場合、キャラクターはドラマ判定を行う事が出来ます。防御側は100-自身のドラマ値を目標にロールを行い、結果数字が上回った場合、0以下に陥ったHPを1まで回復した上で行動を続行する事が出来ますが、1d100のロールが100-ドラマ値を下回った場合は戦闘・行動不能となってしまいます。
【必殺X】属性を持つ攻撃でHP0以下に陥った場合、防御側はドラマ判定値をX×20減算した状態で行います。
 又、同様にクリーンヒット、ハードヒット、スマッシュヒットを受けてドラマ判定を生じる場合はそれぞれ-10、-20、-30の補正を受けた上でドラマ判定を行います。
 シナリオ時限定ですが、ドラマ判定を失敗した場合でも、テスタメント使用による強制復活を選択する事が出来ます。
 テスタメントによる強制復活は一シナリオに一回までであり、個人のテスタメント値を5増加します。
 ドラマ判定は一度成功する度にその戦闘終了時までCT+1、速度+20を加算します。この数値は最大CT+10、速度+200まで累積します。

ポイント

  • ドラマ判定に上限回数はありません。
  • ドラマ判定はHPが0を下回った際に行なわれるため、BSダメージによる判定時にも行なわれます。
  • ドラマ判定によるHP1状態への移行は回復扱いではないため【致命】の影響を受けません。

特殊状況について

 水中戦闘、騎乗・運転時の判定、特殊な状況・環境での判定は、それぞれの状況下でGMが定めるルールを優先するものとします。
 GM側からのルール提示が無い場合は、状況に応じて命中、回避、速度に最大-30程度の補正が加わるものとします。(原則として、戦闘が関わる特殊環境下においては機動動作(命中・回避・速度・機動力等)にマイナス補正が加わる方向であると考えるものとしますが、シチュエーションに適する一部スキル等を取得している場合、マイナス補正は軽減、消滅する場合もあります。又、逆にプラスの補正が加わる場合もあります。それら判定は原則的にシナリオ運営者であるGMの判定を正とします)

アイテムについて (アイテム使用例はこちら)

 武具の他、シナリオに役立つ道具を装備し、冒険に持ち込む事は自由です。
 しかし、その効果はスキルに比べて非常に弱く限定的であり、本来の用途以上には使えないと考えて下さい。GM側の判定で有効とされる場合も、されない場合もあります。期待し過ぎは禁物です。

ポイント

  • 酸素ボンベで水中でも自由自在!(非戦スキル方が強力かつ動きも自由です)
  • 有力者の紹介状を見せる!(効くかどうかは相手によります)
  • ヘアピンで鍵を開ける!(鍵開け系スキルと併用なら有効かもしれません)
  • 3メートルの棒で床をつつきます!(落とし穴は探せそうです)

飛行戦闘は有効か?

 飛行可能系スキルを持っているキャラクターは飛行戦闘が可能です。
 そういうキャラクターは戦闘中に低い高度で飛ぶ演出を行なう事は自由です。
 ゲームルール上、レンジ0・至近に属する三メートル未満の範囲での飛行はペナルティを受けませんが、高度を確保して飛行戦闘をする場合、戦闘動作に下記の影響を受けます。

ポイント

  • キャラクターは基本的に機動力値分の距離(機動力1につき10M程度の距離)を移動する事が出来ますが、飛行時は上昇距離を平地機動力の1/4とし、移動を1/2、降下を等倍とします。
  • 十分に飛ぶスペースがある場合、足場のマイナス修正を受けません。(3メートル未満の低空飛行ならばペナルティは受けません)
  • 命中力と回避力に大きなマイナスの修正を受けます。
  • 防御を取る事が難しい為、防御力に大きなマイナス修正を受けます。
  • 自身の最大HPの30%を超えるダメージを一度に受けた場合、飛行姿勢を維持できず落下します。(一度に10メートルずつ落下します。高度が0以下になった場合、地上に落下する扱いになり、GM判断の落下ダメージ判定を受けます)

 使い方次第では武器になるかも知れませんが、リスクもあります。ご注意を。